Text written in Japanese / teksto japane

男の娘オペレッタ
『チャーミング・ルージュ/ダーリンに祝福を』

エンメリッヒ・カールマン(カールマーン・イムレ)のオペレッタ『チャールダーシュの女王』の名曲を元にして、男の娘の替え歌を作りました。


『Heia, Heia, in den Bergen ist mein Heimatland』
(ハイヤー、ハイヤー、山こそ我が故郷)より

ボーヤー ボーヤー
なんでボクは この世に
オジョーヤー オジョーヤー
男に生まれたの
とおく はるかなる
おもい つみかさなる
ボーヤー オジョーヤー
むねは たかなる

ボクは男の娘 恋してる
遊びじゃないのさ 愛してる
決めてよ どちらか
あの娘(♀)か ボク(♂)か
ふたりで 歩くか
独り身に 泣くか
地獄か 天国か

ボクは 男の娘
ボクを 愛して
キスして キスして
上手にできたら
愛をあげる

解題

原曲はオペレッタ冒頭を飾る山娘の情熱を詠ったハイテンションな歌です。前半は故郷の高原の風景をゆるやかな調子で歌い上げ、途中から急にペースが早くなり、「一度好きになったら遊びじゃすまない」「魂まで捧げるから貴方も覚悟なさい」「キスのいちばん上手な男が夫よ」と興奮に包まれながら一気になだれ込みます。これを女の子と男の娘の二者択一を迫る、生意気ながらも愛らしい、ちょっと魔性の男の娘の激白に替えました。

冒頭の「なんでボクはこの世に」「男に生まれたの」というのは、テーマとして少し重いですが、原詩の「in den Bergen...」「hoch dort oben meine...」と似た感じの音を選んだ結果、自然に出来上がったものです。偶然にも妙にテーマに沿った替詞が生まれました。

ちなみに、僕なら迷わず男の娘を選びますが、キスは上手に出来ないかな……。


『Schau kein Mädel』
(女なんか見たくない)より

女と恋愛
してられない
女どもなんか
要るもんか
失恋 何度もしているし
女の顔にゃバツ印
真実の愛
掴みたい
その理想の子
それは男の娘
さ!
男の娘に首ったけ
愛 注ぐよ ありったけ
だからハグしよう
キスしよう キスしよう
男の娘に首ったけ
愛 注ぐよ ありったけ
だから誓うよ
君は違うよ
惚れてしまうよ

解題

原曲は、女性に何度も振られて「もう女などいらぬ、恋などするものか」と決意したそばから、「でもまったく女なしというのもつまらない、キスくらいならしちゃおうかな」とすぐに前言撤回してしまう軟弱な色事師の憎めない独白となっています。そのため、前半部分では女性を罵倒していますが、他意はありませんので、あしからず。この替え歌では、失恋を繰り返して女性との恋に幻滅した末に、男の娘への愛に目覚める内容となっています。

ちなみに、僕はカッコいい男性への失恋を繰り返した末に、カワいい男の娘への愛に目覚めました……。


作成者:姫楼しん(きろうしん)/公開日:2011-03-21
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Farita de Sin Kiro el Japanio / Aperis en 21 mar. 2011
Chefpagho: Konkelspiro