燃費改善、パワーアップ、などを謳い文句にする磁石を実験してみた。F&Fでも実験してるが、私が使ったのは汎用の磁石ではなく、ちゃんとした製品である。 もちろん買ったわけではなく、友人から借りたモノ。イオン結合している燃料分子に強力な磁力を与える事で分子を細かく分解して燃料効率を上げると言うのがその原理らしい。磁力によって細かくなったクラスタは短時間で元に戻ってしまう為、できるだけインジェクタに近い燃料パイプに取り付けろとの事。
オイルと添加剤のぺージの磁石コーナ: http://web.kyoto-inet.or.jp/people/macchann/hiroshi/jiki.html
F&Fの磁石実験:http://www.cds-co.com/ff/magnet.htm
↑私が使ったのはこれ。借り物(拾い物だったりして...(笑))なのでメーカや商品名は知らない。
開くとこうなってる。4個の磁石が並んでる。S S N N と並んでいるようだ。巻き付けるとくっつくようになるわけ。噂によれば、2個の磁石を使う場合は反発し合うように付けるんだとか? これはくっつく方向に並んでますね。F&Fのほりこし氏は反発方向に付けて実験したらしいけど。
だからコイツはこんな風にくっつく。献体は私のロドスタ。私のロドスタで燃費のテストは不可能。テスト項目は、インジェクタ通電時間、ISC開弁時間、吸気管負圧、である。油温や吸気温度センサ電圧は測定時の条件として計測した。気象条件の違いを避ける為に、測定は短時間に一気にやった。各項目の意味を以下に示す。
インジェクタ:
通電時間が短ければ燃料噴射量が少ない事を意味する。燃焼効率が上がっているなら、同じ回転数で比較した場合は短くなる筈である。通電時間は、噴射時間+無効噴射時間 である。テクトロのWaveメータのオシロモードで測定。ISC:
開弁時間が短ければ吸気量が少ない事を意味する。燃焼効率が上がっているなら同じ回転数で比較した場合は短くなる筈である。テクトロのWaveメータのオシロモードで測定。負圧:
負圧が高いほど吸気量が少ない事を意味する。燃焼効率が上がったのなら、同じ回転数で比較すれば負圧は高くなる筈である。大盛りの機械式負圧計を使用。油温:
参考として計測した。油温が大きく違うと比較にならないので、可能な限り同一の油温で各項目の測定を行なった。大盛りの電子式油温計を使用。吸気温度センサ電圧:
ECUに入力される電圧そのもの。電圧が高いほど吸気温度が低い事を意味する。吸気温度が上がると吸気温度補正により点火時期や燃料噴射量が変化してしまうので、可能な限り同じ温度で測定したい。温度を一定にするのは不可能なので、参考値として見て頂きたい。この電圧が同じなら吸気温度補正量もほぼ同じ筈である。磁石の影響よりも吸気温度補正の影響の方が大きいように思えるのだが...? 測定はECU配線をテクトロのWaveメータのDMMモードで測定。各項目を800回転、2000回転、3000回転、4000回転で計測。測定は、 無し > 1個取付け > 2個取付け > 全て取り外し > 1個取付け の順番でやったが、1個取付けの状態から2個取付けの状態のテストまでは1時間ほど時間が空いており、10Kmほど走り回った後である。この間に外気温度はかなり下がってしまった。それ以降の測定は一気にやった。吸気温度センサ出力の違いを参考にして頂きたい。
99年6月12日
天候:快晴
湿度:たぶん低い
18:00頃から測定開始
測定時の様子はこんな感じ。ECUの配線を手元に引き出してあるので各種の測定はとっても簡単。
状況 項目 800rpm 2000rpm 3000rpm 4000rpm 無し インジェクタ 2.6msec 2.5msec 2.4msec 2.5msec _ ISC 3.3msec _ _ _ _ 負圧 460mHg 550mHg 570mHg 540mHg _ 油温 92 95 97 102 _ 吸気温度 0.956V 0.990V 0.956V 0.930V 1個取付け _ _ _ _ _ _ インジェクタ 2.8msec 2.4msec 2.4msec 2.4msec _ ISC 2.9msec _ _ _ _ 負圧 465mHg 555mHg 570mHg 545mHg _ 油温 92 95 97 100 _ 吸気温度 1.114V 1.170V 1.032V 0.926V 1個取付け30分後 _ _ _ _ _ _ インジェクタ 2.7msec _ _ _ _ ISC 2.75msec _ _ _ _ 負圧 470mHg _ _ _ _ 油温 91 _ _ _ _ 吸気温度 1.116V _ _ _ 2個取付け _ _ _ _ _ _ インジェクタ 2.7msec 2.4msec 2.4msec 2.4msec _ ISC _ _ _ _ 負圧 460mHg 555mHg 565mHg 545mHg _ 油温 92 94 96 99 _ 吸気温度 1.451V 1.294V 1.225V 1.036V 2個取付け再計測 _ _ _ _ _ _ インジェクタ _ _ _ 2.4msec _ ISC _ _ _ _ 負圧 _ _ _ 545mHg _ 油温 _ _ _ 100 _ 吸気温度 _ _ _ 0.982V 取り外し _ _ _ _ _ _ インジェクタ 2.7msec 2.4msec 2.4msec 2.45msec _ ISC 2.85msec _ _ _ _ 負圧 470mHg 555mHg 575mHg 545mHg _ 油温 92 93 96 99 _ 吸気温度 0.871V 0.995V 1.001V 1.043V 1個取付け _ _ _ _ _ _ インジェクタ 2.7msec 2.4msec 2.4msec 2.45msec _ ISC 2.7msec _ _ _ _ 負圧 470mHg 560mHg 575mHg 545mHg _ 油温 91 93 96 98 _ 吸気温度 1.345V 1.050V 1.004V 0.975V 無し>1個取付け>1個取付け30分後 の部分を比較すると、効果が出ているような気もする。しかし、2個取り付け>再計測>取り外し>1個取付け の部分を比較すると、効果は出ていないような気もする(笑)。
ほとんど吸気温度補正&測定誤差の範囲のような気がするんだけど(^^;;;;。
尚、話に寄れば取付け後、数千キロほど走ってから効果が出てくる場合も有るとの事。私はそんなに気長なテストをやるつもりはない(笑)。 だが、燃料分子を磁力で細かく分解すると言うのなら、取付け直後から効果が出てもおかしくない。今回のテストの場合、私のロドスタではそれらしい効果は測定できなかった。もちろん走っても体感なんか出来ません。 長期的なテストは様々な理由で不可能ですので、今回はあくまでも短期的(瞬間的カモ?)なテストとして受け止めて下さい。
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