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よくある”問答”もんどう・・・-8の1-




63 中古マンション購入の注意点
64 競売の中古マンションの注意点
65 売買の構造と、その契約などの流れ
66 売買後も目的物件を利用するにはどうしたら良い。危険は。
67 手形小切手での決済
68 契約の途中解約
69 契約解除と損害賠償
70 契約解除と仲介手数料
71 隣りや、階上の騒音、生活の音が聞こえる
72 マンションの水漏れなどの責任は


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63 中古マンション購入の注意点

 中古のマンションを購入するときの不安はいろいろあります。数 え上げたらきりがないのですが、いくつかに的を絞って、検討して みましょう。

 まず、所有権の権利関係について

 マンションの所有権は、建物の権利と土地の権利とに別れます。
 建物の権利は区分所有権で、これは永久のものですが、土地が所 有権でないものは、借地権ですから、その点の確認が必要です。登 記上は敷地権となっているはずです。借地権ですから、書き換えや、 更新と言うものがあり、その時期の確認も必要でしょう。
 また、建物の所有権については登記簿謄本をよくみて、その範囲 や、おかしな権利留保などがついていないか、よく検討する必要が あります。

構造上の問題

 マンションの構造は外からはなかなか見えないものですが、注意 してみますと、多少の歴史や、管理状態を見ることが出来ます。た とえば、タイル張りのマンションでタイルの目地部分が白くなって いれば、その部分のタイルの接着に問題があり、はがれやすくなっ ている危険がありますし、壁の途中で亀裂が入ったり、はがれがあ るときは、その部分の壁が薄くなっているとか、「まめいた」とい われる空洞状態であったり、老朽化の可能性もあります。
 そうした痛みが、定期点検で補修され、亀裂の修理もまんべんな く行われているものは、比較的安心できます。
 また、窓やドアのサッシの部分の痛み、ガラス止めのゴムの痛み、 雨漏りの染みの有無、通路の水溜まりや、へこみなど、注意すれば いくつもポイントはあります。
 構造を支えるものは、管理組合であり、建築した工務店ですから そうしたソフトの点での管理がどうかも注意してみておく必要性が あります。

管理上の問題

 マンションの管理で問題は、共有部分です。共有部分での管理に 問題があると、直ちに生活に影響が出ます。
 最近の問題で注視して欲しいのは、マンションのエレベーターの 稼動状況です。マンションの住人が少ないもの、競売などで住人が いないもの、売れ残りで住人がいない、あるいは管理費の滞納が多 く、電気代の節約をしているなど、共益費が十分にないものが出始 めています。するとまず、エレベーターが止まり、共有通路の電気 が消えたりします。4本あるうちの1本のエレベーターが止まって いるといったものは要注意です。
 ごみの回収や、清掃がきちんとできているか、共用部分の管理が 適切か、自転車置き場の管理は大丈夫か、不良少年の溜まり場にな っていないか、深夜危険はないか、など管理の状態は大変重要視す べきものです。

環境問題

 近隣住民の様子、隣近所、朝や夜の近所の様子、子どもの数、学 校の近さ、公共施設への道のり、深夜の安全性、買い物の便など、 月並みですが注意すべきものが多くあります。

  簡単ですが、法的観点から、あるいは生活の観点から必要な点で すが、このほかは、各人の関心にそった視点で、見直してください。



64 競売の中古マンションの注意点
 

 裁判所で行われる競売の物件は、かつては、競売の専門業者しか 入れない特殊な世界でした。しかし、今では裁判所の競売は、一般 市民が入れるように、広く公開され、安全が確保されています。

  競売物件の内容は、裁判所で閲覧できるようになっています。ど のような競売物件があるかは、新聞広告も出ますし、不動産の雑誌 にも出るようになっています。その記事を見れば、競売事件の事件 番号が出ていますので、その番号をメモして、所定の裁判所の競売 記録の閲覧室に行け担当官が見せてくれることになっています。 

  そこにおいてある競売の記録は、執行官が現地を確認し、その報 告書を作成して、さらに競売の最低競売価格を決定するための不動 産鑑定士による厳格な調査、評価・鑑定が行われてた結果が記載さ れています。内容に関しては、裁判所による一応の調査が終わって いるということができます。    
  しかし、物件の中には内部の構造がわからないもの、管理費用が 異常に滞納になっているもの、買った後で問題が出てくるものもな いわけではありません。特に居住者のいる物件も多く、競落後手間 取ることもあります。

 競売物件は、まず、裁判所内の競売物件の閲覧所に出向いて、競 売の書類をしっかりと見ることから始めてください。隅から隅まで しっかり見てください。   その上で、さらに、自ら納得行くまでの調査を行ってください。 自分の使用方法や、資金繰りなどから、可能かどうか検討します。  

 競売物件は、入札時点で、最低競売価格の2割程度の金額を振り 込み、落札になった後、然るべき期間内に、残金全額を現金で振り 込むことになります。従って、資金の準備が何より大切です。   

 又、居住者がいるときには、あなたが落札して、あなた自身で居 住者に対し明け渡しを求めることになり、多少の面倒もありますが、 専門の弁護士などにたのべば、時間的にも費用的にもそうはかから ず、比較的簡単に確保できます。

 その外は、一般の中古マンションと同様の問題を検討する程度で しょう。



65 売買の構造と、その契約などの流れ

 不動産に限らず、売買契約の基本ルールというものがありますので、 概観してみましょう。

 売買契約を行うときは、不動産や車についてはほとんど定型の契約 書があり、それを利用すれば、基本的に安全に売買契約が締結できま す。
 そこでの必要事項、契約書に書く必要のある事項はおおよそ次の通 りです。 

  ■売買対象物の特定--商品名・商品番号・型番、所在地、広さ、 特徴などにより売買の目的物を明確にする。
                 なにが付属品か、 どこまでの範囲か、売り物の範囲を確定する。これを欠くと、   後で大問題になります。

 ■売買金額の確定---いくらで買うか。数量単位で決めるか、定 額か。公簿面積での売買か、実測売買か

 ■支払方法の確定---いつ払うか、分割するか、利息は付くか。
                 目的物の引き渡しとの前後関係、同時履行かの関係も考えて、 明記する。

  ■売買対象物の品質--どのような品質のものとするか、新品か、 いかなる保証が(性能の保証)付くのか、
                 中古ならば買ったと きの品質を保証するのか、保証がないのか。

  ■解除条件------約束の性能が出ないとき、物品に問題があ るとき等、文句があるときには、目的物は引き取るのか、
                 引き 取らないで賠償金を支払うのか、精算はどうするのか。

 ■アフターサービスをするのか、しないのか。

 ■クーリングオフ制度(一定期間内の解除権)の適用があるのか、 合意解除ができるのかどうか

 ■紛争が生じたときはどうするのか。裁判の合意管轄は。民事調停 で解決することの合意ができるか。仲裁契約(第三者を仲裁人 と定め、その人、団体の意見に従うとの合意)を取れるか。

 といった内容は、最低限話し合って、契約書に盛り込む必要があり ます。そして話し合ったことは必ず約束事として、メモしておく必要 があります。初めての人の間ならば、こうした事柄を書いて、売り手 と買い手が合意した上で、契約書としてお互いに署名するのが一番で す。

 では、次に、引渡しの際の問題点を見ておきましょう。 特に不動産の引渡しの問題があります。所有権を完全な形で引渡さ なければならないのは当然のことなのですが、時々スムーズに行かな いことがあります。

  支払いに関しては、「金種」といって、どのような支払方法かをま ず決めておきます。現金をいくらに、預手をいくら、何枚と言うよう に正確に決めます。

  さて、銀行からの借入れがあるときには、慎重にも慎重に、その抹 消の準備をしましょう。売買代金で抹消と言うことでしょうが、売買 代金が現金ならば問題ないのですが、多くは現金ではなく、通常は、 「預手」と呼ばれる「銀行預金小切手」で決済されます。これが慣行 になっていますが、時々困ったことに、決済を信用金庫の小切手や、 証券会社の小切手で持ってくる人がいます。ところが、これは大変危 険です。債権者である銀行が認めればいいのですが、危険を感じたり 認めないときは、決済ができなくなります。こういうことのないよう 決済には、預手が、現金ということを何度も確認する必要があります。

  次に、移転登記の準備ですが、司法書士に頼んで、事前の準備を進 めておきましょう。特に、住民票の移動や、住所変更の登記がしてい ない時、印鑑証明書と登記簿の住所が違うとき、相続が発生している とき、相続登記をしていないとき、などなど、さまざまな問題があり ます。二重三重にチエックする必要があります。

 今度は売却した方ですが、現金をもらったときはいいのですが、預 手をもらったときは、確認をしましょう。失礼とはいっても、紙をつ かまされたのではないても泣ききれません。取り引きの場所から、振 出銀行に電話を入れて、「振り出し確認」をお願いしてください。ご く簡単なもので、気持ちよくやってくれます。こうして、その預手が 間違えないものであれば、次に、その小切手番号をメモします。万が 一落とした時のためです。

  売買契約の金額欄、領収書の金額欄、預手の金額欄、など金額欄の 書き間違えは思うより多いものです。注意にも注意を重ねて、確認し ましょう。

 おおよそ、この様な部分がよく間違えるところなので注意してくだ さい。



66 売買後も目的物件を利用するにはどうしたら良い。危険は。
 

売買契約をして、引渡しを受ける期日を決めたが、売り主は移転 できないので、しばらくいさせて欲しいと言う。予定以上はいない から心配は要らない。その間賃料も支払うから、大丈夫、といった 話がよくあります。

 まず、売買契約をしますと、引渡し日と言うものが決められ、そ の日が、代金決済の期限ともなります。引渡しと代金決済とは同時 履行と言うことで、引き換えになっています。 これは、売り主にとっては不動産の引渡しが最後の砦、買主にと っては代金支払いが最後の砦、となるので、そのどちらかだけが優 先するというのは、不平等であり、一方的なので、同時に行うこと にしたのです。

 こうして、売り手と買い手との間の平等な権利を確保するのが、 この同時履行なのですが、そこをはずすと言うことは大変危険なも のになります。今回のケースは、買い手が引渡しを受けられないと 言う危険を一方的に受けることになります。
  もし、相手が、事実上の引渡しをしないと言い出したとき、ある いは知らない間にこわい方面の人が入っていたらどうしますか、た いしょできますか。

 このため、通常は、次のいずれかの方法を取るようです。


第一は、残金の支払いも留保する方法です。これは、事実上契約 の引渡しの延期をするもので、引渡しも受けられない変わりに、残 金も支払わないと言うもので、同時履行のものをそのまま先延ばし すると言うことです。この場合は、延期の期日をはっきりと書面で 確認しましょう。仕切り直す日時、最終期限をしっかり決めておか ないと、再度再度といって、ずるずると延びてしまうことがありま す。

第二は、決済は済ませて、いったん引渡しをした形で、改めて、 短期賃貸借をするような形をとるケースです。売り手の方の都合で、 決済日に残金をもらわないと、移転先の確保が出来ないとか、特別 な事情で、残金決済をする必要があり、買い手としてもどうしても その契約をあきらめられないといった場合で、よくあることです。
 こうした時は、退去の確保を確実にしなければなりません。そこ で、出来るだけ確実な方法を取るべきです。簡易裁判所に出向いて、 即決和解を行う方法があります。事前に和解の内容を決めて期日を とってもらって、指定された日に簡易裁判所に行くだけで、ものの 20分程度で終わります。これは、確定判決と同じなので、もっと も強力な方法といっていいでしょう。ここで、明け渡しの約束とそ れ以後第三者に賃貸しないと言うような合意が取れればいいのです。

  こうした確実な明け渡しの履行方法をとっておれば、明け渡しは ほとんど問題なく確実にゆくはずですし、万が一にも明け渡さない ときは、和解調書に基づいて強制執行が出来ます。和解後の第三者 との賃貸借は和解に対抗できませんし、執行妨害として、排除され ることになります。

 ここまで確保していれば、売買終了後も、一定期間の居住とうの 利用を認めることも可能でしょう。出来ることならば避けたいこと ですが。



67 手形小切手での決済
 

 売買代金を手形の決済で行うと言うことが一時期よくおこなわれ ていました。手形の信用が大変高いときは、こうした現象もあるよ うです。

  売買の決済を、どのような手段でやるのかは、売手の自由です。 手形で良いと言うか、小切手ならというのか、あくまで現金でと 言うことになるのか、それは売り主の都合なり、希望で決めます。

 一番確実な方法が、現金による決済であることは争いようがあり ません。しかし、数千万円の現金と言うことになると、何キロにも なり、持ち運びが大変です。もし、数えるとなると、数時間かかり ます。これは実に大変な作業です。

 これに代わるものとして、もっとも利用されるのが、「預手」と いわれるものです。これは、正確には、銀行の発行する自己あて小 切手と言うもので、「銀行預金小切手」などと呼ばれるものです。 銀行が発行人になった小切手で、これは度確実な支払方法はない と言うほどのものです。

 日本の経済史上初めて、銀行が倒産する時代になりましたので、 今後、この預手が、今までどおりに確実な決済方法として扱われる のかはわかりませんが、今でも、他の方法に比べれば、一番確実な 決済方法であることには違いありません。

 これにたいして、通常取り扱われる手形、小切手と言うものは、 不動産取り引きではあまり取り扱われないのです。これは現金決済 の手段と言うよりも、商取引の信用利用手段であり、商人間の紙幣 と言う性格が強く、現金化に相当時間がかかるので、所有権移転の ある時点を決めて決済して、その時に遅れることなく登記を進める という作業もあるので、何日も待つとかいったことはできない、し ないのが通常です。従って、手形や小切手など、決済日がかなり遠 いものは、不動産取り引きには向かないのです。

  しかし、売手の方のリスクで、買主の手形や小切手で決済しても いいと言うのであれば、買主は大変助かるでしょうし、それは当事 者の自由ですから、一向に構わないことです。 



68 契約の途中解約
 

 売買契約を行ったものの、その後になって、もっといい物が見 つかって、それに乗り換えたいと思ったとき、どうするかと言う ことです。
 これはあまり感心したことではありません。なぜなら、下手を すると、その選択の後、再び良いものが出たらどうするかと言う もっと大きな問題を抱えることになるからです。
 特に不動産の選択というのは、個性の強いもの、二つと同じ物 のない、そうした特定物の売買なので、損とか得とか言ったこと は基本的にない世界なので、目移りするというのは満足していな いと言うことでしょうから、その不動産の個性をとことん考えて、 決心すべきでしょう。
 また、売手の立場から見ても同じ事がいえます。これまで、大 切にしてきたものであるはずで、また、その家が、自分たちを守 ってくれたのですから、大切に次ぎの住み手に引渡すのが良い形 であり、誰でもいいから高い値をつけた人にと言うのでは、あま りに打算が過ぎるようです。

  こうして、不動産の選択、契約は、いわば人と人との出会いの ようなもので、何かの縁でしょうから、大切にしなければならな いもののように思われます。

  さて、そうは言っても、どうしても契約を途中で解消したい事 情と言うものもあることでしょう。その時どうするかです。

 契約に際して、手付金と言うものが支払われます。これは契約 の無責任な解約を制限するものであると同時に、その覚悟をすれ ば自由に契約を解約できると言う意味で、解約権留保の制度でも あります。買主側からは手付け流しで解約でき、売り主からは手 付け倍返し(もらった手付けと同額の金額の合計)をすれば何の 理由もなく解約できるっというものです。

 ところが、この解約権もどちらかの当事者が履行に着手する前 までで、それ以降は実損害全額の賠償が必要になります。従って、 履行の着手前まで手付け解除が出来ると言うものです。 こうした、金銭での解決方法が原則ですが、これにも例外があ ります。ローン条項と言うのがそれです。おそらく、大変多くの 契約書に記載されているのでしょうが、買い手の方も銀行から借 り入れを起こして、売買代金を工面するわけですが、銀行が融資 しないと言うのであれば、これはどうしようもないことで、この 銀行の融資拒否があったときには、例外として金銭の支払いなく 売買契約が解約できることになっているはずです。
  この場合も、銀行への有し申し入れの期間と、銀行の返事の期 限を決め、かつ銀行からの融資できない旨の書面を求めることが 多いようです。

 こうしたこと以外に、契約を勝手に解約することは出来ません ので、締結までに十分検討して置くことです。



69 契約解除と損害賠償
 

契約を途中で解除するには、正当な理由が必要です。正当な理由 のない契約解除というのは、単に、契約を履行しないと言う意味の ものにすぎず、法的には単なる債務不履行のことです。
従って、法律上の正当な理由のある契約の解除のみが、本当の解 除なのです。

 では、法的に正当な理由とはなんでしょうか。

第1 手付け解除
 売買契約で、手付けが交付された場合、その手付けは解約権の留 保の意味があります。従って、その手付けを放棄すれば、所定の期 間内であれば、契約は自由に解約できます。この所定の期間とは、 相手が本格的に履行行為に着手するまでと言うことで、相手が、引 越ししたり、登記を動かしはじめたり、借入れを始めたり、事実的 に動き出したら、もう限界です。契約から、ほんの少しの間は、出 来るという程度です。

第2 債務不履行解除
 売買契約の相手方の不履行があったときには、大手を振って、契 約の解除を行うことが出来ます。相手の不履行は、契約上明らかな 正当な解除原因ですから、いつでも解除できます。ただ、解除には、 催告(最後の回復のチャンスを与えた最終通告)が必要な場合がほ とんどなので、催告した上で、それでも不履行が解消されないとき に、解除となります。

第3 合意解除
 これは、契約には記入していないと思われますが、当事者の自由 意思で、契約を解約することもあります。これは、相手が合意しな いとできないことなので、なかなか難しいのですが、絶対に出来な いと言うものでもありません。お互いが、仕切り直したいと思うこ ともままありますので、思い切っていいだして、相手の感触を打診 してみてはどうでしょうか。
 この時注意したいのは、仲介の不動産業者のわがままが出ないよ うにすることです。仲介手数料が取れないと不安を抱くとき、仲介 手数料が履行後になっているときなどは、合意解約を妨害しかねま せんので、双方の不動産業者の妨害を受けないように、十分な配慮 が必要でしょう。

 以上のほかは、契約書どおり、違約金の定めにしたがって、全額 を請求されることになるでしょう。実額の損害賠償としている契約 書もあり、違約金の約定をしているものもありますが、いずれにし ても相当な損害賠償の必要は否定できません。これは、契約上の約 束であり、やむをえないものです。



70 契約解除と仲介手数料
 

不動産の売買に関しては、情報量や物件の検討などの観点から、 どうしても不動産業者に依頼することになります。不動産の売買 契約に至れば、当然、仲介手数料というものが発生します。

 宅地建物取引業法の報酬規定によれば、「売買、交換、または 賃貸の代理または媒介に関して受け取ることのできる報酬」を支 払うと定め(同法第46条)、このうち媒介契約については、媒 介契約書を作成して、交付しなければならないと定めています (同法第34条の2)。

  これを受ける形で、それぞれの業者が、仲介契約に関しての契 約書を作成しています。「一般媒介契約書」「専任媒介契約書」 という二通りのものがあり、前者は複数行社に頼んでもいいもの で、後者はその業者以外には頼まないと言うもので、それぞれ特 徴があります。 こうした契約書には、途中解除に関して、特別な規定を置かな いもの、原則論として全額支払を前提とするものなど、さまざま です。

 法的な解釈はさて置き、実際の事実上の態度は、全額支払いを 要求しますので、交渉でどこまで下げられるか、というようです。 ただ、契約書にどのように書かれるかと言うことが大切で、契 約書上明記されないときは、中途解約が合理的な理由であれば、 半額も主張できるはずです。ただ、依頼する側の、好き嫌い程度 の問題であれば、仲介業者には何らの責任もなく、減額される筋 合いのものではないと言う主張もあるでしょう。



71 隣りや、階上の騒音、生活の音が聞こえる
 

中古マンションなど購入して、住みはじめたが、隣や、上の階の人 がうるさくて、どうしようもない、といった問題は良くあることです。
こうした問題はどのように解決すべきでしょうか。

  まず、購入して住んでしまったのですから、腰を落ち着けて、今後 の解決策を考えるほかありません。売り主のことを怨んでも始まりま せん。前の方も、かなり悩んだんでしょうね。

 さて、マンションの中での騒音問題は、大変深刻なものがあります。
 住んでみないとわからないといった感じもあります。また、騒音と 言うものが、公害のように、客観的に測定できて、制限値があって、 それを超えたら直ちに追い出されるといった規制もありません。また、 反対に、通常の騒音なのに、ひどく敏感な人は耐えられないでしょう し、ひどい騒音でも気にならない人もいます。このように、この、隣 人騒音の問題は、解決困難な問題を多く含んでいます。

  まず、マンションの構造を疑ってみましょう。ひどい足音がすると か、人の声が聞こえるといった場合は、施工不良があるとか、手抜き 工事の危険もあります。また、何か、特別な具合で音が通りと言うこ ともあるかもしれません。構造上の問題が、問題をこじらせているこ とも多いので、まずは、その点を疑ってみましょう。この点の検証に は、ざっくばらんに、管理組合の方や、上の階の方、近隣の方の立ち 会いをいただいて、お互いどうか、比べてみるのもいいのではないで しょうか。

 次に、上の階などの隣人の生活パターンで、深夜になると働きはじ めるとか、寝静まったころの洗濯を始めるとか、作業音がするといっ た場合は、きちんと申し入れて、改善してもらいましょう。これこそ、 公にたいする侵害、公害です。近所迷惑は止めてもらうしかありませ ん。

 生活自体がうるさいと言う程度、育ち盛りの子どもがいるとか、体 重の重い人が住んでいるとかでは、問題は生じないはずです。その程 度であれば、むしろマンションの構造を疑うべきでしょう。

  近隣騒音がどうしても止まらない、管理組合の方にお願いして話あ っても一向に止まらない、という場合は民事調停で話し合って、裁判 所の方から説得してもらうこともできます。どうしてもだめなときは 正式な裁判で、騒音の発生を停止するように命令してもらうほかない かもしれません。しかし、通常は、この手前で解決するようです。



72 マンションの水漏れなどの責任は
 

 マンションを購入したが、まもなく水漏れが発生して、大変な被 害に遭ったと言う場合、どうしたらいいのでしょうか。
  マンションの構造的な欠陥か、故障か、いずれにせよ補修しなけ ればならないもので、その補修の責任と言うことになります。  マンションなどの売買の場合、契約書に、瑕疵担保責任という条 項があるはずです。この条項が、こうした事件を解決するものです。

 ここにいう「瑕疵」という言葉は、売買の時にはわからなかった 隠れたところの不良の部分といった意味で、この不良の個所の発見 が売買が終わって、引渡した後に発見されることが多いので、民法 上は瑕疵の存在を知ってから1年間となっています(民法第566 条3項)。そして、通常は瑕疵についての損害賠償を請求すること ができます。その瑕疵が大きくて、売買した目的が達せられないよ うなときは、例外的に売買契約を解除することができます(同法第 570条、同法566条)。

  さて、通常の契約書ですが、瑕疵担保責任についての規定があり、 民法の定めに従うと書かれているはずです。ただ、よく見られるの は、瑕疵修補請求権というもので、損害賠償ではなく、修理するこ とをもとめ、修理に応ずると言うことが規定されているようです。

  さらに、契約によっては、躯体部分や、主要な瑕疵(雨漏り、白 蟻、腐食など)の部分に限って、「知ったとき」からではなく、目 的物の引渡しから数ヶ月に限定するという規定にしているものも見 られます。これは、住んでからの管理の悪さと言うことについては 責任持てませんよという意味でしょうが、数ヶ月で悪くなるような ことは考えにくいことです。ただ、何年も後になって、実はといわ れても困るので、早期解決の必要はあるでしょう。居住して、どの くらいで瑕疵が分かるか、という観点から、交渉して適切な期間を 定めることが必要でし ょう。