トルクレンチ

ホームセンタなどには激安のトルクレンチが吊るしで売ってたりする。まともなメーカのモノなら2〜3万円くらいする筈なのだが、激安品は3000円前後のモノも有る。あの価格帯で売ってるトルクレンチってちゃんと精度は出てるんだろうか? 欲しいけど安物はイマイチ信用できないし、ちゃんとしたモノは高すぎて手がでないってヒトは多い筈。私もその一人なのだが、つい手が滑って激安品を買ってしまった(笑)。

そこで激安プリセット式トルクレンチと、KTCのプレート型トルクレンチで誤差がどれくらい有るのか実験してみた。


上がKTCの12.7mmトルクレンチ。定価は2万円くらいで、実売は13000円くらいか? 10年以上前に4A-Gを組む時に買ったモノだ。

下はホームセンタに吊るしで売ってた12.7mmのプリセット式。メーカは良く解からんのだが、「SunAce」と書いてあって品番が「SA40TR」発売元は「スエカゲツール株式会社」と言う兵庫の会社らしい(検索したらWebPageが有ってビックリ(笑))。つい最近3980円で購入したモノ。さすがにこの価格では信用できない(笑)。一発モノの可能性も有るが、測定範囲が210N.m(約21kgf.mくらい)までなので、ホイールナットの締め付けに使う程度なら壊れやしないだろう。

プレート式はシャフトのネジレで指針とプレートの位置関係がズレるのを利用してトルクを測定するモノだ。プリセット式は内部のスプリングにイニシアルをかけておき、一定のトルクに達するとカキって音と共に首がカクっと折れるようになっている。このスプリングのイニシアルを調整する事であらかじめ目的のトルクにセットする。 エンジンを組んだりとか、精密な組立を要するモノを組む時はプレート型が良い。トルクの変化を無段階のアナログで読めるので使いやすいのだ。2回に分けて締め付けるような場合でもいちいちプリセットしなくても良いから便利。一方、ホイールナットを締め付ける時などはプレート式なんか面倒で使ってられない。それぞれに長所と短所が有るので、両方のタイプを持っていると完璧。

んで、実験。 KTCのレンチで7Kgf.mで締めたサンバのホイールナットを、激安プリセット式で増し締めしてみる。いくつにセットするとナットが回り始めるかを試した。結果は誤差無しだった。10kgf.mでも試してみたが、これも誤差無し。なんてこった...4000円以下のトルクレンチがこんなに正確で良いのか?(笑)

ホイールナットの締め付け専用にするつもりで買ったのだが、予想外の高精度でビックリ。KTCのレンチで更正して、ホイールナット締め付けにちょうど良い位置にプリセットして使おうと思っていたのだが、これなら更正する必要も無さそう。これは嬉しい誤算である。 たまたま当たりの製品だったのか? それともこのメーカのモノは精度が高くて安いという逸品なのか? 真相は謎である(笑)。で、前述のスエカゲツール株式会社のWebに有った掲示板に書き込んでみたところ、安くても精度はそこそこでちゃんと使えるモノだと言う事。お勧めできそうですね。買ってみても良いんじゃないでしょうか?

9.5sqのサイズで2500円くらいのプリセット式トルクレンチもあったが、9.5sqの安物は一発モノの可能性が非常に高いし、測定範囲が11Kgf.mくらいまでだったのでホイールの締め付けでほぼ限界まで使う事になる。尚更壊れやすそうだし、限界付近で使えば誤差も大きいだろう。買うなら12.7sqのモノをお勧めします。怪力ハカイダーなヒトはやっぱしトルクレンチを買いましょう(笑)。

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