日常生活の法律問題

境  界  線

−−命がけの境界線争いを未然に防ぐためのノウハウ−−

境界線の確定
土地の境界線の確定問題

・ 土地境界の法律問題の基本

 土地の所有権の場合


   まず、当該土地の境界は、境界石・境界鋲・境界杭によって、明らかになります。現在ほとんどの土地には、何らかの形で、こうした境界標があります。古いものでも、おおきな石があり、その石が境界を示していることがあります。


 境界の痕跡は


  人の記憶はいい加減なもので、境界がないと言っていても、実際に探してみるとかなり深く土地を掘り起こして、その奥深くにあるということがあります。これ は、低い土地に土盛りをして、地盤を改良した際、境界石まで一緒に埋めてしまうということが多いからです。低い土地を周り並にするだけなので、ほかの土地 との区別の必要が無く、ただ、土を盛るという作業をしてしまうからでしょう。
境界石の上に塀をたてることも多くあります。その時は、塀の上にもう 一つ境界鋲を打つなどしますが、それができないときは、境界をまたぐ形で、塀を作ります。塀の下を掘ってみると、一部分がかけていて、変な基礎になってい れば、恐らくそれが、境界の痕跡でしょう。慎重に探してみてください。
次に、土地所有者の場合は当該土地の購入の際、契約書添付の測量図、境界立会確認図面(測量図に境界の他の所有者の確認印のあるもの)、重要事項説明書、といった書類があるのが一般で、それらによってかなり明確になります。

 

 測量図・公図・道路地図


  ところが、昔の売買などで、測量図もないとか、立会図もないというものもよくあります。無くしてしまったのか、元々無いものなのかは定かでありません。自 分の土地の境界を知らないと言うのもおかしなものですから、両隣にご相談して、測量図などを持っているかどうか、確認されるのが賢明です。
後になって、争い事が起きてから、裁判などで提出されると、思わぬところで足をすくわれることにもなりません。文句を言う前に、まず、近隣の方の資料を十分に探すことが必要です。

 
・測量図などなにもないときは、法務局が管理している公図 を見ることにしましょう。公図は、面積や、距離が必ずしも正確ではないため、単に土地の形、道路との関係、隣地との関係がわかる程度です。
公図を見て、自分の土地は広いのにと、現実には狭いと文句を言っても始まりません。公図は広さの基準にはできません。しかし、何らかの手がかりにはなるでしょう。
次は、土地登記簿謄本に添付してある申請時の添付書類の中の実測図面は大きな手がかりになります。しかし、土地の分筆登記などの添付書類は保管期限が5年と短いので、無いことの方が多いでしょう。しかし、探す価値はあります。
次の手は、区役所や市役所の建築課・都市計画課等が保管する道路地図、道路指定図面に当たるという方法があるでしょう。
これらの図面は、作成の目的が道路の確定などと言うように、それぞれ別なので、 直接の根拠にはなりませんが、それらの図面を基礎にして、隣接土地所有者の道路確定の際の立会人の説明や、立会の事実などが確認できることもあり、思わぬ事実も出てくることがあります。

 

 現況を最優先する


  しかし、なによりも重要なのは、その土地の現在の利用関係 でしょう。境界などが明らかでなければ、また、確定の手がかりがなければ、これまで利用関係はどうであったか、境界線の認識はどうであったか、争いはあったかどうか、合意はあったか、塀はどのようになっているか、等、現実を見ることになります。塀の存在は、大変重要な事実です。もちろん、違反して、強行して作ったというものは別です。所有権の問題があるとしても、ともかく塀があるのであれば、それが一つの境界と推定されるでしょう。
もし、塀も無いという間であれば、家の壁、屋根の出方、雨垂れの落ち方、「あまどい」の形など、総合的に見る必要があります。一般的に言うならば、屋根が出ている範囲、雨垂れが落ちる範囲は、その人の土地であるというように見るようです。
なぜなら、他人の敷地に雨垂れを落としてはならないからです(民法218条に明記してあるのです)
家の建築の際には、隣家の承諾があるでしょうし、もし隣家に侵入しておれば、建築の際、何らかの紛争があり、当時の大工さんが解決しているはずです。そんなこともあって、現状優先と言うことが出てくるのでしょう。

 

 借地の場合の境界


  さて、借地における土地境界は、確定することが困難なことが多いようです。借地権の範囲は、契約によって定まるもので、通常、契約書に測量図面があり、その図面に従って、範囲が確定されることになります。原則としてそれが最優先されます。
ところが、契約書に測量図面をつけてくれないときがあります。通常そうした場合は、借地権の譲渡があった場合がほとんどでしょう。すなわち、借地権を譲り 受けた時は、その借地権の売買契約書に添付された実測図面に示めされた内容がが借地権の範囲、境界線になります。その測量図面の範囲が、現実の範囲より狭 ければ、何かの争いがあって、少し引いたところで合意をして、争いのない範囲での境界の画定という方法を採ったのでしょう。
あなたの借地の範囲は、あくまでも契約書に定めた範囲なのです。
契約書に測量図がないときは、地主立会のもとで、確定するほかありません。地主の土地自体の測量図が参考になることもあるでしょう。しかし、契約によって 利用範囲を決めるものですから、隣地の借地人、土地所有者と、地主との協議によって定めるほか無いでしょう。それができなければ、土地の境界を定めるのと 同じ方法で、確定するほかありません。


 境界石は動かすな


  なお、既存の境界標があるときは、それを動かしてはいけないので、注意してください。たとえ、隣通しの合意があったとしても取らないでください。新しい合 意に基づく境界を入れるのは一向に差し支えありません。しかし、既存の境界標は、当事者の知らない重要な事実が込められていることもあり、滅多に動かすも のではありません。重要なときは、境界を動かす行為自体が、刑事犯罪にもなるのです。十分に注意してください。

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