夢日記  2003.5.1−31

赤い惑星の月の年 スペクトルの月11月4日.

5月5日.

 

仲間と青い液を奪う.方法は体育祭でごった返す中、同じものと摩り替えるのだ.

入ってきたモノレールに乗る.

ぼくはモノレールを運転する.運転の仕方はわからないがぼくの役目だ.

見るとレバーを上げ下げするだけの簡単なものだ.ドキドキしながら運転をする.

 

青い液を奪う.たて1m、よこ4メートルのエアマットのような物に入っている.

代わりにニセの青い液を投げ込む.

 

次は青い液の輸送だ.

細かく分け全員でリュックに入れ、歩いて運ぶ.

ぼくはリュックの中に入れるが、リュックの中に何かが足りない.

他の子と比べると確かに何かが足りない.それが何かはわからない.

方向を確かめて全員で歩き出す.

赤い惑星の月の年 スペクトルの月11月5日.

5月6日.

 

地下街の人ごみの中、大声で叫ぶ子供の声がする.

明らかに精神のバランスを失っている子だ.

他にも何人かいる.

そうした子供たちのレースがある.地下街を何周かするのだ.

 

ぼくは彼らをサポートする.それが役目だ.

ゴール地点で待つ.

まず戻ってくるかどうかが心配だ.

ぼくはやきもきしながら待つ.その中でもとくに一人が、キツイ.

 

叫びながら走っている.

みんな変な目で見ている.その中を走るのはしんどい.

ぼくはコースに出る.

人ごみの中を捜すのは大変だ.

ぼくは屋上に上る.

中央には池がありその周りを子供たちが走っている.

一人がゴールした.

「オレはやった.増毛を続けるぞ.」

と叫んでいる.

気になっていた子もにこにこしながら、走っている.

ぼくはホッとしている.

 

赤い惑星の月の年 スペクトルの月11月6日.

5月6日.

 

何気なく描いた自分の左手.

思ったよりうまくかけたので、線を加える.

次第に手は大きくなって、ぼくはさらに指紋の線やふくらみの陰影をつける.

実物大になった手が画から抜け出、伸びをした.

ぼくはその手を廊下の端において、男をびっくりさせようと思う.

男がやってきた.

男は飛び上がって一歩下がりぼくは手を叩いて喜んだ.

 

なだらかな芝生の斜面を利用したぼくの新しい部屋だ.母親が作った.

広い芝生の上に、大きな書き物机、細長い机、幅広い机といくつかあり、ぼくの本が並べられている.

インテリアとして、昔の交通標識、郵便ポスト、水道栓、マンホールの蓋が並んでいてレトロな雰囲気でいい.

 

隣にはビルの屋上が見えているので、ここは高台にある.見下ろしてみると線路が通っている.おふくろと一緒に降り電車に乗る.

駅は次が終点で、窓の風景が一気に変わる.外はごちゃごちゃとした小さな店が並んでいる.ジーパンの店、アクセサリーの店、ステッカーの店、靴の店、そしてずらりと大きなピンポールの店が並んでいて、ゲーム機が廊下に雑然と並んでいる.

天井からは巨大な黒のブーメランがぶら下がり風にゆっくり揺れている.

金色の3メートルほどの長いコイルがボワンボワン揺れている.

ぼくは母親と駅に戻りカレーを注文する.

カレーは直ぐに出てきたが、3口ほどしかなく、さすがに320円のカレーはこんなもんかと思う.

 

二人は古い銃口の長い銃をこめかみに当て一気に引き金を引いた.

こめかみから細い血が流れている.今度はぼくだ.

だがぼくは引き金を引けない.その家は中国人の家で、12、3歳の女の子がいた.その子のおまんこにキスしながらなら死ねると思い、少女に頼むと少女は恥ずかしそうにうなずいた.

だがおまんこにはラーメンのかすのような物がたくさんついていて、ぼくは引き金を引く事ができない.

 

ぼくは生きる事に決めた.

急いで二人を助ける事にした.

直ぐに電話をかけ救急車を呼ぶよう少年に頼んだ.

少年はどこにかければいいと聞くので、119だと言ったがここは中国だ.

とにかく警察だ.警察に電話してけが人がいると言ってくれと言う.

ぼくは二人を抱きしめる.

 

目の前に二人の上司が現れ、二人の働きが悪かった事を非難し始める.

男が激怒した.

そのとたん血が吹きで仰向けに倒れた.

ぼくは男を抱きかかえ、電車に乗る.外から見える景色の中に病院の看板がある.とにかくそこへたどり着かなければ.

赤い惑星の月の年 スペクトルの月11月12日.

5月13日.

 

5,60人の男たちの集団.応援団.

その一糸乱れぬ動きの中に,子供が入ってきた.

精神のバランスを欠いているようだ.

へらへらと笑いながら入ってくる.

応援団の男たちは踊り始めるが,その中へ子供が入り込み,その度に踊りが中断される.

男たちはその子供を追いかけ始めるが,子供はへらへらと酔っ払いのようにフラフラとしながらも,機敏に確実に逃げていく.

だが笑いながらもその子はぼくに助けを求めているようだ.

階段を上り,降り,長い廊下を走りながら,ぼくは彼から言葉を聞こうとする.

それは男たちが必要としている言葉で,ぼくがその言葉をまだ聞いていないのに今度は男たちがぼくは追いかけ始めた.

 

ぼくは長い廊下を走り続ける.

赤い惑星の月の年 スペクトルの月11月15日.

5月14日.

帰ることになった.バッグがずらりとおいてある

大きなプールにずらりと並んでいる.だが雨が降ったのだ.

水の中にバッグが浮かんでいる.

ぼくは驚く.だがぼくのバッグは別の場所にあり,ホッとする.

 

知った顔が並んでいる.

ぼくが気になっている子もいる.

「この歌を何年生のために歌います?」

ビリーバンバンの「白いブランコ」がカラオケで流れ始めた.

曲が始まる前に答えなければならない.

「小学校の3年生だ」

ぼくは答え,歌い始める.

 

歌が終わった.

酒の入ったコップを彼女が渡してくれる.

ぼくは受け取る時わざと彼女の指に触れた.

別に彼女は拒否しない.

 

1軒終わった.帰るかと思ったら,そのまま向かいの別の飲み屋にみんな入っていく.照れて笑っている.

今度は鍋だ.ずらりと鍋が並んでいる.

ぼくは後輩の分も払うつもりでいる.

3500円のうち2000円を払うつもりだ.

 

赤い惑星の月の年 スペクトルの月11月17日.

5月18日.

 

車の行き交う通りの端で多くの人たちとともに,寝転がっている.

それは何かへの抗議の行動だ.ずらりと並んでいてそれが何かの意思表示になっている.

終わった.

みんな帰っていく.ぼくはそのまま帰るのが不満だった.通りを歩いていく.

センターラインにコンクリートの壁が立っていて,道の上下は仕切られている.

坂になった道を下り終えた頃夜になった.ぼくは泊まる場所を探すが宿はない.

ぼくのとなりには女の子がいる.手をつないで歩いている.

 

1件のアパートがあった.階段を上ると各階にドアはなく,中が見えた.

無人の部屋があったので,ぼくたちはそこに入った。

6畳一間の部屋で,明るかった.

ぼくたちはそこに入ると抱き合った.女の子は喜んでいる.ぼくも嬉しい.

 

やがて階段を上る音がした.時計を見ると8時で,きっとこの家の住人が帰ってきたのだとぼくは思い,急いで部屋を出た.

丁度部屋を出る時住人とすれ違ったのだが,ぼくは急いでアパートを出,道を駆け上った.だが直ぐに後からやって来た3,4人の男たちに捕まった.

勝手に部屋に入っていたのだからしょうがない.ぼくは謝ろうとしたが,女の子がポケットからナイフを取り出し男たちに向けた.ぼくはその健気な姿にちょっと驚き嬉しくなった.

だがここは問題を大きくする事はない.ぼくは20万ほどお金を持っていたので,これで何とかしようと思った.ナイフが小さいが,光っている.

 

赤い惑星の月の年 スペクトルの月11月18日.

5月19日.

隣の家のコンクリートの壁がなくなっている.風景が全く変わっていてぼくは立ち止まった.後でブツブツと何かいいながら立っている男がいる.

隣のおじさんだ.

「違うだろ.畑は土がたいへんだったが,良い感じになっている.」

 

会社を辞めたて,庭を全部畑にして野菜を作っているという.

だが子供たちがいない.離婚したと言う.子供は奥さんと一緒に出て行った.

だから家には誰もいない.

 

ぼくは奥さんの家に行く.

食事の時だ.

ぼくの分も用意されている.何か挨拶の言葉をと思っていると,子供たちは外にいるから声をかけて,と言われた.

ぼくは階段を下りて外に出ようとする.

壁に38765という数字が張ってある.ぼくはその数字を大声で外で遊んでいる子供に伝えてやる. 

 

赤い惑星の月の年 スペクトルの月11月25日.

5月26日.

芝生の上に3つ机が置かれている.

そこで作文の授業をするのだ.

生徒は4人,一人は藤原紀香,あと2人はオヤジ,そしてぼくだ.

 

ボードに海軍少尉の記事が磁石で止められている.

22歳で特攻隊で死んだと書かれている.

その少尉になって,まず自己紹介の文を書けと言われた.

 

藤原紀子が手を挙げて少尉になったつもりで話し始めた.

ぼくはその間に書き始める.

「私,生まれは北海道の室蘭で,5歳までそこに住んでおりました.冬は海からの風に雪が舞い,それが太陽の光を受けキラキラと光り,今も目を閉じるとそのときの光景が浮かんで参ります.」

 

赤い惑星の月の年 スペクトルの月11月27日.

5月28日.

明るい部屋には誰もいない.

ぼくは少しあせる.

部屋は幾つもあり,ぼくはどんどんドアを開けていく.

誰もいない.

部屋の奥の窓の向こうに,緑の木々が風に揺れているのが見える.

またドアを開けた.

 

そこにみんないた.

だが部屋の中はむっとしている.蒸し暑い.

みんな黙ったままひざを抱えている.

ぼくが開けたドアから外の風が一気に入ってくる.

みんなは顔を上げない.

 

赤い惑星の月の年 スペクトルの月11月28日

5月29日.

 

林からのそのそと出てきたのは熊だ.

窓の外をうろうろしてからこちらに近づいてくる.

小熊と見えたが大きい.体を振ってこっちに向かってくる.

まずい,と僕は思う.

裏に回った.逃げるしかないと.だが裏の戸は開いていて,ここから入られたら終わりだ.

ぼくは急いで戸を閉めようと部屋から出た.だがそれより早く熊がやって来た.ぼくは開いている戸から外に出た.入れ替わりに熊は体を振って部屋の中に入ってきた.ふさふさとした体毛が揺れている.熊の匂いがしたような気がした.

 

僕は外に出,林に逃げ込もうとしたがあっという間に熊に追いつかれた.

体ごと走りながら僕に体当たりをしてきた.

だが思ったより力は込められていない.それどころか熊は体を摺り寄せてくる.そして僕は見上げる.

遊んでいるのだ.嬉しそうに体をゆすっている.

ぼくは熊を抱え込んでそのまま走った.

一緒になって揺れながら走った.ふさふさとした体毛が気持ちいい.