金銭消費貸借

金銭貸借・金融問題

−− 借りたら返す、返すことを考えて借りる−−

お金の貸し借りの基本問題    

金銭貸借の基本問題


1 金銭消費貸借契約を作ること



もっとも多い契約といってもよいほど多いのが、金銭消費貸借契約、すなわちお金の貸し借りです。
従って、もっともトラブルの多いものでもあります。
この問題は、切実な動機によるものが多いことから、お金を貸すまでは「大変だから」と言うことで思いやりなどあり、うまくいくのですが、いったん貸した後は関係がまずくなることが多いようです。
これは、やはり貸し借りを行う際に、きちんとした契約を行っていないことが原因でしょう。
 きちんと契約するとは、お互いが大人として、責任のある約束をするということであり、約束できないものには貸さない、借りない、はっきり言いきれるという勇気のことです。
貸し手から、トラブルを起こして、気まずいどころか関係が破壊されるよりも、多少気まずくとも、問題を未然に防止することの方が大事なのです。
ハッキリ言って、いずれ気まずくなるのであれば、「 損をしない方がまし 」
と割り切った方がよいでしょう。
そうでなければ、貸すのではなくプレゼントすると思うほかないでしょう。

では、貸し借りの際の約束事の要点を見ましょう。
これはむづかしく考えなくてもいいのです。紙切れに、殴り書きでもいいのです。
題名も特別な定めがあるわけでもありません。
 一般には、「借用証書」「約定書」「念書」「貸付証書」「覚え書き」「確認書」など様々です。

問題は, 表題ではなく、貸し借りのルールが書いてあるかということです。
 どうしても書いておきたい要件とは次の通りです。
  ■ 貸し借りの金額(現実に動いた金額)
 ■ 返済時期(その日は日曜か、連休ならどうする)
   分割なら毎月月末か、明確な定めが必要
 ■ 返済方法(銀行送金か現金持参か)
  ■ 利息は年率で何パーセントか
     一括返済なら簡単だが、分割なら、返済金額のうち利息部分(借りた日か
   らその返済日までの借り入れ元金の利用日数分の利息の金額)と分割する
   元金の金額をはっきりさせること。
  ■ 遅延損害金の約定  約束の日に返さなかったときは違約金、損害金をつ
   けることができる(ただし利息制限法を守ること)。
  ■ 保証人の定め(保証人は債務者と同様の全責任を負うもの)

  以上の各要件は、面倒でしょうが、どうしても定めておきたいものです。これ
が定めてあれば、後日のトラブルもそのほとんどが簡単に解決できるのですから。
               

2 借りる側からの注意点



 お金を借りるときの注意は、ただ一つ、約束の日に返すことができるか、ということです。
これは、唯一で、かつ絶対の要件です。
 返すことができないのに借りたとき、すなわち、返す意思もなく、返す能力もないのに借りたというのは、もはやお金の貸し借りの問題ではなく、詐欺という刑事事件問題です。
くれぐれも余裕を持って返すことを前提に、計画を考えましょう。
 借りる前に次のことを考えてください。
  ■ 返済計画を立ててみる。
     毎月の確実な収入(最低売り上げ)と、支出(一切の生活費、一定の    遊興費、臨時の出費のための積み立てなどの総合計)の差額が返済原資    である。
          返済金額は、この返済原資の範囲内か。
    ■ 他の借金などの返済額の総合計は、毎月の返済原資の範囲内か。
   この二つの要件にはいるのであれば、借りてもよいでしょう。
 この要件に入らないのであれば、借りるのはやめましょう。
無理をすると、必ず、返せなくなるからです。

「 借りないとやっていけない 」「 借りるほかない 」 ということがあります。
こういう時にお金を出して欲しいというのは、もはや、これは借金ではないのです。一種の投資依頼と言うべきでしょう。

 相手方に対し、自分という人間の将来性をかって、投資をしませんか、成功すれば返済できるでしょう、成功するかどうかは今はわかりません
、自分は一生懸命がんばります。出資してください、ということなのではありませんか。
このときに、「必ず返します」とか、返済期限の約定などはしないでください。
できない約束、確実でない約束をすると、詐欺になりかねません。

 この約束は、投資なのであって、借り入れではないのです。投資であるから、返済できない危険を、出資者に十分に認識してもらわなければならないのです。


 3 貸す側の注意点



貸し手の最大の関心事は、きちんと返済されるかということです。返済の確保が唯一絶対の要件でしょう。
  返済の確保とは、
  ■ 返済期限、返済方法の明確な定め
    ■ 返済できないときの対応策
        公正証書によって強制執行をすぐできるようにするなどの手段
  ■ 保証人の定め
    保証人本人が自分の名前を書くこと、判子を押すこと、できれば複数の    保証人をつけてもらうこと
この程度のことはどうしても必要でしょう。
返さなくなってから、なにかをしようとしても、こうした対策をしていないときは、手も足も出ないでしょう。

民法の大原則で、

「 より勤勉な債権者の保護 」

という原則があります。より勤勉な貸し方、より勤勉な回収策の確保が必要なのです。


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