絶体絶命日記. 5月1日〜31日. 5月1日.火曜日. 相変わらずゴールデンウイーク. 本を読み,走り,「読解・作文教室」を考え,昼ね.これが結構寝てしまう. 日頃の疲れが出ているのか.チラシ配りの疲れが出ているのか.恐らくそうだろう.倍働いていたわけだからな. 誰とも会わない.いっか別に. しっかりと勉強.しっかりと考える.小泉内閣は大丈夫か.時代はどう変わるのか.どう教育は変わるのか.どうすれば小中学生が幸せになれるのか. 私如きが考えても,ではなく,しっかりと考える.自分の問題だ. それを考える.このゴールデンウィーク,しっかりと過ごす. 5月6日。日曜日。 低周波音きついぜ。 これは耳栓ではダメ。よく聞こえる。しかもこれなんだか分からんが、右耳での音が、音程を変える。調べてみたいが暇がなくしていない。 2つの音を1秒に2往復で変わり続ける。さらに時々3、4往復変わると絶えられない。短い時間で音が変わる。これはもう寝ていられない。 さらに今度はシーンをいう音が頭の中に広がる。うるさい。 これ何? このままだといっちゃうよ。 苛ついてぶち切れるよ。いいのかな。こんな所から来るかな。 意外な伏兵。もっと時代の狂気が正面から攻めてくるかと思ったが、耳鳴り? こんな事で消耗し、狂ってくるの? こんなんでだめになってくの?これが俺の人生? まずいぜ。 そこで、安眠テープを考えた。耳栓ではダメ。音のカットがダメなら音に音をかぶせる。 そこで安眠テープ。そういえば昔メディテーションレコードというのを買った。 実家に帰ったのでみてみるとあった。しかしこれ、レコードで、プレーヤーがない。 そこで街へ出て安眠テープ探すと、みんなクラシックからのチョイス。それらしい音楽をセットして安眠を画策。 あるいは滝の音、鳥の声。波の音。ヒマラヤの朝の音。 夜、ヤフーショッピングでアジアの喧騒の中に安らぎをというCDがあったのでこれをネットで注文。 あとはクラシック頼み。両面攻撃。 古典の力を見せてくれ。と思ってたら、おやじの持っているクラシック全集のプログラムの中に、記憶力アップのために、頭痛、胃痛、腰痛、のためのクラシック、やる気回復、死にたくなった時の、意志力を強めるための、恋を成功させるための、失恋した時の,の中に、心地よく眠るためのというコーナーがあった。 そこでおやじとその音楽をテープにとった。 ショパン、ドビッシ−,サッティ,ラビェル、バッハを入れる。 これを聞いて熟睡。 熟睡。熟睡。熟睡。熟睡。熟睡。熟睡。 5月8日。火曜日。 シーン。シーン。どこまでも均一に広がっていく音。 完全不眠。 これはまずいだろう。このまま続いたらおかしくなる。シーンの向こうに低周波音? どうも分からん。 う〜〜〜〜んという音。そいつも聞こえる。 話している時は気にはならない。相手の話を聞いているときも。合間で気にある。 こんな事起こるとは思わなかった。 もっと正面切ってのシリアスな病気だと思っていたが。 耳鳴り。不眠。どこでどう直る。 安眠テープ。 枕も変えた。 磁気敷布団も変えた。 あと玉ねぎに変わる睡眠に誘ってくれる何かのにおいL。 あと何だ? 授業だけが頼み。楽しい。特に小学生、中学1年。毎日がまだ新鮮で楽しく、色々反応できて、考えて、感じられる時。教室の様子、一日の出来事の発表を聞くのは楽しい。また聞いてあげることが必要。 しかしむしろそれは中2、中3こそ必要かもしれない。勉強全然ダメ。彼らからこそ色々聞かなければ。 5月10日。木曜日。 石原慎太郎、田中康夫、小泉純一郎、田中真紀子、物議を醸す人を支持する。 5月11日。金曜日。 ガチャ玉で取ったスーパーボール。これを四六時中足裏で転がす。安眠のツボ、失眠。 こいつを刺激、これいいみたい。わりと寝てるぞ。眠れる眠れる。自己暗示。自己暗示。 マジックリスニング購入。 5万。 英語の子音、高周波の音、これを聞き取れるようにするためのCDトレーニング。 12日続ける。1回50分は長いが、右に左に飛び回る音を聞くのは面白い。 どうなるのか。 5万だからな。あと11日。これで突然英語耳になるのか。面白い、 どうなるのか。 5月12日。土曜日。 眠いぜ。 酔っ払って寝るのが一番。シー――――――ンと響き渡るぜ。 ぐっすり眠る。ぐっすり眠る。 ぐっすり眠りたい。 世の中相変わらず狂いまくっている。長い間のストレスが簡単なきっかけで噴出し目の前の他人を殺す。親も子を殺す。 正気を保つ。黒いものを黒く見、白いものを白く見る。 この当たり前の感覚を当たり前の自分の感覚とする。 それが難しいことを35年前に思った。 テレビだ。 テレビによるマインドコントロールが始まった。 テレビのホームドラマ、そこで親と子の、友達との、親戚のおばさんとの、学校の先生との、赤の他人との、けんかの仕方、仲直りの仕方、悩みの悩み方、挨拶の仕方、新聞の見方、怒り方、泣き方、笑い方、恋の仕方、裏切り方、信じ方、夢の見方、挫折の仕方、それをそれと知らないまま、例えば、「バス通り裏」とか、「7人の孫」とか「青春とは何だ」とか「肝っ玉母さん」とか「ありがとう」とかどこまでもくだらない番組で、しかしそうとは知らぬまま見てしまい、当たり前の感覚をねじ曲げられた。 恥ずかしかった。まともに見られなかった。顔しかめてる事知られてはいけなかったから、楽しんでる振りしてて、恥ずかしさ耐えていた。 おそらく日本中そうだったはずだ。 これは違うと思いながら、批判、否定は表立ってできないというだけの理由で、結果として支持していたはずだ。 それがそのまま続き、心の微妙なたゆたいを感受できない、鈍感な感受性が日本中に広がり、繊細な感受性は暗い、根暗といわれ、否定されるべき感じ方となった。 人はいつも前向きで、明るく、善なるものなのか。 違うだろう。 人は弱く、暗く、悪く、もろい。 だがしかし、人は強く、明るく、強い。 まあ、それをテレビに期待してもしょうがなかったのだが。 5月13日。日曜日。 カレーとトン汁。同じ食材をルーと味噌で変える。この2食で4年。 しかし材料は豊富。ジャガイモ、人参、ピーマン,なす、シイタケ、トマト、ご飯は玄米、それに黒胡麻、そして卵と豊富なはずだ。トン汁では納豆プラス。 さらにヴェジタリアン返上で今は豚肉も入っている。 それにさらに今日、豆腐が加わった。 これいい。感じはマーボ豆腐。カレーに豆腐。 意外と盲点だった。 生徒からのアドヴァイス。 ただあともう一つのアドヴァイスは、牛乳。 さらにカレーに牛乳を入れられるか。今週中にチャレンジ。 これからマジックリスニング。50分の異次元ワールド。であればもっと飛びまくっても面白いのに、でもこれ結構あきない。これで英語聞き取れるのなら御の字。でも5万だからな。 5月14日。月曜日。 子供たちがいなくなったら、いてもしょうがないだろう。 四国88ヶ所めぐり。お遍路さん。 いや四国を走る。ぐるぐる走る。 老いて、死ぬ。 四国の深い森の中、白骨死体が太い木の幹を背に。 死んでるんだわ。一人でね。はは。 5月18日。金曜日。 眠れている。 2時間ビラ配り訪問。汗だらけ。 授業やって帰ればクタクタ。 ぐっすりよ。寝ちまうよ。 マジックリスニング中もウトウトしそうになるのを堪えて、50分聞く。 そのあとはぐっすり。 安眠テープ、アジアの音。オンしても聞いた覚えない。あっという間に寝ているのだ。 いい事だろう。少なくとも不眠症は治った。体をクタクタにしてしまえばいいのだ。 5月20日。日曜日。 中学からの友人が来た。1年ぶりか。 この前は太ってた。今回はやや痩せて、頭が薄くなっていた。 目の前周りにはしわ。 まあ、俺の方が若い。しかし4人の子持ち。一番上は今年浪人という。たいしたもんだ。 こっちは一人身。接する子供の数はこっちの方が多いが、しょせん人の子。 比べれば責任もない。のんきにやってる。自分の子となれば苦労も多い。頭も薄くなるだろう。 とはいってもバイクで来た。横浜から2時間かけてきた。ゴールデンウイークは伊勢に7時間かけて夜中3時に帰ったという。 バイクも紫ででかいやつだ。 ファッションはどうしようもないが、バイクにまたがると様になった。 カッコよかった。 46歳、4人の子持ち、バイクでブルンブルンと帰っていった。 5月23日。水曜日。 マジックリスニング。12日完了。今NHK英会話聞いている。 う〜〜ン、聞こえているのか。以前より英語は聞こえているのか。 聞こえていない部分が聞こえているのか? いや実は結構酒飲みながら聞いていて、所々うつらうつらしていたから、効き目が弱いのかもしれない。 もうあと2日間。 しっかり集中して聞こう。 あと2回だ。これで突然聞こえてくるのだ。くっきりと聞こえてくるのだ。明瞭にクリアーに聞こえてくるのだ。 楽しみだ。ドキドキしてくる。 頼むぜ。 5月24日。木曜日。 なんだかな。 突然聞き取れるようになったか? よおわからなんな。 でもNHKの落語家ビル君の日本再発見はなんかえらくゆっくりしゃべってるように聞こえるけど、これって聞き取れるようになったからか? ン〜〜〜〜〜ん,そおなのか? そう思ってしまおうか。 そう思いたいもんね。 ン〜〜〜〜〜ん。かっ? 5月25日。金曜日。 疲れる。なかなか当たりがでない。 1時間びっしりで拒否と留守のみ。 つらいぜ。 5月26日。土曜日。 田中外相, 「互いにしっかりと目を見詰め合って話し、友人になれたなら、相手の国に爆弾を落とそうとか、困っている時に援助をしないとは思わなくなるはず。」 実にロマンチックな言葉だ。 戦争はそんなセンチメンタルな感情とはいつも異なる次元で起こり、続いて来た。 人間の人間らしい感情を無視した戦争だからこそ、戦争を人は捨てる事ができない。 悲しい性。 身を捨てて人を助ける優しさに、人を殺さずにいられない。 思いやりの心が嬉々として、闇の穴に人を突き落とす。 天使だからブタになる。 ブタだから天使になる。 殺意と自滅の心を持っているからこそ人は愛を語れる。希望を望める。 裏切りと残虐な心が人を抱きしめる。 苛立ちと絶望がそっと手を握る。 そして互いの裏切りに微笑み、安心し互いを食いちぎる。 互いに頭を振り合い、互いに肉を食いちぎり、食い散らす。 これ以上はない喜び、互いを飲み込み、食い終わった時、消える。 喜びと悲しみが静かに地上近くを漂う。 ゆっくりと漂う。いつまでも漂う。 いつまでも、だ。 そしてだからこそ、田中外相の感傷が、今政治に必要になる。 5月29日。火曜日 きついね。 今、NHK、プロジェクトX、クロネコ大和の宅急便。 ドライバーが地道地道の営業活動。そして遠い過疎地への需要開拓。 倒産目前の大和が生き返る。 今俺らがやってるのも同じ。 教師だぜ。 16年、情けない給料でやってきた。人には言えないぜ。 そして今ピンポンやってる。 結構です。忙しいんで、ガシャ。いやな音だよインタ-フォンの切れる音。心にグサッだぜ。 で俺達はどうなるんだよ。 正直者は報われない。 ってか? 5月31日。木曜日。 夜泣いた。 嗚咽漏らした。 涙が出た。 届かないもの、ある。 どうしようもない事、ある。 |