コンロッド

2月11日

某鍛造メーカの技術者で、F1エンジンのコンロッドの開発も手がけた事が有るという人と一緒に飲んだ事が有る。飲みながらエンジンチューンとコンロッドの話をしていたのだが、市販NAエンジンをチューンして回転数を上げていく場合、不安になるのはコンロッドの強度である、と私が言ったところ、彼は間髪を入れずに「じゃぁ、側面を鏡面研磨にしてください!」と言った。鏡面にすれば応力が分散されるので強度が上昇するのは解かるのだが、そんなに違うモノなんだろうか?と、私が問いただしてみたら、「全然違います! カンガン磨いてください」との応えが返ってきた。ふぅ〜ん...鏡面にしたくらいでそんなに強度が上がるモノなのか。

と言う事で、磨いてみましょう。


上が磨き始めたコンロッド、下が磨く前。グラインダで粗削りして、その後はいろんな道具を使ってみたが、結局はいつものフラップホイールで削って、ラバー砥石で磨いて、トドメはやっぱしサイ猿である(笑)。


側面は簡単だけど、真ん中の凹んだ部分はチョー大変。強度に影響しない部分は磨いてない。バランス取りの時に削る部分を残しておかねば。


んで、磨き上がったコンロッド。素晴らしいじゃないですか。ピッカピカだぞ(^^)。


この輝きと映り込みを見て!(^^)

この側面部分はサイ猿が使えるからけっこ簡単にこの状態まで光ったんだけどね。

サイ猿はピストンの所でも紹介したけど、これです↓


サイ猿は本当にスゴイ。180番のペーパで磨いた傷の上からサイ猿で磨くと、傷が全部消えて一気に鏡面状態になるのだ。相手がスチールでもアルミでも関係無し。あっという間にピッカピカお鏡面になる。私はもうサイ猿無しには生きていけません(笑)。こんなに簡単に鏡面になると、ありとあらゆるモノを磨きたくなりますね。もっといっぱいサイ猿買うっす。ちなみにサイ猿のメーカは光陽社らしい。


コンロッドメタルは全部で8枚有るわけだが、ここから任意の2枚ずつを選び出して4組の組み合わせで重量差を測って見たところ、最大で0.5gの差が出た。そこで、組み合わせをいろいろと変えてみたら、重量差ゼロの組み合わせを作る事が出来た。

コンロッドは研磨前の重量差は最大で1gちょいだったのだが、研磨したら1.5gほどの差が出た。ベアリングキャップ側と小端部を削って重量差を0.05g以下に揃えた。これでコンロッドは完成。

はぁ、先は長いぞ...

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