松田速度ECU解体新書

松田速度製のNA8CのBスペック専用ECUを解体してみた。差し障りの無い範囲で報告しよう(笑)。


外観。コネクターがグレーの32ピンタイプのECUがベースになっている。


ROMとメイン基板の間に挟まっている基板がスクランブル用の基板だ。この為通常の方法ではROMの読み出しが出来ないようになっている。読めるんだけどスクランブルがかかっているので意味不明のデータになっちゃう。このROMをとある特殊な方法で読み出す事に成功した。中身は「BPF3」タイプだった。が、BPF3タイプとはいえ見た事が無いパターンだ。日付も違う。どうやら新種らしい。

メインの基板そのものは32ピンタイプのECUのモノだった。基板のR672に抵抗を追加してあった。ジャンパーではなくて抵抗だった。なんでだろう? この抵抗を外してジャンパーに変更して私のROMを載せてみた。が、なぜか動かない。なんでだろう? 基板の他の個所を観察してみるが違いは見当たらない。CPUも同じモノ。 そう言えば松田速度のROMの中身は普通じゃなかった。プログラム領域が存在しないような感じ。何かが違う。スクランブル基板に付いてたICに「SuperChip」とシールが張ってあった。味は薄塩か?この基板がやっぱなんかイタズラしてるのかな?

松田速度のECUに私のROMを載せる事をあきらめて手元にあるBPF3のECUに私のROMを載せて松田速度ECUと比較走行してみた。献体はSr1、ノーマル圧縮、IN260度、EX255度、バランス取、ハイオク仕様という手の入ったエンジンだ。私のデフォルトのNA8C用ROMを載せた所3000以下が痩せた。それ以上は松田速度よりも良いらしい。ではこのエンジンに合わせて書き換えてみよう。ハイオク入りでノーマル圧縮でハイカムって事を考慮して卓上理論でROMを試作。これを載せて走り始めた瞬間にオーナー氏は...

「丸山さん、松田速度のECUを置いていきますのでこれ下さい。このまま帰ります。」

だそうだ(笑)。大幅に低速トルクが向上しスムーズでレスポンシブな感じになった。松田速度ECUでは低速が不足していて5000回転から段付き加速をしていたのだが私のROMでは低速から中速高速にかけてスムーズにトルクが出ている。軽い踏み込みでも敏感に反応する。そしてピークパワーは松田速度以上に出ているようだ。雨の路面ではホイールスピンにより全開テストが出来なかったほどだ。 オーナー氏は低速が無いのはカムが大きいからだと信じてあきらめていたらしいが私のROMで大幅にトルクが出た事にカルチャーショックを受けていた。そしてこのオーナー氏、12万円もした松田速度ECUに別れを告げ、ノーマルECUを手に入れて私のROMを載せる決意を固めたようだ。

もはや松田速度とは言え信用ならんのだよ。ましてやそこらのショップなんか信用しちゃいかんぜ。

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