鉄甲機ミカヅキ 序夜 巨大ロボット出現 日曜の4時に制作費10億円超ロボット特撮アクション巨編。ということで見た。 やっぱ金かけてるわ。CG使いまくりで、細かなこだわりも十分。 しかし当然今金かけて人に見せようというのなら、「エヴァンゲリオン」への批評がなくてはならない。 「エヴァンゲリオン」ではシンジ達は、母親の胎内にこもり戦った。だから時に母の愛は盲目的に暴走し、しかし我が子の命は守り、敵を倒した。次にシンジ達の戦った敵使徒は、兄弟ではあるが他人だった。 今回の「ミカヅキ」では、風雄が乗る巨大ロボットミカヅキは父親のようだ。 また戦う相手イドムは人の心の邪の部分らしい。 シンジ達は母親の力を借り、他人と近親憎悪的に戦った。 そして最後は分り合えない他人との日常生活をあえて選び、他人と分り合えない自分自身を捨てることをしなかった。 しかしそれはなんの解決にもならなかった。 もちろん自我を溶かし込んだ「大いなる一つ」を拒否した意志は、人間の最後の尊厳を守りはした。しかし孤立と孤独はこれまでと同じだった。もちろんそれは自ら選び取った名誉ある孤立と孤独でその限りの意味はあるにはあるが、それが新たな進展を生むことはなかった。 劇場でスクリーンに幕が降りていくのをじっと見つめ、やはりまたあの現実に戻るしかないのだなと誰もが苦々しく思ったはずだ。 そして今回、主人公は父親と共に自分自身の邪と戦う状況へと移ったようだ。 これは何を意味するのか。 父性の復活。 社会性、論理的整合性、意志、合理性の獲得。 情より筋道だった冷静な対処。 個々の感覚、感情の重視から、普遍的、他と通じ合える共通の言葉の重視。 と色々言えるのだろうが、しかし母から父へと簡単に移る事はもうできないだろう。 恐らく必要なのは母親的父親。 これだと思う。 次回11月25日。とりあえずまた見てみよう。 でも展開の早さ、リズムは良く、ビデオにとって一気に見た。面白かったよ。 |