絶体絶命日記 2005.5.1-31 青い水晶の嵐の年スペクトルの月6日 5月7日。 あ あ あ あぁ ぁ〜〜〜〜 青い水晶の嵐の年スペクトルの月10日 5月11日 「人は何のために生を受けたか、自問し続けてきた。多くは他の者に何事かをなすためと答えて満足しなければならなかった。またある者は与えられた命をより長らえる為にと答え、渋々生き続けた。 ある者は愛に答を見出し、ある者は何の答も得ぬままに死んだ。 目的のない命におのれ自身を見放して悪業を重ねた者もいる。 そして多くは答ともなりえぬ些細なことにおのが心を縛り付け、それにこだわることで何の為に生きるのかいう答に代えた。 だがどうだ、何のために生きるかとという答は、おのれの足元に置かれていたのだ。 赤子が這うはやがて立って歩もうとする気持ちからだ。爺婆が杖するは、老いたる先も立って歩もうとする気持ちからだ。そして人はみな、立って歩めたその日から、走ろうと欲したではないか。 綱を解かれた犬は一目散に走るだけではないか。 馬も牛もおのれの命を喜ぶ時はみな走るではないか。 飢えた獣はおのれの命を満たすために餌を追って走り、敵に逢った弱い獣もまたおのれの命を保つために逃げ走るではないか。 動けぬ草木は走るもの命を保つ糧となって助け、走るものの腐肉がその肥しをなった。 命の進化の窮極の形は走ることだったのだ。 俺には見えるぞ。このろうからあの世界の過去と未来が、途切れ途切れに脈絡もなく覗けるのだ。見ろ静海。人は未来でも走っている。 おのれが走るために生を受けたことに、まだ気が付かず、おのれに似たものを作って走らせている。 箱の形の車が走る。鉄路の上を長い箱が走る。水の上を滑る船が走る。 空を翼を広げた鉄の船が走る。 一層速く走ろうと競い合っている。光と等しく速くあろうと走る。 哀れなことだ。 おのれ自身が走ればそれですむこと知らぬのだ。 おのれが肉を脱すれば光より速く走れることに気づかぬのだ。 そして汚れたこの小さな星の上を、はかない工夫の限りを尽くして走り回っている。ばか者どものよ、死を欲せ。霊となれ。ただ死ぬだけで、その苦悩から脱することができるのだ。肉が滅して、霊が残ることに薄々気づいてから久しいというのに、まだわからぬか。一瞬の命ですら、その醜い肉でこの星が溢れ返っている事はわかっていように。 その肉が滅んだ後も霊がこの小さな星にへばりついているとなぜ信じたがるのだ。 瞬間の命でさえ、この小さな星には多すぎるというのに。 肉の滅んだあとの霊がへばりついているとすれば、いかに霊が形なきものとはいえ、この星はあらゆる霊に覆われ尽くしていようではないか。 肉を脱するということは星からも脱することができるということなのだ。 霊は走る喜びを得てこの果てしない虚空へ散っていくのだ。 光と等しく、極小の粒子となって、俺は行くぞ。このろうが閉じ切られる時、この星に命が生じて初めての、隊伍を組んでの霊の塊として、大日を乗せた船として、虚空を駆けに駆けて見せよう。」 「人はただ走るもの。ほかに何があろう。」 青い水晶の嵐の年スペクトルの月22日 5月25日。 営業が回って断られた所で、脈がまだあったところへ再度電話、あるいは直接ピンポンしている。 8割が断る。この前言ったようにうちは結構ですから。 そりゃそうだ。 要は、あの時は断ったが、気持ちが変わった、考えが変わった、状況が変わったという家が、50件に1件でもあるかもしれない。 ということで回るのだ。 しんどい。 確かにそんなこともあるかもしれない。しかし、「あるかもしれない」、なのだ。 それを当てに電話をかけ、ピンポンする。 1週間が長い。 長いぜ。 青い水晶の嵐の年スペクトルの月28日。 5月29日。 いい天気だ。これから走りにでる。ほかにすることもない。 出会い系サイトでも思うが、おっかない。 天気がいいから汗かいて酸素吸って、悪い気吐いて、気持ち落ち着けよう。 今日は朝の5時まで部屋の中をうろうろしていた。 ただウロウロするのだ。本棚眺めたり、床と天井見比べたり、いきなり明るくなった空に驚いたり。 下手すりゃ、鬱だぜ。 トレーニングは富士山用だからかなりハードだ。階段登りと坂道走。 だから楽しくやれるというわけではない。 それなりの心構えがいる。うんざりする。 まぁ、それがいいのだが。 発散できる。よどみが消える。気が流れる。気が晴れる。 終れば酒もうまい。それで体は強化されている。悪い事ではない。 破滅の先送りという感じはするが。 帰ったら酒飲んで、歌でも歌おう。カラオケ行きたいが、行きたい行きたいと思ってもう2年。金もないし、一人でオヤジがカラオケで3時間4時間というのも恥ずかしい。 1人で部屋でギターでいいだろう。 S&G、スピッツ、オフコース。 夜遅くなるとガンガンできなくなる。 2時にでて、階段登り、1時間、坂道走75分、つなぎで30分。 帰って、5時。 酒飲みながら、歌おう。酔っぱらおう。酒は原酒ふなくちダ、濃い酒。 高いけど。今日はいいだろう。 なんせ夜が明けるまで部屋の中うろうろしたのだ。許そう。 いい天気だ。 陽の光だけでもほっとする。 |