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White Christmas〜街に訪れた白い星々〜
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白く、冷たくも心に暖かみをくれる小さな小さな星が空から降りてきて機械仕掛けの街、ザナルカンドを白く染めていった。
寒さのためか人の動きは速く、恋人達で道はほとんど埋めつくされていた。
その中を、急ぎ足で駆けていく1人の少年の姿があった。
この寒い冬の季節とは対称に、小麦色に焼けた肌、綺麗な金髪の髪と快晴の早朝の空をおもわせる澄んだ青い瞳を持つ少年、ティーダ。
ブリッツの選手のため、今日も練習に精を出していたのだった。
家へと走って帰るのには、やはりそれなりの理由があった。
今日は、幼い頃から後見人として見守ってくれていた人(今は恋人だが…)であるアーロンが来る日なのだ。
12月ということも手伝ってか、街に溢れる恋人たちの間をすり抜けながら、彼は考え事をしていた。それは、『クリスマスプレゼント』のことだった。
アーロンは俺が欲しい物をわかってくれるけど、俺がするどくないのか、何が欲しいのかわかんねぇんだよなぁ
だからって、貰うだけってのはヤダしなぁ
ネクタイは去年プレゼントしたし……
キスしたりとラブラブな恋人達を横目に走っていると、ある恋人の会話が耳に入ってきた。
「プレゼントに私をあ・げ・るv 期待してねvv」
はたから聞けば、バカップルと言われるほどのラブラブぶりだが、ティーダは思わず足を止めた。
自分が…プレゼント……!?
もし、俺がそう言ったらアーロンはどうするかな?
クリスマスの雰囲気を出すために、ライトアップされた木々の下で少しの間そのことを考えたが、すぐにアーロンのことを思い出して家へと急いだ。
家(とはいっても船)に帰ると、すでに料理が用意されていた。
仕事ということでかれこれ2週間ぶりだが、変わったとこも無く今まで通りの様子だった。
こっちは、恋しくって仕方なかったってのに
このおっさんは……
自分の存在が、彼にとって大したことないようで少し悔しかった。
それでも、2週間ぶりということで、2人の会話は食事とともにはずんでいった。
後片づけも終わり、2人並んでソファーに座りテレビを見ながら、ティーダは『プレゼント』について考えていた。
何せ、あと3日しかないのだ。
心ここにあらずという状態に見えたので、アーロンは彼に声をかけた。
「どうした?」
へっ?と驚きながら顔を見てくる様子が可愛らしく、2人は唇を重ねる。
「悩みでもあるのか?」
「いや、ちょっと考え事。心配してくれるの?」
「大切なモノ……だからな」
2人はどちらからということなくキスをして、ソファーに寝そべった。
会えなかった2週間分の想いを取り戻すかのようにからみあいながら……
「クリスマスは、2人ですごそう?」
「チームで、パーティーがあるはずだが?」
「ぬけるからいい。
アーロンと一緒にいたい……」
顔を赤く染めながら話す彼にキスを浴びせながらアーロンは、わかったと返事をした……
時が経つのは速いもので、すぐに3日過ぎてしまった。
12月のメインイベント、クリスマス……
子供から大人まで、この日に降る白い星は嬉しいもので、神がもたらす『プレゼント』だった。
子供達は白い絵の具が街を染めるのを見て夜にくる人を楽しみにして、恋人達はその幻想的な雰囲気に酔いしれていった。
夜の街に絶え間なく降る星の明かりと街の明かりが、恋人達の時間が来たことを告げていた。
今夜は、2人でこの星の祝福でも眺めるか……
普段から可愛いがもっと可愛いに違いない
ティーダへのプレゼントを買うために街に来ていたアーロンは、家で待っているであろう彼のことを想い家に向かっていった。
一方、ティーダはアーロンより早く帰らなくては、と仲間と別れて家へ走った。
エイブスの皆も、もう仲が良いのは知っていたのですぐに解ってくれた。
もっとも、からかわれたが……
家に帰るとまだアーロンは来ていなかった。
明かりのついていない家を見て、よかったと思う気持ちと少しだけ寂しい気がしたが……
それから、しばらくして待ち遠しい恋人がドアを開けて現れた。
「おかえり&メリークリスマ〜スvv」
急に抱きしめてきたのにも驚いたが、ティーダの姿にはもっと驚いた。
たしかに家の中は外とは違い温かかった。
が、彼の姿はそれでも寒くないのか?と思うような格好をしていた。
『運命の赤い糸』というのを思わせるような真紅のリボンで留める露出度が高めの服を着ていた。
アーロンはその格好のティーダに理性を失わないようにしながらも、その衝動をごまかすようにキスをした。
「ああ、ただいま。…早かったな」
「だって、待ちどうしかったし……
それは?」
彼が持っている綺麗にラッピングされた箱に目がいった。
彼も、箱に目を移してからすぐに目の前にいる魅惑のサンタにプレゼントを渡した。
「オマエに、な」
わかっていたが、あえて言われて照れくさかった。
「サンキュー」
満面の笑みをうかべ、彼にキスした。
「で、その格好は何なんだ?」
「クリスマスにちなんで、サンタっぽい格好にしたんッスよ。
へんかな?」
心配そうな顔をするのも、アーロンにとっては誘っているようにしか見えなかった
「変ではないさ。よく似合っているぞ」
「本当ッスか? 嬉しい。
プレゼントに何がいいか考えてけどわからなくて……」
少し、間をあけてから頬を紅くしてこう続けた
「俺をプレゼントにすることにしたんだ。…アーロンの好きなようにして良いよ?」
彼が理性を保てたのはそこまでだった。
「あ、そうだ! プレゼントあけてみても……」
照れ隠しに慌ててそう言って振り返ると彼の顔がすぐ目の前にあり、驚く暇もなく舌を絡ませる深いキスをした。
クチュという音をさせて、離れたときティーダは何かを期待するような色っぽい表情をしていた。
それが、アーロンの気持ちをさらに高ぶらせた。
「先に俺のプレゼントを楽しませてくれ」
そう言って、2人は寝室へと姿を消した。
その後のことは、当の本人である2人以外は窓の向こうから覗いていた白い星々だけの秘密。
〜〜〜おまけ〜〜〜
ティーダはベットから重い腰をさすりながら起きて、近くの机においてある箱をみた。
「なあ、プレゼント開けてもいい?」
服装を正している彼の背中に問いかけるとすぐに「あぁ」と返事が返ってきた。
箱を開けると、ティーダが所属しているザナルカンド・エイブスのマークの形をした銀のピアスが入っていた。
「……サンキュー」
それ以降、ティーダはお守り代わりにということでそのピアスを常につけるようになった。
あの、『運命』ともいえるシンとの出会い、スピラの世界での冒険のときでさえも彼の耳にはピアスが光っていた。
ちなみに本当は、いつも傍に彼を感じていたいからだ、というのは彼だけの秘密だが……
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