夢日記 2002.6.1-30

 

6月9日。日曜日。

 

4人の女の子が緑の芝生で輪を作り、バレーボールをしている。

真っ白なボールがゆっくりと青い空に上がる。

僕はそのすぐ横で、椅子に座って本を読んでいる。時々僕のほうにそれてくるボールを僕は足で軽く蹴り返している。

 

そのうちやってくるボールの回数が増え、僕は読んでいる本の内容がつかめなくなってきて、イライラし始める。

 

僕は立ち上がり、振り返り後ろにあった階段を上り始めた。

その先にはホームがありそこには列車が入ってくる。

 

間に合うだろうか。

本など読んでいる暇は無かったのだ。

ましてや逸れて飛んでくるボール期待していたなんてもってのほかだった。

 

4人の中の一人の女の子が階段を走って上り、僕を追い抜き、しばらくしてまた階段を下りてきた。

 

「4時30分よ。大丈夫。」

 

僕は驚いた。

さっきも僕に何回もわざとボールをそらしてきていた子だ。

 

だがその前に行くところがあったのを僕は思い出した。そこで僕は試されるのだ。赤い塔に入れられる。

 

「大丈夫。間に合う。」

 

またさっきの女の子が階段を後ろから上り僕を追い抜きながら言った。

うつむきながら、僕とは目を合わそうとしない。

何で何も言ってないのに分かるのだ。

 

しかしその子は一生懸命に僕のことをサポートしようとしている。

それは確かだし、とてもありがたいことだ。

こんな事はこれまで無かった。

 

その女の子は僕の周りをくるくると回っている。

 

とりあえず僕は時間に遅れないように階段を上りきり列車に乗らなくてはならない。

 

そしてきっと大丈夫なのだろう。

 

619日。水曜日。

 

雨の中、古く細長いバス。

長いコートを着た男達と、買い物かごを持った女達。

そこから送金するのだ。

霧雨の中、バスはぼうっと消えそうだ。

 

ステップを上り、車内に入る。

ズラリと男や女たちの背中が見える。僕はステップに立ったまま空いている機械を探す。僕の後ろの男が、奥を指差した。確かに空いている。

 

僕はうなずいてそこを目指した。

一人の女が泣いている。

29403という番号を打ち込んでいる。

 

ぼくは機械の前に座った。

数字を打ち込んでいく。

だが、機械は僕の知らない番号を要求してくる。

 

そこから先へは進めない。

バスの中はシーンとしている。

外には長い列を作り人々が静かにたたずんでいる。

誰も何も言わない。

 

静かな雨だ。

とても静かな雨だ。

僕は泣きそうになる。