絶体絶命日記 2001.9.1−9.31

 

9月2日。日曜日。

 

思想,哲学を持つことの困難な時代.

神,人を超えた大なるものの大きな手を実感できない時代,人との関わりが安らぎにつながらず,苛立ちと不安しか生み出さない時代。

 

良いこと無い時代。

 

加えて47歳,独り身。さらに貧乏。

 

これはキツイゾ。

こうなったらやっぱあと3年だろ。3年やって同じならお終い。

 

これだろ。

 

深く静かに受け入れる。

押し寄せる流れを受け入れる。

両手を広げ,受け入れる。

 

時を沈める。

ゴツゴツとした時を心の底に沈める。

 

 

溶かす。

体を太陽に広げ,溶かす。

やがて,きらきらと小さな輝きが生まれる。

新しいしなやかな力。

その力を力のままにする。

力は伸びていく。

 

 

 

閉ざさない。

拒否しない。

受け入れる。

受け入れて生まれるものを待ち生まれたものを育つままにする。

その為にエネルギーを拒否のために使わない。

 

 

9月4日。火曜日。

 

きついぞ。

会社きつい。

生徒の数増えない。

このままでは来年が見えない。

といってビラ配り,生徒の家庭訪問,友達紹介,非会員のピンポン訪問,これも埒があかない。

といって何もしないのもまずい。

ビラ配りをまずは続ける。

週に500を配る。

 

しかしどうなるのか。

この年でリストラか。しかしここは年齢,性別での給与の差はない

だが不安。

と言って上司達言ってるほど,あわててもいない。談笑などしてる。言ってるだけか。しかし実際全体を見ても数は増えていない。

不安。

 

9月6日.木曜日.

 

上司にいきなり,いよいよとなったら教室もっていっていいよ,と言われる.

彼なりの思いやり.

しかしいよいよとならない限り,子供に迷惑がかかるという場面にならない限り,動くまい.

子供達が放り出されるようなことになるのなら,引き受ける.責任だ.

 

もっともそんな事も無さそう.

経営母体が替わるだけのようだ.

しかし覚悟はつけよう.

迷惑がかかる時は動く.

 

9月7日.金曜日.

 

明日中1野球部面談.

夏の間無料体験授業.本人も両親も入る気.あとは費用をどう見るか. 高いか安いか.

 

昨日突然母親が教室に.中2のやはり野球部,成績最悪.卒業生に教えられて来てみた.

無料体験を言う.

来週来ると言う.

 

電話で問い合わせ.まだ無料学力診断をやっているかと.

6月に周った所.

 

この3件が実れば今後が見える.

一番いい方に流れてくれ.

流してくれ.

 

9月8日土曜日.

 

野球部の子の父親と面談.

オーケー.

良かった.

増員.

いい子.面白い子.

ホッとする.

こうやって増やしていく.少しずつ増やしていく.

 

9月13日。

 

PC壊れた。

電源が入らない。アダプターは5月に替えた。バッテリーか。

ヨドバシに聞くと、バッテリー入荷は11月!

状況を話すと、バッテリーではないかもしれないということで、NECに持っていくと、アダプタでもバッテリーでないとのこと。

基盤か電気系統の故障。基盤であれば3万。電気系統であれば1,5万。

2週間かかるという。

 

今月は定期で3万、その上これではやってられん。何てことだ!

 

しかししょうがない。しょうがないだろ!

修理に出した。

ついてない。

9月14日.

 

日本の対応.

アメリカと一緒になって攻撃するのではなく、あくまでも憎悪の連鎖を断つための方法を考え、実行すること.

 

 

アメリカの怒りと、悲しみはわかる.

だが今回のこの自爆テロを新たな21世紀の戦争と捉えるのではなく、ここでなぜイスラム社会が自爆テロの道しか選べなかったのかをアメリカは考える.世界が考える.

一人一人が考える.

そしてこの機会を、新しい平和構築の第一歩と考える.

 

アメリカが真に世界のリーダーとなりたいのなら、やられたからやり返すのではなく、ここで堪え、これまでの外交を考え直し、怒りと悲しみを耐え、新たな平和を築くために,新しい世界の秩序を築くために報復をしないことを表明する。

それは夢物語でしかないのか.

 

やられたからやり返す。

そこから憎しみと悲しみしか生まれなかった事は、いやというほど我々は経験してきたはず.

これまでの経験は、歴史は何の為だったのか.

ここで報復をせず、この自爆テロがなぜ行われたのか。

なぜこれしかなかったのか.

 

国連なら国連という場で、話し合いはできないものか.

難しいだろう.

それはわかる.

だが、

だが

9月16日.日曜日.

 

連休.

もともと休みは取ってないから連休は嬉しい.

そして月300`を目指しての9月だから、走行距離を稼ぐ連休.となる。

そして実際二日とも午前午後、計4回の走り.

目的達成.見事だ.

そしてだから何?となる。

 

寂しいね.

誰かと話したいね.誰かを抱きしめたいね.

誰かに抱きしめられたいね.

そんなのもう20年以上ないもの.

 

よく走れば走るほど虚しくなるね.

しかしそんなもんさ.

人生ってね.

 

そお、そんなもの。

9月18日.火曜日.

 

9月危機.

しかし来月の遠足は行われる.ということはまだ10月はあるのか.

しかし新しい商品、ネット英会話.これを広めていくしかないのだ.

悪いものじゃない.それほども高くもない.

これをしっかりやる.

仕事する.

あと、子供とのファックス授業.これをサービスで行う.

 

気が晴れない.

もう47歳.

 

考えると眠れない.昨日も4時頃まで寝たり起きたり、部屋のレイアウト変えたり、戻したり.

よく耐えている.

バランスだ.

リラックスしてバランスをとる。

いつかいい事やってくる.

いつかいい子とやってくる.

 

9月19日。水曜日。

 

9月危機。続く。

 

教室見学の小6女の子。

来週から体験授業。

教室の来れる時間に女の子がいないので、本人乗り気薄。心配。

母親はその気なのだが何とか入ってくれないか。

 

祈ろう。

 

9月20日。木曜日。

 

新しいネット英会話。これを売らなくてはならない。電話で言うだけでは弱い。

ちょっと今まだいいです。で終わる。家庭訪問をしてがいい。

だがそう何回も家庭訪問もできない。

 

何気なく行って、ちょっと近くまできたので、そうそう今度新しくネット英会話っていうのができて……

 

ができればいいが、できない。

もともと人と話すのが苦手だ。子供ともなら良いが大人とはいい。

だからこの仕事やってる。

 

だが今回そうも言ってられないのだ。

3月からピンポン訪問やっている。

そしてここにきてそこそこ動き始めた。

夏から動いて現在まで5名入った。まだ5,6名入る可能性はある。だが他教室も動かなくては会社は動いていかない。

だからやらなくてはならない。憂鬱だ。

まったく憂鬱という字も憂鬱だ。

 

この春から気が晴れることがない。

走ってるからなんとかもつが、なければどうかなってる。

 

9月22日.土曜日.

 

とうとうなんも分からずにADSLとマイライン申し込む.

安くはなるんだろう.今は電話1万円,

プロバイダ3000円,計1万3千円払っている.

これがスーパー健太君とフレッツの常時接続で,7000円以内には落ち着くはずだ.はずなのだ.期待している.

 

しかし,だ.,

 

何だCDROMが送られてきて,何だ?ランカードに,なんとか10ベースPケーブル?モデムにスプラッタ.スプリット?

 

それをお客様がするのか?

俺か?お客様って.

 

できるかよそんな事.

やってもらうと金かかるんだろなと思い,一生懸命聞いた.若い女の子でその子も一生懸命説明してくれた.

でもこっちは何のイメージも湧かない.イライラするばかりだ.

 

マニュアルがありますから.

 

きっと分厚く貧しい日本語のマニュアルなのだろう.

 

うんざりする.

うまくいけば10月2日に開通するらしい.

うまくいけばだ.

 

だが節約は緊急事項.

やるしかないのだ.

 

9月23日.日曜日.

 

雑誌買ったぜ.

 

 

「パソコン,Q&Aマガジン」 学研.

「ADSL! でも分からない!」

 

 

読むと,何だ! 「ホームセール型」

 

これ選択の中にあったようだ.これ選ぶともっと安くなったのか.あっさり,フレッツはまずかったか.

 

しかしもういい.もういいのだ.めんどくさいし分からない.

フレッツでいく.いくぜフレッツ.あんたと心中.

まずはランカード,ランケーブルとを購入.

こっからだろ.

ADSLは.

がんばるぞ!

 

9月26日。水曜日。

 

会社土曜日から3連休だった。

10月には4連休がある。

 

よく休むよな。

いいのかよそんなに休んで。

 

もっとも年間の休みで決まってる事だから今更変えることはできないわけだが。

 

こっちはそんな休みは取らずに教室は開けている。

生徒たちに学習時間は多いにこした事は無いし,月謝の事を考えれば指導時間は多いほど母親も納得する。だから休まない。会社の指定の休みにも休んだ事は無い。これは17年間ずっとのことだ。

 

会社けっこう厳しい状況なのだったら休み返上もあるだろうと思っていたが,ちゃんと休む。

 

平気なのかね。

 

それに例の英会話ネット授業。

 

これもあまり強く言われない。

 

危機回避したのか。

 

ただ会社のコンピュータがニムダ(だっけ?)に感染したので,ワクチンプログラムを家庭訪問してインストールするようにと言われた。

 

つまりその時に英会話ネット授業を勧めろという事だと思うのだが,それらしい押しが無い。

 

ぼくは一人でネット授業のお知らせの文章を大量コピーしたが,誰もほかにそんな事していない。

 

それを勧める言葉も上司からは無い。

 

切羽詰ってはいないのか。

 

まあいい。それならそれでいい事だ。

 

だが全体的に見て,必要な事ではあるだろう。

やるよ,しんどい事。

一人でもね。

 

9月27日。木曜日

 

ぼくを含め勤続15年以上の4人が,緊急召集を受けた。

明日の12時だ。

 

何だ?

 

リストラか?

 

あるのかそんな事?

 

冗談じゃない。

 

人数の少ない教室は他にもある。

それぞれ受験,イベントで社の中心になっているメンバーだ。

勤続給だって1年で2000円が上がるだけだ。

切られるのか。

まさか。

 

だとすればひどい話だ。

酷すぎる話だ。

ここにきて,どうなるというのだ。

 

9月28日。金曜日。

 

とりあえずリストラではなかった。

長い人は率直に話せるから,という事だった。

 

良くないようだ。

 

これまでは経営が悪い所は良い所が補填,悪い教室は良い教室が補填してきた

それを無くすという事だ。

淘汰に任せるということだ。

 

他の教室がぼくの教室と同じようであればいいんだが,と言われたので,ぼくの所はいいらしい。

 

だが悪い所があれば全体が悪くなる。

そして状況は良くない。

 

10月からは給与体系が変わる。

基本給のみになるらしい。

プラスは自分で稼げということだ。自分なりの販売計画をあげるようにと宿題があった。

 

新しい企画を教室で行っていかなくてはならない。

 

サバイバルだ。