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よくある”問答”もんどう・・・−4−




35 プロバイダーとは何か、どのような存在か
36 プロバイダーの契約はどうなっているのか
37 プロバイダーになるには、どうしたらなれるか
38 いつかけても話中、強制的に切断される
39 予定のサービスが始まらない
40 料金設定や変更はどのような約束事ですすむ

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35 プロバイダーとは何か、どのような存在か
 

 インターネットに接続するには専用回線をもって、インターネッ トに直接接続するか、さもなくば、インターネット接続業者、すな わちプロバイダーと言う業者の手を通す必要があります。電話回線 を利用して、自分のパソコンとプロバイダーのパソコンをつないで、 インターネットに繋いでもらうのです。

  インターネットが急速な広がりと重要性を見せる中で、インター ネットを支える役割のプロバイダー急増し、その重要性はますます 増加しています。
 同時に、利用者の急増に対して、利用者のサービスを支えるだけ の物的、質的な整備が追いつかず、いわば「 パンク 」している ような状況が生まれています。利用者がプロバイダーに対し期待し ているものと、プロバイダーが答えられるものとの間に、乖離現象 が生じているのも事実です。

  プロバイダーという事業は法的に定められたものであり、法的な 地位と責任とが定められています。プロバイダーは、通常は、一般 第二種電気通信事業者という地位にあります。
 これは、電気通信事業法の定めるところによるもので、この法律 は、電話回線を利用する上での法的な規制を定めたものです。電気 通信事業者には電話回線を自ら持っている第一種電気通信事業者と 呼ばれるごく少数の業者、NTT・KDD、最近のケーブルテレビ の事業者などがこれにあたります。それ以外は第二種電気通信事業 者と呼ばれるもので、大手(海外との直接の通信が可能な業者)と、 そうでないものとがあります。大手にはIIJ、ITJIT、TokyoNET、 ASAHI-NET・C&C MESH など30社前後あります。それ以外のものが 一般事業者です。

 こうしたプロバイダー事業という「一般第二種電気通信事業」を 営むものは、郵政省令の定めるところに従って郵政大臣に「届け出」 することが必要とされています(同法第22条)。これを怠ると、 罰金の制裁があります(同法108条)。従って、無届けでのプロ バイダー業は違法行為となるわけです。ただ、この事業は、届け出 となっていますので、届け出をするだけで、原則としては営業する ことができます。そのことから、経済基盤のないものまで、開業す ることができるので問題となっているのです。 

 これに対し、大手として存在する「特別第二種電気通信事業」に 該当するものは、届け出ではなく、登録申請が必要で、厳しい要件 が充足されていないと、登録許可とはなりません。さらに、契約約 款の届け出、認可、約款の掲示、会計の整理など、各種の義務を負 うことにいなっています(同法24条以下)。

 プロバイダー事業者は、このように法律に従った責任と地位があ るわけですが、これは、電話回線と言ういわば公共のインフラスト ラクチャーを利用するという形で、一般公衆に直接関係するもので あり、電話サービスの安全と、公平、確実性といったものを守るべ き必要があるからです。そこから、大変大きな法的な義務を与えら れているのです。その義務とは、通信の秘密を守ること、事故に対 する迅速な修理をおこなうこと、適正な業務を遂行する義務、利用 者の利益の阻害の除去義務といったものです。  

 こうした義務が定められていますが、残念なことに、こうした義 務をまったく認識していないプロバイダーがいることも事実です。
 単なるベンチャービジネスと信じ込んで、利用者のメールを勝手 に盗み見したり、警察の捜査に迎合してメール利用者全員の情報を すべて引渡すなど、電気通信事業者としては犯罪行為と言うべき行 為までしているものが見られるようです。

 今後、プロバイダーの整理統合が図られると言う方向もみえてい ますので、より健全な方向で、成長するよう、見守るほかないでしょう。



36 プロバイダーの契約はどうなっているのか。
 

 インターネット接続業者としてのプロバイダーの契約を理解する ために、その内容の概要を理解しましょう。

 インターネットへの接続といっても、プロバイダーは、多種多様 なサービスをもって、顧客を獲得しています。こうした中で、入会 規約、会員規則といったもの、その他、加入契約などさまざまな表 現がありますが、プロバイダーと、利用者との関係を示し、調整を かけるべきものですから、基本的性格は同じと見て差し支えありま せん。

 まず、プロバイダーは、大きく分けて二つのことを行います。
  第1が、基本的事業としての電気通信役務の提供です。これは、 電話回線を利用して、利用者からの回線を自社のコンピューターを として、インターネット回線へ接続する業務です。現在ではNTT の所有管理している電話回線のあるポイントで、情報を制御して、 別の回線へとぞの情報を流すと言う業務です。
  ここでは、電子メー ルのほか、FTP、TELNET、ニュースグループ、WWWなど 多様な行為が包摂されます。 ここでは、プロバイダーは、電気通信役務を行うため、利用者に たいする誠実な任務遂行義務が生じます。通信内容を盗み見しては いけな(電気通信事業法第4条1項、2項)、検閲はしてはならな い(同法3条)、不当な差別禁止(同法第7条)など、重要な義務 規定があります。

 第二の事業は、付随的事業で、ホームページのためのディスクの 無料利用サービス、メーリングリスト提供サービス、ホームページ 作成サービス、ディレクトリーサービス、検索サービスなどなど、 加入者にたいする各プロバイダーの特徴ある個別のサービスがこれ です。この内容は、実に多種多様で、内容の設定、サービスの提供 内容、サービスの質など、全く自由に設定できるのが特徴です。

 こうした二つの事業において、プロバイダーは、自己の権利と責 任を表記することになるのですが、多くのプロバイダーは、自己の 責任部分には限りなく小さく、利用者の権利制限には限りなく積極 的で、内容的には、意味不明の規定が多く、まだまだ修正すべきも のが多くあります。

  しかし、これらの規定はみな、あらかじめ出来上がったものであ り、これを認めない人は入らなくてもいいといったものなので、通 常の契約のように、合理的な内容になるように相互に話し合うとい ったことができないものになっています。従って、各プロバイダー が、同業者のものを見よう見まねに作るといったことになっており、 内容的に問題のある規定も多く見られます。

 通信状況が悪い、サービスが充実していないなど、問題があれば、 契約書、規約をよく読んで、プロバイダーの改善を要求する必要が あります。



37 プロバイダーになるには、どうしたらなれるか
 

 インターネット接続業者を、プロバイダーといいますが、一般に プロバイダーになるには、極めて簡単だといわれます。しかし、か なりの数の業者があり、小規模事業者は今後の動きについて行ける か疑問を投げかけられています。
 今は、公共事業者や、自治体出資の事業者形式のもの、協同組合 形式のものなど、これまでとは多少変ったものが出てきているよう です。

  電気通信事業法により、プロバイダー事業は規制され、統制され ています。この規定によれば、電気通信事業者は第一種と、第二種 とに区分され、第一種とは自ら電気通信回線設備をもっているもの ということですから、NTT、KDD、そして、最近では東急ケー ブルテレビジョンが、これにはいるようです。

 プロバイダーは、すべて、第二種の通信事業者になります。これ らは、自分のところでは、電気通信回線設備をもってはいないが、 NTTやKDDの回線を使って、電気通信役務の提供を行うものと されています。
  このうち、政令の指定する規模を越える大規模なものは、特別第 二種電気通信事業といい、一般の第二種事業とは区別しています。
 プロバイダーは、第二種に入りますが、一般のプロバイダーは一 般第二種電気通信事業を営むものとされています。  

 一般第二種電気通信事業を営むものは、郵政省令の定めるところ に従って郵政大臣に「届け出」することが必要とされています(同 法第22条)。
  届出書の詳細は、地方電気通信管理局で申込書を配布しています のでこれをもらって届け出するという仕組みになっています。
 この届け出は大変簡単ですが、これを怠ると、罰金の制裁があり ます(同法108条)。この事業に該当するものは、届け出をする だけで、届け出の翌日から、営業することができます。



38 いつかけても話中、強制的に切断される

 インターネットへの接続には、まず電話料金がかかります。この 電話料金は長時間の接続で大変高額になったしうので、多くの人が、 11時以降がお得になる「テレホーダイ」「テレジョーズ」といっ たものを利用していますので、どうしてもその時間帯に集中します。
  その時間帯になると、電車がラッシュアワーになるといったのと 全く同じ現象です。

 ラッシュアワーで予定の電車に乗れないといった場合どうします か。予定の駅で降りられないと言うことがあるかもしれません。こ れにたいしては、おおきな観点では、電車を増やせと言う要求を出 すことになります。細い電車の線路の周りにその電鉄会社が大量の 住宅を建設したといった場合を想定できるでしょう。細い回線で、 多くの会員を持つと言うことはこういうことです。適正基準による 規制で、会員数に従った電話回線の確保が必要でしょう。ただ、こ うしますと、会員が使わない時間はがらがらに空いて状況になり、 その分必要以上の回線となる時間が増え、その維持費も馬鹿になり ませんので、自然会費が高くなりますが、やむをえないでしょう。
  次は、いわゆる時差通勤、通学という方法です。11時ころを避 け、深夜とか、早朝とか、すいている時間帯を利用する方法です。
 この時間帯は、誰も使っていないので、大変回線のスピードが早 く、驚くばかりです。これは自衛作戦と言うことになります。

  さて、こうしてみてきますと、ラッシュアワーの存在を知って、 その解消をどうするかと言う、総合的な検討と、当面の自衛策とが 考えられることになります。

 では、こうした時間帯につながらないというのは、プロバイダー の責任であって、いつでも入会契約を解除できるのでしょうか。
 ある雑誌の調査がありますが、どのプロバイダーも、午後11時 ころが利用者のピークになっていて、それ以外の時間帯はほとんど すいていると言う結果が出ています。中には、数時間にわたって、 あるいは一日の多くの時間がかかりずらくなっているというものも 例外的ですが、何社か存在します。こういったものは例外的で、む しろ、11時ころをはずせば、一般的にはかかりやすいとみるべき でしょう。あくまでも一般的な評価としては、比較的多くのケース は、プロバイダーの決定的な欠陥、契約違反とまでは言えないよう にも思えます。

  しかし、もう少しの努力で、11時代でも、もっと快適な環境を 作れるのですから、経営努力は必要と言うことは間違えありません。



39 予定のサービスが始まらない
 

 プロバイダーの入会の際に、入会ごサービス開始と言うことで 合意のあったときは、その合意は、プロバイダー側の契約上の債 務になります。
 プロバイダーは、その合意した内容のサービスがなぜスタート しないのか、その遅れの理由を会員に伝える義務があります。そ してその内容が、許認可など、第三者の事情による場合は直ちに プロバイダーの責任にはなりませんが、プロバイダー自身の手配 の遅れ、設備投資の不足、人員の確保など、プロバイダー側の事 情の場合は、プロバイダーの責任となります。

 このように、サービス内容が、入会当時合意されていたと言う 場合は、こうした、プロバイダー側の責任がある以上、その遅延 の状況が早急に解消すると言う特別な状況、事情のある場合はと もかく、今後も遅滞状況が続くのであれば、それはもう明らかな 債務不履行ですから、入会契約も解除できます。
 この様な会場の場合は、現状回復義務が生じますので、原則と して入会金、支払利用料の全額が返還対象となります。ただ、す でに、他のサービスを利用してきたというときは、その利用の割 合がどの程度かを考えて、その割合で返還の範囲を決定すること になるでしょう。基本的な通信役務(インターネットへの接続) ができているときは、そうした付随的なサービスをどのような割 合で考えていたか、評価が困難な問題もあるでしょう。

 ここからは、個別に交渉して、返還の範囲を決めるほかないは ずです。
  この交渉は、比較的簡単に行われているようです。プロバイダ ーとしても、約束したことは認めるようですから、返還範囲の合 意さえできれば、悩むことはないようです。



40 料金設定や変更はどのような約束事ですすむ
 

 プロバイダーの競争が大変激しく、利用料金の改定と言うこと が頻繁におこなわれています。利用者の増加によって、設備投資 の増加と、それ以上の入会金、利用料収入があり、多くの業者は、 利用料金を下げる方向での料金体系を変更してきているようです。
 値下げによって、もっと会員を増やすと言うことで、価格競争 になっていると言う点もあります。

 まず、料金の改定に関しては、比較的自由になっているようで す。料金の設定は、おおくの場合、会員規約そのもので決めると 言うことは少ないようです。会員規約や、入会時の合意書の類は 契約書になりますので、なかなか変更はできません。従って、利 用料金に関しては、多くの場合、
 「加入者に事前の通知をすることなく、料金規定、料金表は改 定することがあります。」
 といった内容になっており、料金内容自体は契約内容にせず、い つでも改定できるようにしているのです。
  こうした体系が果たして本当にいいのか、疑問の余地はありま す。契約内容として、サービスの対価が決まっていないと言うこ とは通常ないことです。この業界の熟成の程度を示しているので しょう。

 ただし、会員の権利が大幅に制限されたり、規制されるような 改定は基本的にできません。会員の同意が必要です。
 ここでの改定は、基本的には、会員の利益に、従前の料金を会 員に有利な方向で改定すると言うものがほとんどでしょう。会員 に不利にならない改定でるから、反対の理由も、反対する合理性 もありません。従って、通知がなくても、基本的に合意の範囲に あるといえるでしょう。

 ただし、基本料金制度があって、その部分が引き上げになって、 通信料金の従量制の部分は大幅値下げと言うものもあります。た だ、この様な、部分的な値上げになるものは、基本料金内の利用 をしてきた会員には不利になります。こうした場合は、不利にな ることを証明して、契約の解除、退会の交渉を進めることになる でしょう。こうしたケースに対処するために、複数の基本料金体 系を用意して、選択性をとっているプロバイダーもあります。

 料金体制に不満があり、適切な対応をしてくれないときは、郵 政省に直接文句を言ってもいいでしょう。