論文に反論!

MG-Zの論文を読んで私なりに思った事を書いてみましょう。

オイルに使用した場合は共鳴振動によって酸化しにくい安定的な分子となり、燃料に使用した場合は酸化しやすい不安定な分子になるという事か? どう考えても矛盾以外の何者でもない。そんな都合の良い話など有る筈が無いのだ。吉川氏の主張通りに共鳴振動波長なるモノが存在し、それが分子レベルでの改質を図るというモノだとしても、燃料とオイルでその作用がまったく正反対に都合よく現れるなんて事が有るのだろうか? そもそも分子レベルでの微弱振動ってブラウン運動と違うのだろうか?ブラウン運動だとすれば温度を上げてやれば激しくなる筈。ブラウン運動による振動が分子の安定化に役に立たないのなら、そのブラウン運動を超える共鳴波長を出し続けるMG-Zとは一体何者? 共鳴振動波長ってのは電磁波の事だろうか?遠赤外線領域の波長って事だから電磁波なんだろうと思われるが、大気中の二酸化炭素の増加によって地表に達する量が減少しているとかなんとか?遠赤外域の波長って二酸化炭素ごときで遮られるんすかね? ニュートリノとか宇宙線の類ならスーパーカミオカンデまで到達するほどの貫通力を持ってる筈だし〜? なんのこっちゃ?(笑) 電磁波で分子を振動させる?どっかで聞いた事が有りますね?そう、F&F得意の電子レンジそのものじゃん。ならば電子レンジで分子を振動させればオイルやガソリンは高性能化する?

さて、上記の矛盾点は置いておくとして、仮に吉川氏の主張通りに燃料が改質されて酸化しやすい物質となり、爆発力が高まるとしよう。そうした場合に内燃機関において何が起こるかを考えてみたい。20%も燃費が良くなると主張するからには20%以上爆発エネルギーが上昇している事になる。それほどまでに燃えやすくなった燃料は火炎伝播速度が上昇し、気筒内最大圧力を迎えるポイントは手前にずれる事になる。それってノッキングの危険が増す事を意味する。本来それほどまでに燃料の性質が変わってしまったのなら、エンジンコントロールコンピュータの点火時期マップを1から書き直す必要があると思う。ノーマルのコンピュータをそのまま使っているのなら20%以上爆発力が上がり、酸化しやすく着火性が上昇し、火炎伝播速度も上昇しているであろうと思われる燃料に対応できる訳が無いのだ。だが、MG-Z体験者のレポートによれば「ノッキングしにくくなった」との事。なぜだ?納得できないぞ。

オイルに話を移してみよう。吉川氏の主張通りに燃料とは逆に酸化しにくい安定的な物質に都合よく変化したとしよう。吉川氏の主張によると、スラッジの除去後は長期間オイルの性能が安定し、オイル及びオイルフィルタ共に交換の必要が無くなるという。オイルを交換するのはオイルの分子が分解するからではない。もちろんそれも理由の一つだが、オイル劣化(汚れ)のもっとも大きな原因はブローバイガスの混入である。ブローバイガスとはピストンリングとシリンダーの隙間から抜けてくる燃焼ガスそのものの事だ。燃焼ガスにはHC、CO、NOx、H2Oなどの物質が大量に含まれている。燃料そのものである炭化水素(HC)や燃料が燃えた後に発生する水分(H2O)、燃え残りである炭素などの混入によりオイルは希釈され粘度を失い、汚れも増す。このブローバイガスによる汚濁は防ぐ事が出来ない。これを共鳴振動波長の効果によってオイル分子から分離するとでも言いそうだが、分離されるとしても消滅はしないわけであり、オイルに混入した状態となる筈である。いくらオイルの分子が安定的になっていたとしても、水分や燃料による希釈を受ければオイルは粘度を失い油圧は低下する。それでもオイルの交換の必要が無いとでも言うのだろうか?オイルフィルタも交換しなくても良いのか? どう考えてもおかしいのだ。

例の論文には記載されていなかったが、吉川氏によるとMG-Zを入れたガソリンは比重が軽くなると言う。どういう事か? 質量保存の法則により、どんな反応が起こっても質量に変化は無い筈だ。もし質量に変化があるのなら「E=mc^2」により核反応並みのエネルギーを放出する事になる。そうでないのなら燃料の体積が増し密度が少なくなった事を意味する。そうすると単位体積当たりに含まれる燃料分子の数は減少する事になる。ほんとか? アボガドロの法則が当てはまるのって気体だけだったかな?液体は別か?

どう考えても矛盾点や不可解な点が多すぎる。「ペンダントのパワーが幸せを呼ぶ」とか「壷を買うと幸せになれる」とか「真光の業」(知ってる人いるのか?(^^;)と言った類のモノと同類項に感じてしまうのは私だけだろうか?(^^;;;;;

さて、無茶苦茶な事を書いてみたが、実はサンバーでの実験はすでに始まっている。F&Fの磁石実験ではオシロスコープに違いは現れなかったようだが、こちらのMG-Z実験ではオシロスコープや各種の測定機に違いが現れた。 更にデータを取っているところである。近日公開! お楽しみに!

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