ブレイカーバー

ブレイカーバー(スピンナハンドル)を比較してみましょう。Snap-onのラチェットがいくら強靭だと言っても、長さが足りなくて緩まないネジはブレイカーバーで緩めるしかない。あんまし使わないんだけど、無いと困る。特にラチェットが永久保証ではない製品なら、フルパワー作業はブレイカーバーでやりたい。


これは両方ともSnap-onのブレイカーバー。上のオレンジハンドルが付いてるのが FH12LO、下の金属グリップのは F12L である。長さは280mmくらい。構造も同じだし長さも同じなのだが、その使い心地は別物。

金属グリップのタイプはブリップが細いのでチカラが入らない。チカラが入らないから長めに持つと、グリップエンドの部分の角が手の平にメリ込んで痛い。これはハッキリ言って全然使えない。プラスチックグリップが付いているタイプのラチェットで締めてから、このブレイカーバーで増し締めしようと思っても手が痛くてまったく締まらないくらい。つまりラチェットの方が力が入るのだ(笑)。これじゃ何の意味も無い。 ラチェットのコーナでも書いたが、この形状のグリップは全然使えない。あえて言うならパイプを掛けて使うつもりなら金属グリップのモノの方が良いかと(笑)。

# ホントはパイプを繋いで使っちゃいけません。

プラスチックグリップが付いている方はかなり使える。フルパワーをかけても手は痛くない。上の写真で良く見比べてほしい。金属グリップで一番細くなっている辺りが、プラスチックグリップでは一番太くなっているのだ。金属の方は長さを生かせないが、プラスチックの方は長さを生かして持つ事が出来る上に痛くないので力が入るのである。価格もほとんど同じなので、どうせ買うならグリップ付の方を買おう。


これはSnap-onとKTCを並べたところ。KTCのモノは長さが短い。つーか、普通は9.5sqのブレイカーバーの長さなんてこんなモンだ。Snap-onやNeprosなどは強度に自信が有るからこそ長いモノが有るのだと思う。Neprosなら400mmってのも有る。んが、Neprosのモノは欠点が有る。ナニかと言うと、首が90度以上に曲がらないようになっているのである。90度以上に曲がるからこそ便利な場合ってのは多々有るし、90度以上に曲げて使うと滑りにくいのだ。だからNeprosのブレイカーバーは却下(笑)。でも、ネプロスの方がシャフトの形状とかグリップの形状は良い。力も入るし剛性も高いと思う。90度以上に曲がらないっていう欠点を除けばNeprosのブレイカーバーは凄く良いと思う。


左がKTCで右がSnap-on。組み合わせ方が逆なんだよね。一番力が掛かるシャフトの根元部分が1枚モノになってる上に直角部分が有って応力が集中する構造になっている。だからKTCのモノは一枚モノの部分が折れるのだ。Snap-onはシャフトの根元が二つに分かれていて、綺麗なRを描いて応力を分散させる構造になっている。


横から見た場合。ヘッドの高さが全然違う。回転部分のピンの太さも全然違う。ピンの太さは強度に影響するし、ヘッドの高さは使いやすさに影響する。どちらが優れているかは言うまでもないだろう。


これが実際に折れたKTCの12.7sqスピンナハンドルである。12.7mmのモノでも折れるのだから、9.5mmなら更に簡単に折れると言える。


典型的な金属疲労破壊って感じ。ちなみに折れた時は大した力を掛けてないのにポロっと折れた。 それ以前からの金属疲労でヒビが入っていたらしい。破断面の色を見ると先にヒビが入っていたところが解かる。


後ピンで失礼(笑)。どう考えたってこの部分が折れる。ここからいきなり細くなってるんだから折れて当然のデザインと言える。

KTCの短い9.5sqスピンナが実売価格で2500円以下くらい、Snap-onの長〜い9.5sqブレイカーバーの実売価格は5〜6000円くらい。その差は2倍強に過ぎない。KTCを一回折ってもう一本買うくらいなら、最初からSnap-onが買えます。そう考えるとSnap-onって安いと思いませんか?(笑)。

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