ラチェットレンチ

自動車をいじるときに一番活躍する工具と言えば、メガネレンチと並んでラチェットレンチだろう。ラチェットの安物は壊れやすいし使いにくいので、やっぱしちゃんとしたモノを揃えたい。永久保証モノが安心である。

上から順番に...

Snap-on FL830
Snap-on FH936
Snap-on F836
KTC フレックスラチェット

Snap-on FL830
定番中の定番とも言えるF830のロングサイズ版である。新型ではF936及びFL936になるのかな?長いけど、グリップが細くて手が痛いので全然力が入らない。ロングサイズではなくて普通のサイズのF830だったら尚更力が入らない。この形状のグリップは何が良いのか私には理解できないのだが? シャフト部分よりもグリップが細くなっていく意味が解からない。細い上にグリップエンド部分が盛り上がって角が有る。このグリップエンドの盛り上がりは、手がすっぽ抜けてしまうのを防ぐ為だと思われるが、細くて力が入らないので長めに持つと、丁度この盛り上がりの角の部分が手の平に食い込んで実に痛いのである。太くなっている部分が手の平に当たるようにして握ると、妙に短く持つ事になって長さを生かせないし、太くなっていると言っても細い事に変わりはないのでやっぱり痛い。非常に使いにくい最悪のデザインだと思うのだが、なぜかKTCを初めとして多くのメーカがこのグリップ形状をコピーしている。この金属グリップは重いし痛いし最悪。多くのメーカがコピーしてるって事は、このグリップ形状だとなんか良い事が有るのかもしれないが、私にはそれが何なのか解からない。Neprosの太くて丸いだけのグリップの方が100倍くらい良いと思う。Neprosは中空だから見た目ほど重くないし。

Snap-on FH936
オレンジグリップのF836が廃番となり、新型となった製品でF836の後継モデルに当たる。が、見ての通りサイズが巨大化してしまい、ロングサイズのF830Lとほぼ同じくらいの長さになってしまった。その太いゴムグリップは驚異的に力が入る。FL830なんか比較にならないくらいに力が入るのだ。大柄なので重そうに見えるが、F830やF936などの金属グリップの製品よりも軽い。回転の外側部分が軽いのでチャカチャカと切り返す時にはかなり軽く感じる。とはいえ、大柄なので細かい作業では下のF836の方が使いやすい。 狭い場所で使って勢い余ってどこかにぶつけるとゴムのグリップはすぐに切れてしまうし、オイルが付くとドロドロベタベタして拭き取るのが大変。軍手で握るとゴムに軍手の繊維がいっぱい張り付くし...。滑りにくいし力が入るのは確かなんだけど、個人的はこのゴムグリップはあんまし良いとは思わない。ちなみにギヤ数は旧型が30枚に対して新型936シリーズは36枚と細かくなっている。

Snap-on F836
私が一番気に入っていて常用しているのがコレ。こいつが一番軽くて素早い切り替えしが可能。小柄で軽いのに力が入る。丁度良い太さと長さ。長く持っても短く持っても使いやすいし、長く持てば一番上のFL830よりも力が入る。プラスチックのグリップは新型のゴムと違って頑丈で、切れたり割れたりはしないし、オイルが付いても拭き取れば綺麗になる。軽くて小回りが利くし、フルパワー作業もOK。最高の使い心地。廃番になってしまったのが惜しまれる。が、新型のFH936のグリップをこのタイプのプラスチックグリップに交換する事も可能なので、私は上のFH936のグリップが切れまくってきたらこれと同じプラスチックグリップに交換するつもりである。

KTC フレックスラチェット
この手のヘッドが曲がるタイプのラチェットは特に便利だとは思わない。便利そうに見えるけど、これでなければ困るって場合はほとんど無い。KTCのモノはロックが無いので力を入れてる時に不意にヘッドが曲がってしまう事が有って実に危ない(笑)。グリップのデザインは前述のようにSnap-onのコピーで、痛くて力が入らない謎のデザインである。このグリップデザインの何が良いのか私には理解できない。ギヤ歯数はなんと24枚という粗さ。歯数が荒い上に各部のガタが多いので送り角は歯数の荒さ以上。ソケットをはめる部分はガタが多くロックも甘い。エクステンションが不意に抜けて落ちてしまう事も多々有り。フレックスヘッドのタイプに限らず、KTCのラチェットはイマイチです(笑)。壊れるしね〜。


これは壊れてしまったKTCの12.7sqラチェット。切り替えレバーがグルグルと360度回転する。使用中にもグルグルと回る。ちなみにこの写真の位置にするとギヤがロックされてどちらにも回らなくなる(笑)。

ラチェットのようにメカニカルな工具は壊れやすい。やはり永久保証のモノが安心である。永久保証のSnap-onは壊れても安心(壊しても安心(^^; )なのだが、実に頑丈で滅多に壊れない。Snap-onならではのシールド構造のヘッド部分はホコリやゴミが進入しないので調子も変わらない。長く使っていると音が変わってくるのだが、「音がおかしいから見てくれ」って頼むとすぐにO/Hしてくれたりする。Snap-onのラチェット全体に言える事は、ギヤのクリック感がカチカチと硬くてしっかりしている事、それに伴い回転トルクが重いので空回しでは回しにくい事。この辺りはNeprosの方が軽く回るので使いやすいカモしれない。ただ、好みは別れるようで、Neprosの回転感は安っぽいと言う人もいる。私はNeprosは金属のグリップが重くて使いにくいと感じたのでSnap-onを選んだ。Snap-onのプラスチックグリップのラチェットはNeprosよりも軽いのだ。でも金属グリップのSnap-onよりはNeprosの方が軽いし力も入るので良いです。とにかくSnap-onの標準デザインの金属グリップは使いにくい。Snap-onを買うならプラスチックグリップのモノをお勧めしたい。金属グリップのSnap-onよりはNeprosの方が100倍良いと思う。

写真には無いけど、FACOMのラチェットは72ギヤと細かい送り角が特徴。その繊細で軽い動きは感動モノ。しかし、あまりにも細かいのでなんだか不安。ほんとにこれでチカラを入れて良いのだろうかって思ってしまう。が、FACTORY GEAR で買ったFACOMは永久保証してくれるそうで、保証が付くなら買っても良いかなって思ったのだ。でも、英語の説明書を必死に解読したら、「たまにバラして掃除と注油をしなさい」みたいな事が書いてあった(ような気がした(^^; )。 Snap-onの場合、「シールド構造だからバラしちゃ駄目、注油しちゃ駄目」って書いてある。それを見てやっぱSnap-onが良いなって思ってSnap-onを買ったのである。 FACTORY GEAR のここにラチェットの比較が出てます。FACOMやNeprosと私が嫌いなSnap-on金属グリップのラチェットを比較してますのでご覧あれ。 あと、99年12月のつぶやきでSnap-onのエクステンションの何が優れているのかを書いてますのでそちらも参考に。

そう言えば、ここで紹介したのは3/8ラチェットだけど、Snap-onの1/4ラチェットってすごく良い。特にF836と同じプラスチックのグリップが付いてるタイプは軽いし力が入るし本当に良い。12mm程度までなら最高に使いやすいんだけど、私はお金が無いからすべて3/8で揃えてます(^^;。

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