読書三昧


Bookworm Corner


February 25, 2004

漫画「修羅雪姫」と映画「KILL・BILL」


修羅雪姫戯作本随分昔でいつ頃だったか想い出せないのですが、漫画で「修羅雪姫」というシリーズがあり、週刊誌だったか単行本で全部ではありませんが、読んで面白かった記憶があります。母の恨みを晴らす復讐の物語ですが、その目的以外の刺客稼業で請け負ったいろんなエピソードも載っていました。「戯作:小池一夫、絵師:上村一夫」で、絵が綺麗というのか、浮世絵を現代風にしたような、何か伝統的な感覚を呼び覚まされるような絵でした。あれから数十年経っていると思いますが、時々あの漫画が気になって、もう十年以上も古本屋に行くと、あの漫画の事を尋ねました。そんな漫画があったような気がするね、と言われたり、もうどこにもないんじゃないの、などと言われてきました。この数年は古本屋で尋ねる事もなくなりました。ところが世の中インターネットの時代です。昨年だったかひょっと思いついて、オークションの漫画のところを覗いたのです。しばらく見ているうちにみつけました。全5冊でかなりの値段でしたが、思い切って落札しました。「超人ロック」のオメガ編より少し高いくらいです。昔読んでなかった箇所も含めじっくり読みましたが、数十年経っても読むに値する出来の良い漫画です。果たせぬ恨みを晴らす為、監獄の看守達を誘惑し、何とか子供を産んでその子に復讐を託すというテーマですが、生まれた女の子は「雪」と名付けられました。「修羅の子」と嘆きながら、母は監獄で亡くなるのですが、その母の思いを託された女囚の一人が彼女を連れて出所し、或る人に預けます。明治もまだ初期の頃ですから、武芸の達人が残っていた頃です。その達人が女の子「修羅雪」を子供の頃から徹底的に、それこそ過酷なまでに武芸の鍛錬をさせるのです。これだけでこの漫画の面白さが分かるでしょう。

先月だったか、ワイフがタランティーノ、タランティーノと言い出しました。我が家は現在新聞も取ってないので、テレビ番組用にTV taroという雑誌を毎月買っています。その中で、「KILL・BILL」の宣伝の為に来日したタランティーノのインタビューの様子が書かれていたとか、またTVの番組で、どうしても逢いたかった或る女優との会見を果たしたなどと、芸能記者さながらに私に話してきました。タランティーノと謂えば、「From Dusk Till Dawn」で脚本家兼俳優として出演した一寸パラノイア的な感じがする人です。映画の系列としては,「レザボアドッグス」→「パルプフィクション」→「From Dusk Till Dawn」という感じですが、B級暴力映画という感じが多い人です。「From Dusk Till Dawn」ではタランティーノの兄貴役を演じたジョージ・クルーニーが、一躍、俳優として名を上げました。後にこの人が、あの有名なジャズ歌手、ローズマリー・クルーニーの甥と知って再度驚きました。最近ではリメイクの「オーシャンズ11」などにも出ていますが、迫力のある良い男ですね。インターネットで検索していたら、「From Dusk Till Dawn」に関してこんな落ちを書いている人がいました。・・・「Tバックエロエロ吸血鬼 対 ギャング」、「蛇の道は蛇 極道兄弟メキシコへ行く」、「地獄の深夜営業 くわばらくわばら」 ・・・ところで何でタランティーノが日本に来たかというと、現在アメリカで興行成績の良い「KILL・BILL」はタランティーノの作品で、「修羅雪姫」やら「甲殻機動隊(Ghost In The Shell)」などの日本映画からも、いろいろイメージやヒントを盗んで作った映画だと言うのです。勿論、リメイクではなくヒントを利用して作った創作だそうです。その主役の一人の中国系の俳優ルーシー・リューが「修羅雪姫」に似た役を演じているそうです。タランティーノは「修羅雪姫」のビデオを彼女に渡し、これと同じように演技してくれと云ったそうです。振り袖姿で殺陣を演じられるようになるまで大変な苦労をしたそうですが、殺陣の特訓には、日本の俳優、千葉真一が協力したと聞いています。


修羅雪姫ビデオCD私自身は漫画の「修羅雪姫」が実際に昔、映画になっていたのをしらなかったのですが、日本に来たタランティーノはその時の主役であった梶芽衣子に会い、女神様のように扱っていたそうです。記者が梶芽衣子に「KILL・BILL」の感想を聞いたところ、私が20年若かったら自分があの役をやりたかった、と言ったそうです。そしたら、タランティーノが会見の間じゅう梶芽衣子の手を握って、憧憬の眼差しで貴女は今でも美しい、美しいと言っていたそうです。TV taroやテレビの芸能番組でそんな場面を何回も見たワイフが、タランティーノの「KILL・BILL」は「修羅雪姫」に惚れ込んで作ったそうよと言うので、今度は「修羅雪姫」という映画が気になってきました。そんな映画の話は聞いた事もなかったのですが、一応オークションの映画の欄を捜してみました。そしたら何と1本出ていたのです。香港映画として、日本語でしゃべり、中国語の字幕が出ているビデオCDというものです。DVDではないので我が家の機器で写せるのか、機器の解説をよんだら写せるというので、落札しましたが値段はとても安かったです。送られてきたのを写してみましたが、2枚組になっているので一度ハードディスクに2枚をダビングして、1枚のDVDにしようとしたらハードディスクが受け付けません。仕方がないので、別の安いChina製のDVDプレーヤーからアナログでハードディスクへダビングし、2枚目に取り替える間の一寸した余計な画面を取り外してから1枚のDVDにダビングしました。夜食事をしながら、ベランダ前のカーテンに立てかけたスクリーンに大画面で映し、一杯のみながら鑑賞しました。いろいろなエピソードは除き、復讐劇一筋に仕上げています。画質はビデオ並でしたが、結構綺麗に映っていました。まあ漫画の面白さに比べれば少々落ちますが、往年の俳優が沢山出ています。西村晃はもう水戸黄門を演じていませんが、若き日の黒沢年男も出ています。流石に梶芽衣子はイイ女でしたね。字幕の中国語なども時々読んでみると表現の面白さが何とも言えません。「KILL・BILL」はもうすぐ日本でも上映されるようですが、私たちはDVDで借りられるようになったらゆっくり見たいと考えているところです。皆さんも漫画の「修羅雪姫」を捜して一度読んでみて下さい。素晴らしい絵と内容です。原作者の小池一夫は、「子連れ狼」で有名ですが、アメリカでも一部のアニメ・オタクの間で「Cub and Wolf」の題で有名だそうです。

数日前に、ダラスに居る息子から電話があった時に、「KILL・BILL」の映画を観たというので感想を聞くと、タランティーノらしい血しぶき飛び散るハチャメチャな映画で、「子連れ狼」の印象が強かったと云う事でした。「修羅雪姫」の話をすると、アメリカでのインタビューでは、タランティーノは「子連れ狼」とたけし監督の「バトル・ロワイヤル」のアイディアをとったと云ったそうです。たしかに「修羅雪姫」と云ってもアメリカ人には分からないでしょう。そして「KILL・BILL」の意味は「BILLを殺す」と「BILLを切る」の二つの言葉を引っかけたものだというダジャレみたいなおまけ話も聞かされました。翌日、ハワイに居る娘とチャットで話した時に、聞いてみたところ、彼女もこの映画は観たとの事なので、やはり感想を聞いてみると、結構よかったよという事でした。アイデア源の「修羅雪姫」を観たいと、二人から要望があったので、今度、家族が集まる時に「バトル・ロワイヤル」と一緒に観てみようと云う事になりました。その後、TVで「KILL・BILL」の宣伝を観ました。主役の女優、ユマ・サーマンとルーシー・リューが雪の中で戦うシーンのバックに、梶芽衣子の歌う「修羅雪姫」の主題歌が流れていました。

転寝坊 亭主

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