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よくある”問答”もんどう・・・−11−



103 債務が膨らんで返せない
104 破産申し立てとは
105 破産と親兄弟
106 破産するとカードは使えない?
107 妻の連帯保証
108 破産と家財道具の処分、敷金、保険金、給料、それ以後の生活はどうなるか。
109 破産と不動産
110 管財人とは何か
111 管財人が就いた後のこと
112 法人の破産、抵当権の実行
113 法人の不動産の取り扱い
114 法人の破産と役員の関係
115 法人の解散
116 破産手続き中の生活

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103 債務が膨らんで返せない
 

 債務が膨らんで、返済できなくなったことを「超過債務」と言い ます。返済原資に対し、債務返済額が超過し、返済ができなくなる 状況を言います。債務超過、支払不能などともよばれます。
  いづれにしても、今のまままでは返済ができないと言う状況にあ ることから、その対応策が問題になります。こうした事態は確かに 大変なことです。深刻な事態でもあります。
  ただ、決して勘違いしてはならないこと、それは、「どうにもな らない」と誤解することです。これはいけません。これでは対策が 立ちません。

法律の専門家、債務処理を担当してきた弁護士のアドバイス、そ れは、
「 何とかなるぞ。心配するな。逃げなければ何とかできる。」 と言うことです。
  お金が返せないと言うことは大変なことでしょう。でも、生きて いれば何とでも出来るのです。現に、天文学的数字の借金を抱えて がんばっている有名人が一ぱいいるじゃありませんか。
  債権者に対し、申し訳ないという気持ちを忘れてはいけません。
 しかし、所詮お金はお金です。命ではないのです。

 深刻に考えすぎては、活路が見えません。元気を出して、20年 先を見る冷静さも必要です。逃げ出さないで、正面から向き合って みると、冷静な判断も可能になります。

債務超過に対する対策
対策その1
   民事調停
   弁済を前提に、毎月の弁済額を返済可能な額に縮小することが目的
  債権者が少ないときに有効
  債権者からの利用も有効

対策その2 
  任意整理
  多数債権者(10社を越えるような場合)だが、暴力金融や、町金融、取り立ての厳しいサラ金業者がいないときなどには最適。
  ただし、弁護士などに依頼するほかない。費用は事 件の難易度によって異なりますし、まちまちのようですが、1社あたり2万円から3万円程度のようです。

対策その3
  破産申し立 て
  多数債権者があるときで、国家の監督がないと一括処理が困難であるとき(無法金融、暴力金融が絡んでいるとき、手形が流れてどこにあるかわからないときなど)など、債権者平等、一括同時処理の原則に従って、整理を進めること。
  債務者が特定債権者のみに返済しそうだとか、資産隠しをしているとか言うときには、債権者からの申し立ても有効。
  大変そうだが、実は手続きが複雑で面倒なだけで、本当は、意外に利用しやすい制度です。
  費用も、自分でやれば数万円で出来るものです。

 大まかに言って、以上の方法が考えられます。法人の場合は、こ のほかにも、和議、会社整理、清算、解散、会社更生などなど、さ まざまな方法があります。



104  破産申し立てとは
 

破産制度とは、ある特定の時点を基準時点に定め(破産宣告の 日時)、その時点での資産状況を整理して、財産額の総額を算出 し、負債の総額も算出して、財産をすべて換金して、債務の弁済 に当てるというもので、債権者に対しその債権額に応じて、完全 に平等に、財産を配当する制度です。
  破産申し立てをしますと、裁判所は、まず破産状態にあるかど うかを審査します。
  次に、債務者が不動産があったり、会社であったりしますと、 破産管財人の選任が必要になります。
  破産が明らかになった時点で、破産決定を行い、この時点で債 務者の財産を保全し、破産管財人に管理してもらい、後日の配当 にいたるものです。

 破産決定というのは、債務が超過して支払いができない事実を 宣言することで、事実としての認定ですから、客観的な事実さえ 明らかになれば決定が出ます。
  しかし、破産決定自体は、債権が確定され、破産債権として 10年間有効な債権となるだけですから、返済の必要もあり、取 り立て禁止の効力もなく、それだけでは、主に、債権者保護の効 果が目的です。

 優良な債権者(友人とか、銀行、優良な貸し金業者など)にと っては、これで十分です。債権者からの破産申し立ての利用は主 にこの観点から行うものです。

 次に、いわゆる自己破産と言われるものを見てみましょう。

 自己破産とは、破産制度を債務者自身が利用するもので、おお よそ次の時に利用します。

■ 暴力金融などの追及が厳しく生活再建の目処が立たない。
■ 少ない資産が特定債権者だけに取られそうだ。
  といったことから、国家の援助が必要なときです。

 

自己破産のメリット・デメリット

 自己破産は、債権者を一括して扱うという点で、公正な清算方 法ですから、その観点ではメリットでしょう。また、免責まで得 られれば、生活の再建もできますので、大きな利点があります。

 しかし、破産と言うことからくるデメリットもあります。
 法的なデメリットは、住所制限、資格制限(公務員や弁護士な どにはなれない)、就職制限(会社役員、保険会社社員、その他 他人のお金を扱う仕事に就けない)などがあります。
  事実上のデメリットには、クレジットカードが使えない、銀行 ローンが使えない、借り入れができない、というような制限が出 てきます。この制限はかなり長期であるとされています。

 この観点では、経済活動に大きな制限が出てくるでしょう。



105 破産と親兄弟
 

 破産すると、親とか兄弟にどんな影響があるのか、大変心配になる ところです。破産という制度が、わかりづらく、なかなか公表されな い部分でもあるので、とかく誤解も多いところです。

 破産という制度について概観しましょう。
  破産制度とは、ある特定の時点を基準時点に定め(破産宣告の日時) その時点での資産状況を整理して、財産額の総額を算出し、負債の総 額も算出して、財産をすべて換金して、債務の弁済に当てるというも ので、債権者に対しその債権額に応じて、完全に平等に、財産を配当 する制度です。
  破産申し立てをしますと、裁判所は、まず破産状態にあるかどうか を審査します。
  破産が明らかになった時点で、破産決定を行い、この時点で債務者 の財産を保全し、破産管財人に管理してもらい、後日の配当にいたる ものです。

 破産決定というのは、債務が超過して支払いができない事実を宣言 することで、事実としての認定ですから、客観的な事実さえ明らかに なれば決定が出ます。
  しかし、破産決定自体は、債権が確定され、破産債権として10年 間有効な債権となるだけですから、返済の必要もあり、取り立て禁止 の効力もなく、それだけでは、主に、債権者保護の効果が目的です。

  次に、破産と言うことからくるデメリットを見ましょう。
  法的なデメリットは、住所制限、資格制限(公務員や弁護士などに はなれない)、就職制限(会社役員、保険会社社員、その他他人のお 金を扱う仕事に就けない)などがあります。
  事実上のデメリットには、クレジットカードが使えない、銀行ロー ンが使えない、借り入れができない、というような制限が出てきます。
  この制限はかなり長期であるとされています。この観点では、経済 活動に大きな制限が出てくるでしょう。

 さて、破産は、その債務を負った方のみの問題ですから、親族には 関係のないことです。破産者が出ても、親、兄弟は一切法的にも、事 実上も全く制限はありません。これは大原則で、例外はありません。
  くれぐれも間違えないようにしてください。 

 問題は、債務について、保証をしたり、名義貸しをした時です。知 らない間に名前を使われていたという時は、裁判などで何とか防ぐこ とができますが、債務の保証などを自分からした時は、大変困ります。
  債務者が破産すると、当然保証人らの責任が出てきますので、逃げ かくれできません。この時は、保証の履行をどうするか、といった問 題になります。



106  破産するとカードは使えない?
 

 破産をすると、どのような効果が生ずるかついては法律上のものと、 事実上のものがあります。

 簡単にまとめると、法的なデメリットとしては、住所制限、資格制 限(公務員や弁護士などにはなれない)、就職制限(会社役員、保険 会社社員、その他他人のお金を扱う仕事に就けない)などがあります。
  事実上のデメリットには、クレジットカードが使えない、銀行ロー ンが使えない、借り入れができない、というような制限が出てきます。
  この制限はかなり長期であるとされています。この観点では、経済 活動に大きな制限が出てくるでしょう。

 さて、このような効果の中で、一番生活上の問題となるのは、カー ドや、ローンの問題でしょう。

 まず、クレジットカードについては、相当期間(5年から10年) 利用できないと覚悟したほうが良いでしょう。破産の際、最も焦げ付 きの多いのが、このクレジット会社ですから無理もありません。

 次に、銀行のキャッシュカードですが、銀行などの関連で、取り引 き停止になることがあります。この場合、本来は銀行取り引き、借り 入れはじめ預金もできないはずです。しかし、銀行によっては、借り 入れは難しいにしても、預金をすること自体は、認めるものもあり、 預金に伴うキャッシュカードは発行してくれるところもあります。た だ、貸し越し契約のあるもの、借り入れ額の設定があってあらかじめ 借り入れが予定されているものなどは、信用情報との照合をするよう で、利用は困難のようです。

 銀行のローンなどは、まず、5年から10年は無理と思ったほうが 良いでしょう。信用情報に登録されている期間は、相当長期のようで すし、大きな金額にもなり、不可能と考えたほうが良いでしょう。

 復権という法律上の回復手段もありますが、そのことで直ちに信用 情報が解消するという保証はありません。



107  妻の連帯保証
 

 夫が破産した場合の、妻の地位ですが、本来は関係ありません。
  法的には、独立の人格ですから、夫の破産は夫限りのことであ って、妻には影響しません。したがって、取りたてもありませんし、妻名義のものに対する差押も不可能です。

 問題は、妻が、連帯保証などしている場合です。
  連帯保証契約は、債権者と保証人との間で、万が一債務者が、 当該借金を返済できない時は、保証人が代わって返済しますとい うもので、本人の破産など、支払不能が現実になった時、その意 味が出てくるものです。  

 特に、連帯保証という意味は、債務者と同等の地位にあり、債 務者とほとんど変わらないということです。従って、債務者がいないとか、債務者の財産があるなどといっても、連帯保証人のほ うが信用があったり、預金を持っていたりする時は、その方から の返済を求められるという具合です。

 妻が連帯保証人ということは、夫の破産によって、当然に妻が債務を負担するということで、夫に代わって負担することになり ます。特別な救済はありません。
 妻の、固有財産があればその財産から支払うというほかありません。



108  破産と家財道具の処分、敷金、保険金、給料、それ以後の生 活はどうなるか。
 

破産の手続きはおおよそ次のようになっています。

1 破産申し立て・費用の予納
2 破産審尋  
3 破産決定(何時何分破産決定、となる)

続いて、債務者の責任を解除するための免責の手続き

1 免責申立  
2 免責の審尋
3 免責の決定

 この手続きは、場所や、裁判所の事件数などによって大きく異な りますが、大変長い期間がかかりますので、この中での生活の問題 があります。

 まず、破産申し立てしてから、破産決定までは比較的迅速に処理 されます。その時点で、破産決定の時間が正確に指定されます。
 その時点を境に、破産手続きに入り込むわけです。ということは、 その時点での債権債務関係を整理して、配当するべく処理するとい うことであり、資産状況を変化させてはならないということになり ます。資産は、管財人に引き渡し、管理してもらい、勝手な処分や、 一部債権者への返済などはすることができないようにします。

 さて、こうした破産決定の後の、生活はどうするかですが、それ までの仕事は、特別な場合を除いては、一たん停止して、解消、処 分、清算の方向をたどることになりますので、そこからの売り上げ とか、儲けなどはありません。

 従って、債務者は、別の生きる方法を考えなければなりません。
  まったく別の方法で生き始めた時は、その収入は多くは期待でき ませんが、通常は、債権者もその生活のための収入まで押さえるこ とはまずしません。破産時点までの債権で、破産時点に資産を清算 するのが基本ですから、一たんその範囲で清算します。更に、債権 が残れば、破産終了後に、新たな事業での収益や、儲けに対して債 権者が差押することもあります。しかし、通常破産後の収入は、自 分の生活に使ってかまいません。

 破産時点までに持っていた家財道具については、生活用具に関し ては押さえることはできず、贅沢品、生活必需品とまでは言えない ものは押さえることができますが、主に、貴金属や、高価な工芸品 などが対象となるでしょう。
  保険金は、解約して、解約返戻金や、満期返戻金があれば、そう いったものを回収して、配当の財源にします。ただ、子供の育児に 関するものなどは、別に裁判所との交渉で、便宜を図ってもらえる こともあります。
  借家契約についても、敷金返還請求権があるなど、原則として、 契約を解約して、清算するよう求められることも多いようですが、 敷金の金額を親族などに都合してもらって、その額を用意すること で、事実上解約しないですむよう便宜を図ってもらうこともあるよ うです。



109  破産と不動産
 

 破産する際に、不動産の存在は、大きな意味があります。
  まず、債権者が破産を申請する場合は、不動産があることは大変 重要なことです。不動産があることで、返還される可能性が高くな ることが期待できるからです。

 自己破産の際は、大変な足かせになります。自己破産の場合は、 多くのケースで、破産の申し立ての財源すらないことが多いのが実 体です。そうした事情の中で、破産のために大きな費用は用意でき ないというのが普通です。
  ところが、不動産がある時は、たとえその不動産が超過担保で、 実質的な価値がない時でも、必ず、破産管財人をつけることになっ ています。その費用は、申し立て費用どころではなく、最低でも5, 60万円、多い時は数百万円にのぼります。  

 こうした費用はとても用意できないものでしょう。

 こうした場合は、自己破産はできません。正に、「地獄の沙汰も 金次第」といった状況です。
 こういう場合は、不動産の競売や、公売などの処分が終了するま で、我慢して、その後に自己破産するほかないのです。  



110 管財人とは何か
 

 破産管財人というのは、破産者の財産を裁判所の変わりに管理する役 目の人のことで、裁判所から選任されます。
 通常は弁護士が選任され、債務者の指導、監督に当たります。  

 まず、破産管財人が選任される第一は法人の破産の場合で、原則とし て管財人がつきます。資産がない時でも選任するのが原則のようです。
 これは、出資の問題や、債権関係が大変複雑で、個人のような単純な 問題ではないことが多いからです。従って、不動産がない時でも、又、 特別な資産がない時でも、破産になる以上は管財人を選任します。

 個人の場合でも原則として破産管財人を選任するということになって います。しかし、個人破産で、特に自己破産の場合は、特別に管財人を つけないことが多くあります。債務者の現有資産が少なく、その資産で は破産の手続きを進めることもできないという時、「同時廃止」といっ て、破産宣告と同時に破産の手続きを中止することとを言います。
  この場合は、残された少しの財産の処分は、しないことになります。

 管財人が選任されますと、法人も個人も、管財人の監督下に入ります ので、債務者宛てのものは私信を含めて一切の郵便物、電報、その他の 連絡が破産管財人宛てになり、管財人が開封して処理に当たることにな ります。



111 管財人が就いた後のこと
 

 管財人が選任されますと、法人も個人も、管財人の監督下に入ります ので、債務者宛てのものは私信を含めて一切の郵便物、電報、その他の 連絡が破産管財人宛てになり、管財人が開封して処理に当たることにな ります。そして、管財人の監督のもとで、債権債務の調査、確定の手続 きが行われ、さらに資産の換金と配当の準備が進められます。

 まず、管財人の第一の仕事は、債務者の財産の保全になります。まず は、残り少ない債務者の財産が、一部債権者や、強引な債権者によって 事実上持ち去れれたり、壊されたりして、妨害されるのを防ぐことです。
 債務者(個人、会社)の財産について、裁判所執行官に委任して「封 印」を行って、資産の散逸を防ぐ作業に入ります。さらに高価品のある 時はその保管方法を別途定めることになります。

 こうして、債務者の財産はみな封印して、その管理が破産管財人に移 行します。従って、一切の資産に関する書類、帳簿類、預金通帳、各種 証券類、各種契約書などすべてが、破産管財人の管理課に入ります。
  こうして、資産の管理、確保、処分による換金、配当原資の確保に入 ります。

 その後は、裁判所と打ち合わせしながら、順次処分し、換金して、配 当にいたることになります。



112 法人の破産、抵当権の実行
 

 法人の破産も、個人の破産と大きな違いはありません。ただ、通常、多数の取引関係があり、その整理が複雑になること、債権者が多数になり、混乱を回避するために、債権者会議が開か れ、債権者をまとめて行くことが必要です。
  法人が、引き続き仕事をすることができるような場合、そし てその可能性があるという例外的なケースでは、債権者会議に おいて営業の継続を決議する可能性もあります。
  法人と個人の財産とが混同していたり、隠し財産があったと いった場合には徹底した調査が行われることになります。法人 の場合の危険は、危険になった時に、あらかじめ資産の散逸、 資産隠し、逃亡の準備など、不正行為が行われるということで、 厳重な調査が予定されるといったことでしょう。

 抵当権などの実行については、破産手続きとは別に、実行す ることができることになっています。これは「別除権」(破産 法第92条以下)と呼ばれるもので、破産手続きによらないこ とが決められています。
  従って、まず、正当な債権者は、破産の申し立てや、管財人 の介入があっても、原則として影響は受けません。そのまま抵 当権等を実行して通常の競売手続きで債権を回収してかまいま せん。
  ところが、これには例外があります。
  破産になるには、事前に危険な兆候が出てきます。たとえば 手形の不渡りや、手形のジャンプ、連鎖的な倒産の危険の兆候 などが、そうした事が、直前にわかることがあります。その時 点で、それを知った一部債権者が、いわば抜け駆け的に抵当権 の設定を行ったり、資産を確保したり、債権を割増しして譲渡 担保を行うなど、不正行為が行われることがあります。
  こうしたものを放置しておくと、一部債権者の抜け駆けを認 め、不正を許すことになるので、「否認権」というものがあり、 破産管財人は一定の要件に当てはまるものについては、その債 権の行使などを否認することがあります。登記が否認されると、 否認の登記もなされることがあります。



113 法人の不動産の取り扱い
 

 法人の破産の場合には、原則として破産管財人が選任されます。
 資産がない時でも選任するのが原則のようです。

 これは、出資の問題や、債権関係が大変複雑で、個人のような単純な 問題ではないことが多いからです。従って、不動産がない時でも、又、 特別な資産がない時でも、破産になる以上は管財人を選任します。 
 破産管財人というのは、破産者の財産を裁判所の変わりに管理する役 目の人のことで、裁判所から選任されます。
 通常は弁護士が選任され、債務者の指導、監督に当たります。

 破産の手続きは、まず、債権者による申立があり、その後破産管財人 が選任されて、資産の整理を行い、配当のための原資を確保することに なります。  

 不動産があると、破産管財人は、通常次のような処理を行います。
  裁判所との協議により、あるいは許可を得て、当該不動産の任意売却 を行います。任意で売却することが最も良い換価方法なのですが、破産 の登記があるので、なかなかスムーズには売却が進みません。従って、 かなり長い期間手間取ることもあります。
  その他は、抵当権のついている不動産の競売手続きにしたがって、債 権の回収を図ることがあります。

 賃貸物件の場合は、賃貸を継続しながら、賃料収入を確保しながら、 売却処分を進めるなど、多くの困難があります。 



114 法人の破産と役員の関係
 

 法人の破産は、当該法人の債権債務の清算が目的ですから、法人の 範囲に限られ、個人には基本的には影響を及ぼしません。  

 法人の破産は、法人の資産が減少して、債権に引き当てて不足を生 じたような場合にも、資産保護の観点から、会社役員から申し立てる ことがあるくらいですから、むしろ、債権者の保護のための制度なの です。  

 特に、抵当権などを持っている債権者には別除権がありますので、 その債権は基本的に保護されているわけです。従って、抵当権などを 持っている債権者にとっては、破産手続きなどは、余り影響のない手 続きといえます。
  これに対し、無担保債権者、取り引き業者などにとっては、債務超 過になるようであれば、自分への支払いはなくなる危険があるので、 一日も早く破産をかけて、資産の保護をして欲しいということになり ます。
  従って、破産ということ自体は、主に担保を持っていない債権者を 守るための制度ですから、破産自体で、役員が処罰されたり、不利に なったりはしないのが原則です。

 しかし、破産原因を作ったこと、業務の執行につき任務懈怠があっ たこと、監査を怠った事など、通常の業務において取締役の責任(商 法第266条の3)を追求されることはありうることです。

 また、法人の債務について、連帯保証や保証を行っていれば、その 観点からの、責任追及は当然あります。



115  法人の解散
 

 法人の消滅の原因には、法人に破産のほかに、法人の解散というも のがあります。自ら行う解散のほか、解散判決、解散命令などもあり ます。

 解散は、定款記載事項の実現、合併、株主総会の決などがあります。
  いずれにしても、解散は、債権者保護の制度というよりも、会社資 産の早期清算により、株主(投資家)を保護するために、自立的に解 散して、残った財産を株主(投資家に)返還する、残余財産の分配を 目的としてものです。

 従って、破産とはその目的も、制度も異なります。、

 解散を行いますと、会社資産の清算が始まります。清算人が選任さ れて、会社財産の清算に入ります。これを清算手続きといいます。こ の手続きで、会社の財産を処分して、債権を返済して、残りを株主に 返済するということになるのです。

 解散を破産回避の手段として利用できるかという疑問がありますが、 無理というほかありません。
 解散は、債務超過や、手形の不渡りなどという事態は予想していま せん。従って、もしその様な事態が生じた時には、直ちに破産手続き に移行することになります。たとえそれが清算の手続きの最中でも一 向に構いません。



116 破産手続き中の生活
 

 破産決定の後の、破産手続きが進行中の生活をどうするかについ てみてみましょう。
  それまでの仕事は、特別な場合を除いては、一たん停止して、解 消、処分、清算の方向をたどることになりますので、そこからの売 り上げとか、儲けなどは期待できません。

 従って、債務者は、別の生きる方法を考えなければなりません。
  まったく別の方法で生き始めた時は、その収入は多くは期待でき ませんが、通常は、債権者もその生活のための収入まで押さえるこ とはまずしません。破産時点までの債権で、破産時点に資産を清算 するのが基本ですから、一たんその範囲で清算します。更に、債権 が残れば、破産終了後に、新たな事業での収益や、儲けに対して債 権者が差押することもあります。しかし、通常破産後の収入は、自 分の生活に使ってかまいません。

 破産時点までに持っていた家財道具については、生活用具に関し ては押さえることはできず、贅沢品、生活必需品とまでは言えない ものは押さえることができますが、主に、貴金属や、高価な工芸品 などが対象となるでしょう。
  保険金は、解約して、解約返戻金や、満期返戻金があれば、そう いったものを回収して、配当の財源にします。ただ、子供の育児に 関するものなどは、別に裁判所との交渉で、便宜を図ってもらえる こともあります。
  借家契約についても、敷金返還請求権があるなど、原則として、 契約を解約して、清算するよう求められることも多いようですが、 敷金の金額を親族などに都合してもらって、その額を用意すること で、事実上解約しないですむよう便宜を図ってもらうこともあるよ うです。

 法人の破産の場合は、破産時点から給料に支払いはストップしま すので、解雇と同じです。直ちに生活の糧を得る他の方法を考えな ければなりません。債務者本人でなければ、何も心配せず、直ちに 他の生活を始めることができます。
  債務者の場合は上記のとおり、原則として問題はないのですが、 常に債務者ですから誠意が必要です。