油温&油圧測定

新油に交換して300Kmほど走ってから、油温と油圧の関係を測定してみた。それがGRP添加後に1300Kmを走ってからどう変化するか? この1300Kmには間瀬サーキット60周や峠、シャシダイナモ全開測定などの過酷な条件が重なっており、普段の私ならとっくにオイルを交換しちゃってるハズなのだ。それを1300Kmも走ってしまったのだが、オイルの劣化やポリマーの分解などで粘度が下がっていれば油圧も下がる筈なのだ。さて、結果は以下のようになった。90度、95度、100度、のそれぞれの油温の時に、各回転数での油圧を測定した。

. 800rpm 2000rpm 3000rpm 4000rpm
90度 オイル単体 2.8Kg/cm2 4.2Kg/cm2 4.5Kg/cm2 5.2Kg/cm2
90度 GRP 2.7Kg/cm2 4.2Kg/cm2 4.7Kg/cm2 5.2Kg/cm2
95度 オイル単体 2.6Kg/cm2 3.8Kg/cm2 4.3Kg/cm2 5.0Kg/cm2
95度 GRP 2.7Kg/cm2 3.9Kg/cm2 4.6Kg/cm2 5.1Kg/cm2
100度 オイル単体 2.4Kg/cm2 3.7Kg/cm2 4.2Kg/cm2 4.7Kg/cm2
100度 GRP 2.4Kg/cm2 3.8Kg/cm2 4.2Kg/cm2 4.7Kg/cm2

う〜む、私の予想では、GRPそのものにはオイルのポリマー分解や添加剤劣化をを防ぐ効果は無いので、過酷な走行による粘度低下で油圧が下がるだろうと考えていた。ところが、ほとんど変化無しか、むしろ若干油圧上昇しているようにも見える。0.1単位は目分量なので、実際はほとんど変化無しと見るべきだろう。

しかし、この結果はGRPの優秀性を証明するモノではないと私は考える。むしろ、ベースオイルの優秀性を誉めてあげるべきだろう。GRPが共晶膜を形成して摩擦を低減し摩耗を防止する効果と、オイル粘度の維持とはまったく関係が無いからだ。

尚、Fire号はオイル容量が6リットルに近く、それは通常のロドスタの1.5倍くらいの容量である。通常、オイル容量が1.5倍になるとオイル寿命は2倍以上に延長される。更に、巨大オイルクーラによってサーキットでも110度を超える事が無いくらいまで温度管理が徹底されたFire号では、オイルの劣化具合は通常のロドスタとは大きく異なる。油温が100度を超えると、10度ごとにオイルの劣化は倍になると言われている。僅か3.5リットル程度のオイル容量で130度以上まで油温が上昇している普通のロドスタとFire号ではオイルの劣化速度は桁違いである。したがって、この結果はかなり特殊な例として捕らえて頂きたい。

峠を走った場合の最高油温も比較してみた。GRP添加前は梅雨前の初夏であり、その時期の夜の峠では108度程度まで油温が上昇していた。GRP注入後の梅雨明け以降の真夏の夜となった現在、最高油温は106度程度まで低下した。季節は初夏から真夏に移行し気温は上昇、更によりパワーの出ているROMに進化しているにも関わらず、油温は1〜2度程度低下している。これはGRP効果と言っても差し支えないだろう。同じ季節に同じ仕様のROMで比較したならもっと差が出ていたかもしれない。遅効性の添加剤との事で、同じ季節に比較する事が出来なかったのが残念だが、油温には厳しい条件が重なっているにも関わらず油温が低下しているのは評価できると言えよう。

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