ドライバー比較

新企画第一弾ドライバー比較編である。 ドライバーは安物を使うとネジの頭をナメ易いので、ちゃんとしたモノを使いたい。私が持っているドライバーは色々なメーカのモノが有って統一されていない(笑)。一番いっぱい持ってるのはPBの非貫通型。

上から順番に書くと...

Snap-on
PB 非貫通型
PB 貫通型
VESSEL 貫通型
VESSEL 非貫通型

である。


Snap-on

貫通型では無いのが最大の欠点。先端部分の形状が日本製のネジに合わないと言う人もいるようだが、私はそうは思わない。PBやVESSELと先端形状を比較しても特に変わらないし、ネジとのフィット感も同じようなモンだと思う。先端部分はメッキしてないが、ここの部分は地金なので錆びてくる。レンチをかけて回せるようにシャフトの根元は六角になっているが、この二面幅が3/8in(9.5mm)なのが気に食わん。10mmのレンチでも回せるのだが、ガタガタになる。並行モノが3/8inで、正規モノが10mmだと言う人がいるようだが、正規モノでも3/8inである。普通のバンセールスが売ってるのも量販店で売っているのも同じだった。グリップの四角い形状は賛否両論だろう。力が入るような気もするが、クルクル回す時はゴツゴツするので回しにくい。私は回すモノは丸い方が良いと思うのだが?

貫通型ではない事、六角部が3/8inである事、が欠点。先端が錆びるのは愛敬か?(笑)。精度も高いし製品は悪くない。価格もそんなに高くないので、永久保証である事を考えれば買っても良いだろう。特にプラスドライバは消耗品なので、一度買えば、摩耗しようが折れようが欠けようが何回でも交換してくれるSnap-onのドライバを買うのはお得だと思う。

実売価格はプラスの2番で2000円以下かな? 永久保証でこの価格なら激安と言えるだろう。バンセールスだともっと高いけど。

00.01.09追記:工具屋さんのABITさんからの捕捉によると、Snap-onの先端はPBと同じくダイヤモンドコートだそうである。でも私のSnap-onは錆びてるんだけどなぜだろう?(^^; それと、Snap-onでも先端の摩耗に関しては保証の対象外なのが普通だそうです。が、フレンドリーなバンセールスなどでは交換してくれたりもします(笑)。



PB 非貫通型

先端の精度はSnap-onより高いカモ。使い心地は最高! 軽いし持ちやすいし力も入る。私はSnap-onの四角いグリップより好きである。が、六角部が無いのでレンチを掛ける事が出来ないのが欠点。使い込むとグリップの表面がツルピカに摩耗してくるのも難点。半透明のグリップはだんだん黒ずんで汚い色になってくるのも気になるか? Snap-onと同様に先端部分はメッキがかかってないが、PBは黒染めしてあるので錆びない。先端の精度は最高レベルなのだが、やはり消耗品である。摩耗してきたら買い換えるしかない。六角部分も無いし貫通でもないので、軽作業向きと言えるカモ。軽量で手に馴染みやすいのはとても良い。

実売価格はプラスの2番で1000円くらいか? そんなに高くないので気軽に買える。

このシリーズのマイナスのNo1が私のお気に入りで、手放せないアイテムとなっている。非常にネバリ強いシャフトが特徴。弾性変形の領域が広くて塑性変形しない。高い硬度と強靭なネバリを両立させた魔法のブレードである。先端部分は非常に薄くて鋭いのに変形しないし摩耗もしない。


ブレードそのものはすごく硬度が高いのに、ここまで変形させても曲がらないし折れないのだ。力を抜けば真っ直ぐに戻る。普通、安物ドライバでこの細さのシャフトはすぐに変形してグニャグニャになる。コイツは違うのだ。弾性変形と破壊の境目が分かりやすく、塑性変形する事が無いし折れる事も無い。一回だけ折った事が有るが、塑性変形せずに弾性変形の領域からいきなり破断した。余程の無理を掛けない限り折れない。オイルシールをこじって外す時や、キャリパブーツをめくったりする時やその他いろいろな作業で常に愛用している。何か整備してる時はいつもこいつを持っている感じかな。バルブのコッタをはめる時とか、ROMを外す時とか、何かを突っつく時とか、とにかく何にでもコイツを使ってる。超お気に入りなのだ。

PB 貫通型

世界最高のドライバだと思う。太いシャフトから削り出して製造されているらしく、貫通部分がかなり太いので思いっきりブッ叩いてもOK。六角部分はSnap-onとは違って10mmなので、普通のレンチが使える。先端部分の精度も素晴らしい。 錆付いたネジを外す時に、このドライバを使って叩き、レンチを掛けてフルパワーで回した時、先端部分数ミリを残してシャフトがねじ切れた事がある。ねじ切れるまでチカラを加えても滑らないその先端の精度と強度は素晴らしい。安物ならネジ側をナメてしまうか、先端の十字部分がネジれてしまう。(Snap-onも限界を超えると先端ビットを残してねじ切れるらしいが、私はSnap-onのドライバを折った事はない) これで緩まないネジはポンチとハンマで外すしかないだろう。しかし、非貫通型と同じくグリップがツルピカに摩耗してくるのと、先端部分も使用に伴い摩耗してくる。当然ながら摩耗したら買い換えるしかない。私は摩耗で買い換えたのが1回、ネジ切れたのが1回、で3本買った事になる。

実売価格はプラスの2番で2000円を超えると思う。 この価格はハッキリ言って高い。折れると泣きます。

気になる点は、グリップが摩耗してツルピカになってくる事、重量が重い事、価格が高い事、かな。この価格の高さで消耗品なのが泣き所だなー。永久保証のSnap-onが買えるもんなー。でも本当に硬くて緩まないネジに挑戦するときは、やっぱりPBの貫通型が最高だ。

00.01.09追記:工具屋さんのABITさんからの捕捉によると、PBの非貫通型でも6角部分が付いているモノが有るそうである。が、私は見た事が無い。


VEESEL 貫通型

悪くない。先端の精度も高いし特に問題は無い。ちょっとソフトな素材を使ったグリップは、手に馴染むし滑りにくい。結構使える。過激に叩いても大丈夫。但し、叩いたグリップ部分は変形してくる(笑)。レンチをかける六角部分が有れば良いのになー。レンチを掛けられないから、手で普通に回す程度のトルクなら破断する事も無いだろう。 値段を考えれば素晴らしい出来具合と言える。このシリーズはプラスとマイナスでグリップの色が違うってのは親切。一目でプラスとマイナスが判断できるのだ。

実売価格はプラスの2番で数百円。 何も気にせずにブッ叩ける。パワープレイ向き(笑)。

VEESEL 非貫通型

軽くて宜しい。貫通型と同じような素材感のグリップは手に馴染むし滑らない。貫通型じゃないけど叩いてみた事が有る。でも壊れなかった(笑)。そこそこ使えるけど、信用できないからコレでフルパワー作業をやった事は無い。したがって、限界を超えた時にどうなるのかは知らない。シャフトはメッキじゃなくて黒い色。私のは錆びてないけど、湿気が有るとシャフトが錆びるのカモ? 15年前に買ったんだけどまだ使えてる。ハードに使うなら貫通型を買った方が良いと思う。軽作業向きかな。

実売価格はプラスの2番で400円くらいか? この価格帯では一番まともな製品だろう。

00.01.09追記:工具屋さんのABITさんからの情報によると、VESSELのメガドライブシリーズと言うのが有るそうで、これは貫通型、根元六角付き、先端精度、シャフト硬度、コストパフォーマンス、どれを取っても優れている逸品だそうである。私は見た事が無いので解からないが、グリップ形状などが良いのであれば使えるカモ?


っとこんな感じで正直な意見と使用感を書いてみた。それぞれ一長一短で、完璧ってモノが無い。 PBが良いんだけど、貫通型は価格がすっごく高い。う〜ん、トータルで考えると、折れても安心の永久保証Snap-onが良いような気もするなー。PBの貫通が折れたら悲しいもんね。

本当にヘビーな作業にはPB貫通型、軽作業には軽量なPB非貫通型、その中間的な性格なのがSnap-onだろうか。 ガンガンブッ叩いて壊しても良いっていう気合で使っちゃうのがVESSEL貫通。 VESSELで叩いてからSnap-onで緩めるってのが一番良いカモ?(笑)。ちなみにSnap-onは叩いちゃいけません。

余談になるが、ドライバは同じメーカの同じシリーズで揃えると全部同じ形の同じ色になりやすい。並べた時には綺麗で壮観なのだが、何が何だかさっぱり解からなくなる。こうなると目的のドライバを手に取る時に悩む(笑)。目的に応じて適材適所で多数のメーカから選ぶと、悩まずに一発で目的のドライバを手に取る事が出来る。Snap-onならカラフルなグリップをいろいろと選べるので、サイズやプラスマイナスに応じて色を分けると良いだろう。 私がいろいろなメーカのドライバを持っているのは、目的を明確に分けて使用しているからである。車載用、叩き用、本気フルパワー用、etc...。このような分類は本人にしか解からないもので、多かれ少なかれそのような分類をやっているメカニックは多い筈。これはドライバに限った話では無い。 だから工具の貸し借りってのはお互いにとても嫌なモノなのだ。 皆さんがどこかのショップや工場で工具を借りる機会が有った場合、細心の注意で使用してもらいたい。 貸す方はニコニコしてても本当は嫌なのは間違い無いのだから。

.