送信者: Shin'ichirou Koubuchi 宛先: Cc: Shin'ichirou Koubuchi 件名 : [klingon 512] Kronos Chronicle #10 日時 : 1998年9月5日 19:43 Eメールによるクリンゴン語情報誌 【クロノス・クロニクル】 第十号 - Qo'noS QonoS 10-DIch - - Kronos Chronicle #10 - 発行者:コウブチ・シンイチロウ 発行日:1998年9月6日 ■■■ TKDドイツ語版 ■■■ The Klingon Dictionary はドイツ語版も出版されています。   題名:Das offizielle Woerterbuch      Klingonisch/Deutsch Deutsch/Klingonisch   著者:Marc Okrand  翻訳者:Jens Helmig  出版社:HEEL AG, Schindellegi Switzerland  発行年:1996年 Woerterbuch の oe は実際には「oウムラオト」です。黄色い表紙に緑色で 大きくKの文字が書かれたデザインはちょっと野暮ったいです。追々入手した ら、詳細をお伝えします。 ■■■ コミック・クリンゴン語版 ■■■ 以前、当メーリングリスト上でもお伝えしましたが、アメリカン・コミック 『STAR TREK: STARFLEET ACADEMY』クリンゴン語版の続報です。このコ ミックの98年5月号は、今年の3月18日に第1版が発売され、これはクリ ンゴン語版になっています。そして1週間後の3月25日には第2版が発売さ れ、これは英語版になっています。つまり第1版のみがクリンゴン語で以降は 英語ということですので、アメリカ本国でも買いのがした人が多いものと推測 できます。特に地方などでは入荷が遅く、初めから第2版のみの発売などとい うところもあったことでしょう。なんとも罪作りな発行体制です。今から入手 するなら、プレミア付きを覚悟せねばなりません。因みに本書のクリンゴン語 がオクランド博士監修によるものかどうかはまだ不明です。追々入手したら、 詳細をお伝えします。 ■■■ 新出単語 ■■■  ◆puq chonnaQ:fork (n):(食事用の)フォーク  ◆baghneQ:spoon (n):スプーン ST6の晩餐会の場面やTNG『汚名〜クリンゴン戦士として〜』Sins of the Father でのカーンの食事風景、あるいはKCDなどを見てもわかる通り、 本来クリンゴン人は食事を手づかみで食べます。しかし異文化との接触により、 道具を使って食べることを知り、ちょっと異国風を気取ってフォークやスプー ンを使うようにもなります。長年箸を使ってきた日本人が、西洋料理との出会 いによって時にはナイフとフォークを使うようになったのと同じことでしょう。 TNGでは、『さまよえるクリンゴン戦士』Heart of Glory、『錯綜した美 学』A Matter of Honor、『裏切りの序曲』The Mind's Eye などでクリンゴ ン人がフォークを使って食事する光景を見ることができます。 puq chonnaQ を分析すると、puq は「子供」で chonnaQ は「狩猟用の槍」 ですので、「子供のための狩猟用の槍」という意味になっています。食事用 フォークという刃物は、武器としてはそれほど効果的なものではないので、 多少嘲笑的にこのように呼ばれているようです。 クリンゴン人にとってスプーンは歴史的に新しいものですが、baghneQ とい う単語自体はかなり古くからあって、かつては他のものを指していた単語を 「スプーン」の意に割り当てたようです。一説によると、本来は nagh beQ (flat stone, flat rock:平らな石、平らな岩)であったものが、語頭の子 音が入れ替わって出来たのではないかとも言われています。音が入れ替わるな んて、そんなばかなことがあるのかと思われる方もおられるかも知れません。 しかし日本語でも例えば「だらしない」は本来「しだらない」であったことを 考えると、このような音の交替もあながちばかげたことではありません。 【略語の説明】 TKD=The Klingon Dictionary TNG=新スタートレック(ザ・ネクスト・ジェネレーション) ST6=映画『スタートレック6:未知の世界』 KCD=STAR TREK: KLINGON CD-ROM 【あとがき】 クロノス・クロニクルもずいぶんと久しぶりの発行となりました。しばらく仕 事の方が極端に忙しいことを言い訳にサボっておりましたが、最近当メーリン グリストへ参加登録される方がけっこう増えてきましたので、慌てて書いたし だいです。もうクロノス・クロニクルは廃刊になったと思っていた人も、クロ ノス・クロニクルのことなどすっかり忘れていた人も、初めからそんなもの知 らないという人も、これからもクロノス・クロニクルをよろしくお願いします。 内容に関するご感想をお寄せください。 ML宛:klingon@ml.asahi-net.or.jp コウブチ宛:vz4s-kubc@asahi-net.or.jp Qapla’!