じゃんぼスロットル

正式発売直前のじゃんぼスロットルをテストしてみましょう。

ノーマルのφ55mmをφ60mmにするパーツである。これにより、スロットルバルブ径は約9%のアップとなるわけだが、面積は直径の2乗に比例する為、スロットルバルブ面積はなんと20%アップとなる。 NA8CはNA6CEにくらべて排気量が15%も大きいのにスロットルはNA6CEと同じ55mmなので、このパーツはNA8CやNB8Cなどの1837ccのエンジンでより効果が大きいのではなかろうか? しかし、NA8Cは持ってないので1608ccのFire号でテストさせていただく。

じゃんぼスロットルはノーマルスロットルボディを加工して製作される。ノーマルのスロットルバルブとスロットルシャフトを外し、旋盤にてスロットルボディを拡大加工、専用設計高精度加工の真鍮製φ60mmバルブを取り付ける。スロットルバルブは斜めになっている関係上、バルブの形状は真円ではない。60mmX60.43mmという楕円加工になっており、スロットルボディに当たる端面は角度に合わせて斜めに加工されている。このバルブの製作だけでかなりのコストがかかっているらしい。

左の写真でボアの右側に非常に薄い壁が有るが、このままだとスロットルバルブ下流に発生するカルマン渦による振動で金属疲労破壊する恐れが有る。私はこの壁はパキパキっと折ってしまった(笑)。製品版では最初から削り落とす事になったようである。

開発段階のテストでは、1680ccのNA6CEと、ノーマルエンジンのNA6CEでテストを行なったようで、双方で好結果が出たとの事。ノーマルエンジンのNA6CEでシャシダイテストもやったようで、スロットルバルブ交換前後で同じ日に連続して測定し、2馬力のアップを記録したらしい。あの細く潰れたノーマルインテークパイプのままでシャシダイで2馬力アップを実現したのなら、ちゃんとしたインテークパイプにすればもっと違いが出ると思われる。あんなに潰れたノーマルパイプじゃぁスロットルが100mmでも同じだと思うし(笑)

で、Fire号に付けてみましょ。


とりあえずインマニを外す。つい春先に組み上がってナラシが終ったばかりなのにまたバラしてる。Snap-on君が大活躍(笑)。

B6のインマニはサージタンク入り口がφ55mmしかない。従ってそのままジャンボスロットルを付けても何の意味も無い。サージタンク入り口もφ60mmに加工しなければならん。この加工はじゃんぼスロットル発売元でやってくれる。

尚、NA8Cのサージタンク入り口はφ58mm、NB8Cではφ59mm+αである事を確認している。NB8ならインマニは無加工でスロットルだけのボルトオンでOKです。NA8Cの場合は出来れば加工した方が良いかも知れないが、B6から比べたらかなり大きいのでそのままでも良いかも?


冬の間に磨いたポートとバルブは今でも健在でピッカピカだった(当たり前(笑))。


手前は外したインマニ、奥がじゃんぼスロットル対応加工済みのインマニ。ぴっかぴかに光ったマニが2個並ぶと壮観である。このまま床の間に飾っておきたい(え?)


スロットル関連の調整作業。まずスロットルストップスクリューを調整し、スロットルがギリギリまで閉じるようにする。続いてスロットルストップスクリューとストッパの間にシクネスゲージを挟み、スロットルセンサIDL端子の導通をテストする。メーカ調整基準値は0.4mmで導通有り、0.7mmで導通無しである。 あとで判明したのだが、これよりは早目にIDLがOFFになるように調整した方がジャンボスロットルとの相性が良いようだ。


スロットルセンサ固定ネジを緩めてIDLの導通を見ながら調整。DMMじゃなくても普通のアナログサーキットテスタで十分。


ガスケットの加工である。ガスケットもφ55mmなので、そのまま付けたらエアリストラクタになっちまう。ガスケットもφ60mmに加工しよう。スロットルボディに位置をきちんと合わせて当てて、ゴムハンマで軽く角を叩く。尚、NB8Cの場合はガスケットが最初からφ60mmなので加工の必要は無い。


するとガスケットにスロットルボディの跡がクッキリと残るので、それに合わせてハサミで切れば宜しい。


完成。当たり前なんだけど見た目はノーマルスロットルと同じ。言われなきゃ解からんし、言われても解からん。見た目のど〜だ度は極めて低いと言えよう(笑)

次回に続く...

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