送信者: Shin'ichirou Koubuchi 宛先: Cc: Shin'ichirou Koubuchi 件名 : [klingon 584] Kronos Chronicle 20000212 日時 : 2000年2月12日 15:03 クロノス・クロニクル 2000.02.12号 Kronos Chronicle Feb. 12th, 2000 Qo'noS QonoS cha' pagh pagh pagh, pagh cha', wa' cha' =================================== ■■■ クリンゴン・ハムレット ■■■ tlhIngan Hamlet みなさんお馴染みのKLIによるThe Klingon Hamlet: The Restored Klingon Version(クリンゴン・ハムレット:復元クリンゴン語版)の ペーパー・バック版がいつのまにか出ていました。2月8日(火)にふと見つ けて、逸早くお知らせしようと思いましたが、■■さんに先を越されてしまい ましたね。(悔しいぞ!) ■■さんを賛えて以下の言葉を送ります。 ngaghQo'wI' nawlogh yImuv ...って、それじゃ侮辱だよ。 失礼しました。以下、本の情報です。 題名:The Klingon Hamlet: The Restored Klingon Version 編集:Klingon Language Institute 出版:POCKET BOOKS 値段:11.95米ドル ISBN:0-671-03578-9 内容自体は今までのものと変わりありませんが、KGTやニュースグループに 基づく更新が入っています。表紙にはなんとも不細工なデンマーク王子が描か れています。ちょっと大きめで、携帯には不向きです。割と上級者向けですの で、学習教材にすると途中で挫折しますので注意しましょう(変な忠告)。 To buy, or not to buy... 買うべきか、買わざるべきか。 =================================== ■■■ パーティー・ジョーク ■■■ lopno' qID 月刊言語2月号の特集は「ことば遊びを作る」というもので、その中に「パー ティー・ジョークを発信する」と題して英語のジョークをいくつか紹介する文 章が掲載されています。その中に、お馴染みのものがありました。 Why did Captain Kirk go into the ladies? --- To boldly go where no man has gone before. (なんでカーク船長は女子トイレに入っていったの?  誰も(どの男性も)行ったことのないところに勇敢に行ったのさ。) もちろん、TOSの冒頭の言葉をもじったジョークで、「人」の意味で使われ ている man を「男」の意味で使ったものです。ちなみにTNGでは政治的に 正しい表現を要求する時代を反映して、man が one に変わっています。 また、欧米ではパーティーの時に順番にジョークを言い合うことが多いので、 普段からジョークをいくつか覚えておくべきだとも書かれてあります。これを 読んで思い出すのが、PKLのクリンゴン・ジョークの解説ですね。ここでは、 クリンゴンの宴会が盛り上がってくるとジョークを言わされるので、いつでも 使えるようにジョークをいくつか覚えておくべきだと解説されていて、代表的 なジョークの例が示されています。面白いかどうかはあまり問題ではなく、ほ ぼ決まり文句のようなものになっており、クリンゴンたちは同じジョークを聞 いて、それが合図であるかのように一斉に爆笑しだします。この月刊言語の記 事を読むと、クリンゴン・ジョークは欧米のパーティー・ジョークの習慣を茶 化したもののようにも思えて、面白いです。 =================================== ■■■ スタートレック・エンサイクロペディア第3版 ■■■                  Hov leng qawHaq'a' wej スタートレック・ファンのバイブルともいうべき必携書 STAR TREK ENCYCLOPEDIA の第3版が出版されています。年末年始に忙し かったので、私はまだ入手していません。詳細は入手したらお伝えします。 =================================== ■■■ ケチュアのことわざ ■■■ qechwa' vIttlhegh qechwa' というのは「アイディア1番」ではなくケチュア(Quechua)に当 てた独自の訳語です。ケチュア語は南米で話されているインカ諸語の1つです。 インカ帝国の官用語として有名ですが、実際にはその後のスペイン人支配時代 に公用語として広まりました。発達した接辞が特徴です。動詞の変化は繁辞、 つまり be 動詞に相当するものまで規則的に変化するので、その点は付き合い やすいかもしれません。現在のところ、あまり整理はされておらず、各地域に よる方言差もあり、綴りもきちんと定まってはいません。日本語による文法書 は私の知る限りでは出版されていません。しかし、世の中便利になったもので、 インターネットを探せばケチュア語入門のページがぞろぞろ見つかります。 ほとんどは英語かスペイン語なのが難点ですが、日本語のページも1つ見つけ ました。でも、ユニコードがどうとかいって、文字化けで読めないよお! Qu’vatlh! いつもながら前置きが長くてすみません。ここからが本題です。とある理由か らケチュア語を学んでいると、ケチュアのことわざの中になんとも馴染み深い ものを見つけましたので、ここに紹介します。 ケチュア語:Wanyuymi aswan allin, qonqorchaki kausaytaqa.    英語:It's better to die while standing, than live on your knees. まだ、学習中なのでケチュア語からの正確な訳はできませんが、英文からも分 かるように「ひざまずいて生きるより、立ったまま死ぬ方が良い」という意味 で、いかにもスペイン支配に苦労した誇り高き民族の気高い心がうかがえます。 ご存じの方はすでにお気づきのように、クリンゴンのことわざにもまったく同 じものがあります。 クリンゴン語:QamvIS Hegh qaq law' torvIS yIn qaq puS.     英語:Better to die on our feet than live on our knees. しかし表面上の文面は同じですが、ケチュアの方は虐げられる側の気高さが表 現されているのに対して、クリンゴンの方は虐げる側が頭を下げるのを拒む際 に発っせられた(ST6)ものであり、使われ方がちょっと違いますね。 =================================== 略語の説明 KLI:Klingon Language Institute KGT:Klingon for the Galactic Traveler TOS:The Original Series PKL:Power Klingon ST6:スタートレックVI 未知の世界 Qapla’! コウブチ