ドアの閉まり具合

ロドスタを新車で買ったヒトなら解ると思うが、ロドスタのドアって本当はすごくしっかりとした感じで「ズン」と低い音で閉まる。ところが走行距離がかさんで古くなってくると「ズベ〜ン」と安っぽい音で閉まるようになる。いかにもポンコツっぽくて嫌だ。本来の姿に戻らんモンか?

まず、非常に多いのがドアの下がり。ドアヒンジのガタでドアが下がってるってヤツ。こうなると閉めるときにストライカにブチ当たってドアが上に持ち上がりながら閉まるようになる。閉め心地も開け心地も最悪で音も安っぽくなる。まずはドアヒンジを調整してドアの位置を正しくしなければならない。


写真はインプレッサバンなのだが、写真の工具がドアヒンジレンチ@KTCだ。ドアヒンジを逃げながら固定ネジを緩められるようになっている。各社のハーフムーンレンチなどでもOKだ。これが無いとドアヒンジ調整は非常に困難なので用意しよう。フェンダを外すって手も有るが...(笑)。


ドアキャッチ(ドア側ロック部)とストライカ(ボディ側金具)がかすりもせずにスッっと入るようにドアヒンジを調整する。ドアオープナを引いた状態でゆっくりと閉めたときにコツンと衝撃が有るようならストライカとキャッチの位置が合わずにぶつかっている可能性が高い。ストライカに当たってコツンと衝撃を感じた時にドア全体が上に上がるか下に下がるかを感じるようならドア位置の不良。

ストライカの位置は普通は狂わないのだが、まれにストライカの位置が狂っている場合もある。狂ったストライカにドア位置を合わせても困る。ストライカの位置で最終的なドアの位置が決まる。


閉めた状態でドアのプレスラインやドアの上部などを見て位置が有っている事を確認する。写真だとドア側が僅かに上がっているように見える。


ストライカの位置を調整するにはT40のトルクスレンチが必要。ロドスタに使っているトルクスネジはすべてT40なのでT40のトルクスレンチは持っていて損は無い。幌まわりやドアストライカがそれ。このようにドアストライカを止めているネジ2本を緩めればストライカは自由に位置調整が出来る。軽く緩めたらハンマなどでコツコツ叩いて位置を少しずつ調整する。上下位置と深さを調整する。


ストライカの位置が浅いとこのようにドアを閉めても浮き上がったようになる。写真は厚紙を当てて位置を見ているところ。深さを合わせてドアとボディが平らになるように、高さを合わせてドアとボディのラインが揃うように、それぞれ調整しよう。


完全にドアを閉めた状態でドアが正しい位置に来るようになったところで、もう一度ストライカとキャッチの位置関係を見る。合ってないようならドアヒンジを調整する。

このようにストライカとドアヒンジを少しずつ追い込んで正しい位置を出すのだ。そうそう、ボディ補強をやってないクルマで幌の張りが強い場合、幌を開けた状態と幌を閉めた状態でストライカの位置が変わるのでそれも考えながら調整すると良いかと思う。

さて、これでドアの位置とストライカの位置が調整出来たとしよう。これだけでもドアの閉め心地や開け心地は随分良くなるハズだ。


そしてドア閉め心地のキモはこれだ。凸型のゴム。NA01-62-681 620円である。


上が古いモノ、下が新品。古いモノはドア側と擦れる位置が磨耗しているのが解るだろうか? 11年目の古いモノの方が綺麗に見えるのはアーマオール効果である(笑)。

これを交換して、これの位置も調整出来るのでテキトーに合わせる。ドアを閉めてみて一番気持ち良く閉まる位置に調整しよう。

これらのすべてを完全に調整すると、閉まる音は「ずんっ!」と低く歯切れの良い音に、開く音はロドスタ独特の「ぱかっ」って軽快な音がするようになるハズだ。新車に近い感覚は取り戻せる。ドアの閉まりが良くなると実に気持ち良いので、古いロドスタに乗ってるヒトはドアの位置をチェックしてみよう。ちなみにこの作業はプロにお願いしてもそんなに高い金は取られないと思う。ディーラに持って行くより板金もやってる町工場か板金専門店に持って行った方が確実且つ低料金でやってもらえると思う。

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