Your humble servant:あなたの忠実なるしもべ(手紙の結語) |
ここでは日本語としての通りの良さを考えて「忠実なる」としてありますが、実際にはhumbleは「謙虚な」「控え目な」あるいは「身分の卑しい」というような意味です。Your humble serventはいわば謙譲表現の一種で、自分を相手よりも低く表現することで、相手への尊敬の念を表明するものです。普通は日本語の「敬具」「頓首」などのように、手紙の結びの言葉に使われるようで、いずれにしてもちょっと古めかしい表現です。
通商連合のMTTに轢かれるところを助けられたジャー・ジャーは、クワイ=ガンに付いていくと言い出します。命を助けてくれたお礼にお供になるというわけですが、実際には追放の身で苦労していたが、クワイ=ガンについていけば今後の生活も何とかなるだろうという魂胆もあったかもしれません。というよりも、やはり単に性格が単純なだけでしょう。
グンガン人たちは、独特のきつい訛りのある銀河標準語(英語)を話します。例えば、一人称(私)はMesa[ミサ]、二人称(あなた)はYousa[ユーサ]で、be動詞は抜け落ちる傾向にあります。定冠詞theはda[ダ]で、一概には言えませんが英語のth音はだいたいt / d音に変わります。単語も割とプリミティブな造語が目立ちます(近々解説予定)。これを訳すことは可能ですが、英語の台詞と訳し分けるのは至難の技です。上の訳はとりあえず参考程度に考えてください。
通常グンガン方言では一人称(私)はMesa[ミサ]ですが、上でジャー・ジャーは一か所だけI spake[アイ・スペイク]とIを使っています。ここはクワイ=ガンに自分は言葉が話せるということを強くアピールしようとして、きちんとした標準語の表現を意識的に使ったものと思われます。でもspeak[スピーク]はspake[スペイク]と訛ってしまっているところがなんとも面白いです。
ナブー人はグンガン族を無知で野蛮な未開種族だと軽蔑する傾向にありました。物語の後半でアミダラ女王がグンガン族に協力を求める時には、それまでの態度をあらため、膝を付いて嘆願します。この時に、ちょうどジャー・ジャーと同じ表現を使っています。