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 小さな想い 

それはジョゼ街道でのできごと。
アーロンがユウナのガードになって、ほんの少しだけ俺は嬉しかった。
でも、それと同時に、少しイライラしていた。
何故なら、ルールーやワッカ達が、必要以上にアーロンと喋ってるんだもん!
最高のガードだからってさ!有名だからって丁寧語使って喋るんだ!
ルールーもワッカも、俺が見ていたときの人格じゃないんだもん!
だから、何となく、…腹が立つんだよな…。…なんでだろう…。

ー色々腹が立ってきて、いてもたってもいられなくなった。−

『もう歩けないッス〜!もう嫌だ〜!ザナルカンドに帰る〜!』
今までのイライラと、疲れもたまってて。
…少し恥ずかしいけど、駄々をこねたんだ。そしたらさ。
『アンタ、何寝ぼけたこと言ってるのよ!』
『そうだぞティーダ、お前だけの旅じゃないんだからな!』
ルールーとワッカに浴びせられる説教。
俺が我侭言ったらいつもこうだ。俺って、説教浴びせられるためにここにいるのかな…?
『さっさと行くわよ!ほら!立ちなさい!魔物が来たらどうするの!?』
ずっと俺だけに浴びせられる説教。
なんで、俺だけに…?
アーロンにはどうして怒らないの!?
どうして俺だけ怒られなきゃならない訳?
…アーロンだって…我侭言うことあるのにさ…

ーそう考えてたら、今までのストレスと怒りが爆発した。−

『アーーーーーーーーーーーーーーッ!!!もういやだ!こんなの!』

『!??!?』

俺が叫んだら、みんなビックリして、一歩後ずさりした。

『何で俺がいつも怒られるんだよ!!アーロンだって一人で勝手にどっか
行ったりして迷惑な時だってあるだろ!?なのに何で俺だけ説教な訳!?』

『ちょ…ちょっとアンタ…大丈夫?どうしたの!?』

ルールーがびっくりしてそんな一言を言った。

『アーロンが悪いんだ!アーロンが全部悪いんだ!!』
…気がついたら、アーロンのせいにしてた。…俺、子供みたいだよな…
『アーロンが自分勝手だから悪いんだ!!全部あんたのせいだ!』
…もうアーロンを責めるのはやめよう。そう思っても、どんどん言葉が出て来る。
止められない、何か、変な想いと…一緒に…
『いいかげんにしろよ!ティーダ!』
ワッカが怒ってる。でも、言葉は止まらない。どうしてかな。
『…アーロンなんか…アーロンなんか…っ…』

―どっかいっちゃえ…!―

その言葉を発したとき、みんな静かになった。それで俺は、やっと正気に戻った。
『…あっ……ご…ごめん…』

…気まずい雰囲気が流れて…みんな喋らなくなった。バトルのときも…
沈黙状態…俺のせいで…あれからアーロンは口も聞かないし…

…アーロンは、何も喋らなかった。俺が話し掛けても、何も…

『今日はここに泊まるぞ。』
宿屋の近くで、やっとアーロンが喋った。そこはワッカの嫌いなアルベド人がいる店だった。
『でも…これアルベド人の店ッスよ…?』
ワッカが戸惑ってるのに、アーロンは無視して、宿屋に入っていった。
ワッカも仕方なく、その宿屋に入っていった。

―その夜。―
俺は何故か…よりによってアーロンと同室だった。
…参ったな。何喋ればいいんだよ…どうしよう…
アーロン…きっと怒ってるだろうな…どうやって謝ろうかな…アーロン、
何したら許してくれるかな…?どうやったら…仲直りできるかなぁ?

気がついたら、アーロンのことばっかり考えてて、可笑しい位にドキドキしてて、何だか…今までに無い気持ちだった。

『…ア…アーロン…』
『何だ?』
俺が呼ぶと、すぐに返事をしてくれた。…少し嬉しかった。…
『あのさ…さっきの事なんだけど…』
『もう気にしていない。』
言いかけなのに、すぐに帰ってくる、『気にしてない』と言う言葉。
俺には解った。
アーロンは、さっき言った事、絶対気にしてるなぁって。
『アーロン…ごめんなさい。』
ヤバイ。泣きそうだ…どうしよう…きっと俺、すごく変な顔だな…今。
『ごめんなさい…ごめん…なさい…』
ずっと謝ってるのに、アーロンは黙ったままだ。
『ごめん…アーロン…嫌いにならないで…っ』
…嫌だ。
アーロンに嫌われるのは絶対やだ。
他の誰に嫌われたとしても、アーロンにだけは…嫌われたくない。
ずっとそれだけ考えてた。ずっと泣いてた。そしたらさ…
『…もう良い…謝らなくても良い…』
『…ふぇ?』
アーロンが俺を後ろから抱きしめた。
『ア…アーロン…?』
ドキドキして、心臓が破裂しそうな気持ち。いったい何なんだろう。これ。
『お前も説教されてばかりで、辛かったんだな。俺が自分勝手に動いても、
あいつらが何も言わないのに、お前が我侭を言うと、怒られるから嫌だったんだろう…?』
『……っ…』

さすがアーロン。図星だった。
思えばザナルカンドにいた時も、ずっと、俺の考えること解ってた。

『アーロン…怒ってる…?』
恐る恐る話し掛けた。
『さあな。』

アーロンは、やっぱり何も教えてくれない。
でもいいんだ。アーロンがいてくれれば。他の何もいらない。
…アーロンが欲しい…

…!?
何考えてるんだろう、俺…
『どうした?』
『えっ!?あっ!?何でも無い…ッス…』
『顔が赤いぞ…?』
『わーっ!わぁー!何でも無い!何でも無い!』
今、きっと俺は、耳まで赤い。恥ずかしい。
『俺に欲情したか?』
アーロンは笑みを浮かべてそんなことを言ったんだ。
『違う!違う!ちょっと考えてただけだ!』
『考えて赤くなるのか。お前は。』
『うっ…』
やっぱりアーロンは俺の考えを読み取ってる。
なんでかな。何で解るのかなぁ…?

『アーロン…』
『ん?』

不思議な感じだった。

『俺ね…あんたが…』

―好きだって言いたかったのに…―

『…やっぱりなんでもない!』
『…そうか。』
…言えなかった。

『アーロン、今日はごめんな。…おやすみ。』
『…ああ。おやすみ』

俺は、少し悔しくて、
アーロンと喋ってるルールーたちが少し気に食わなくなって、
それで、頭に来て、なのにアーロンのせいにしちゃったんだ。
コレって…何ていう気持ちなんだろう…

明日、アーロンに聞いてみよう!

―おしまい―


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