イジメはなくなるか?   14

 

合宿で作文コースを持った。

そこで,「イジメはなくなるか」をテーマに書かせた。

実に簡単にみんな書いた

イジメはなくならない。

それは本能,人間の心理にあらかじめプログラミングされた書き直しのできないもの。

イジメは楽しい。

 

だから人間をリセットするしかない。

積み上げた積み木は,全部一気に叩き壊すしかしかない。

 

 

 

いいね。その通り。

人間は天使にもなれれば,悪魔にもなれる。

 

天使の狂気,悪魔の優しさ。

 

ようやく今,人間の不思議を,人間の複雑を,人間の屈折を,人間の愚かさを,概念からではなく,自分の感覚として日々実感できる子供達が生まれた。

それは身を切る。それは自分の身を切る。そこからは真っ赤な血が出る。

 

毎日毎日,真っ赤な血を出しながら生きる子供達がいる。

それが生きる事だ。

 

生きてもいない大人は口を出すな。

 

イジメ,イジメられる子供達を,哀れんではならない。問題視してはならない。

まして同情などしてはならない。

 

彼らはこれまでの日本人が経験したことないとてつもないハードな人生を生きている。

熾烈で苛烈で残酷で想像を絶する人生を11秒生きている。

 

大人が想像もできない,深い深い人生を生きている。

大人が一生かけても経験できない深い人生の真理を経験している。

 

大人は脳天気に毎日を浪費している。

子供達こそが人生の真理を日々学んでいる。心の戦争の戦士達。

 

大人は黙って見ているしかない。

大人は何も知ることができない。大人は場を用意することしかできない。

子供達が真理を知るための魂の修行の場を用意することしかできない。

 

大人は何も知ることができなかった。

血を流し子供達は生きている。

彼らは大人が知り得なかったことを知る。

 

彼らの自滅。

それをできるだけ,できるだけ,避ける。

それが大人にとってできる唯一の事。

 

たった一つの事。

 

たった一つの事。

                            2001.1.4