フィードバック

ロドスタに限らずに電子制御燃料噴射式のエンジンは空燃比フィードバック制御が行われている。現在多くの車に採用されている三元触媒は空燃比が理論空燃比付近の時だけ排気ガスの浄化が可能だ。CO、HC、NOxの3種類の有害ガスを一度に浄化するには空燃比を理論空燃比付近に常に保つ必要があるのだ。これを実現する為に設けられたのがO2センサーだ。(もちろんリーンバーンとか直糞ガソリンエンジンは別の話になる)

O2センサーは排気ガス中の残留酸素の量を測定している。空燃比が濃ければ残留酸素は減少し、薄ければ増加する。この酸素の量に応じて起電力が変化しセンサーは0〜1Vの間で電圧を変化させる。この電圧変化は理論空燃比を境にして大きく変化し、理論空燃比よりも薄い場合は0V、それよりも濃いといきなり1Vくらいの電圧を出力する。これによってECUは濃いか薄いか判断してフィードバック補正係数を変化させる事で常に理論空燃比付近になるように制御している。

ROM内部のマップ上ではフィードバックが行われているであろう領域は「00」となっている。フィードバックから抜ける為のフラグがなんであるのかは解かってないが、ある程度踏み込むと勝手にフィードバックから抜けるのは確かだ。多分 「エアフロ信号/回転数」 によって求められた負荷の大小によって決まってくるんだろう。負圧計と空燃比計の動きを見ると150mHgくらいまで負圧が下がるとフィードバックから抜ける事が確認できる。また、約4500回転以上でもフィードバックは停止するようだ。

で、このマップ上の「00」の領域はいくら濃くなるように書き換えてもフィードバックしちゃうので理論空燃比付近での制御になる。つまり書き換えても無駄なのだ(笑)。

ちなみにちょっと強めに加速しようとするとすぐに150mHg以下になる。そもそも150mHg以上の負圧が有る時ってのは負荷が軽い時なのだ。だからこの辺りは大人しく理論空燃比で燃えてくれた方が効率が良いしカーボンも溜まらないので私はこれで良いと思ってる。エンジンの要求空燃比が濃くなる高負荷域では増量したいが軽負荷域を増量しても意味が無い。だが、どうしても増量してみたい人もいる(笑)。なんとかフィードバックを停止する方法は無いかとROM内部のプログラムを解析しているらしい。

電子制御エンジンにはフェイルセイフという制御がある。これは万一制御系に以上が発生した場合に可能な限り安全な方向に制御を変更する事だ。例えば...

点火確信信号が消えた場合は触媒の過熱を防ぐ為に燃料噴射を停止
水温センサーが断線した場合は水温80度として制御
吸気温度センサーが断線したら吸気温20度として制御

ってな感じだ。で、何が言いたいかというとO2センサーが断線するとどういうフェイルセイフがかかるか?なのだ。実は単純にフィードバック補正を停止するだけだ。その他の制御には一切影響しない。ならばO2センサーの配線を外せば簡単にフィードバックを殺せる筈。

そこで実験してみた。完全暖機後にエンジンが掛かったままでO2センサーの配線を外す。それまで14.7を指していたA/Fメーターはうろうろと動き始めた。回転を上げたり吹かしたりしてみると見事に理論空燃比から外れた所を指している。いきなりO2センサーのコネクターをはめてみたら綺麗に14.7付近に落ち着いた。予想通りなのであった。しかし私はフィードバックを外したいとは思ってないので元に戻した事は言うまでもあるまい。フィードバックを殺してみたい人はやってみて下さい(笑)。

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