腰下分解 クランクジャーナルベアリング

11月28日

ピストンが外れたら、今度はクランクジャーナルベアリングを外す。 もちろんこれもクリアランスをすべて測定しながらバラすのだ。


邪魔なオイルポンプASSYを取り外す。これは簡単に外れる。これが外れたらジャーナルのボルトを外せばジャーナルメタルが見える。


もしもし?(^^;

何かが踊り狂ったような跡が有るんですけど? 何がどう踊るとこんなキズになるの? このキズは凄いぞ。回転方向じゃなくてナナメに往復したようなこのキズは一体...? 明らかに異物が噛み込んで一緒に回って踊り狂ったキズだ。 これ以外にも異物がメタルにめり込んで埋没しているモノも多数見られた。

当然ながら、コンロッドの時と同様にプラスチゲージを使用してクリアランスを全てのジャーナルで測定した。この数値についてはあとで紹介する。


クランクのエンドプレーをスラストメタル部分で測定しているところ。これが正しい測り方のような気がする。結局、ダイヤルゲージを貼り付けて測定した数値と同じだった(当たり前)。


スラストメタルはこんなモノ。これはキズも摩耗もほとんど無い。再利用も可能だが、当然新品にする。スタンダードサイズで良いだろう。


クランクジャーナルのベアリングNo1〜No5を並べてみた。それぞれキズが激しい。特に左端のNo1はハデだ。何かが踊り狂ったに違いない。 ちなみにそれぞれのベアリングの中央付近に真横に付いている跡はプラスチゲージである。

ここで話は新車当時に溯る。新車が納車されたのは金曜日の夜。そして、土曜日にはオイルを交換した。走行距離は100kmくらい。オイル受け皿を綺麗に洗浄してからオイルを出してみた。すると、キラキラと光り輝く鉄粉が大量に混入したパール色のようなオイルが出てきた。そして中にはミリ単位の巨大な切り粉も見られたのだ。当然、オイルエレメントもすぐに交換した。外したオイルエレメントのチェックバルブを開いてエレメント内部に残っているオイルを出してみたら、それこそ1mmを超えるサイズの切り粉や破片がボロボロと大量に出てきたのだった。

この新車当時の切り粉がメタルにキズを付けているモノと思われる。通常の使用状態でメタルにキズを付けるほどの異物が外部からオイルに混入する事などほとんど考えられない。 ロドスタのエンジンを多数O/Hした経験を持つ某氏に聞いてみたところ、ロドスタはどれも同じようにメタルにキズが付いているんだそうだ。摩耗とか焼付きではなく、明らかに異物によるキズなのだ。メタルに埋没して残っている異物(メタルは異物が混入した場合に異物を埋没させてクランクを守るように設計されている)も多数確認できる。 う〜ん、松田エンジンおそるべし!


全部のベアリングが外れた。 こうなればクランクシャフトを持ち上げればクランクが外れる。


クランクシャフト曲がりを測定中。アストロで買ったダイヤルゲージとシックネスゲージは大活躍である(笑)。 No1とNo5のベアリングキャップを逆さまにして置いて、その上でクランクを回転させている(正しくはVブロックでやるのカモ?)。そして真ん中のNo3のジャーナル部分での振れ幅を測定するわけ。この振れ幅の1/2がクランクの曲がりとなる。


こんな状況でバラしてた。なんて乱雑なんでしょう(^^;。もちろんバラした部品は片付けてその後の作業時にはもっと整理された状態でやっているけどね。 5本足のスタンドは500Wのハロゲン投光器である。これが明るいし暖かいのだ。


外した部品はこんな風に整理した。 すべて100円ショップで買ったケース。バルブを16分割にして整理してあるのはカセットテープケースを利用したモノ。

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