夢日記4月1日〜30日。 4月5日。金曜日。 振り返るとバスの乗客はいず、ぼくと、同年代の男女3人だけになっていた。運転手もいないがバスは進んでいる。 狭い路地に入っていくと、バスの大きさはそれにあわせて小さくなり、どんどん路地を曲がり中へと入っていく。 時にバスはぼくたち3人よりも薄く小さくなりながら進んでいく。 工場の中にバスごと入った。 ぼくたち3人はバスを降りた。 工場の中はがらんとしている。 ぼくたちはそこに成仏できないまま漂っている地縛霊を何とか収めようとしているのだ。 体中に圧力を感じる。 他の2人も同様に押されている。 3人で顔を見合わせた。辛い。 その時バスのエンジンがかかり、地縛霊に向かいゆっくりと走り始めた。 バスはその輪郭だけを残し、透明になっていて、吊り輪やいすや広告が外から見える。 ぼくたちにかかっていた圧力が消え、進んでいくバスの後部座席が小さくなり、地縛霊が糸の切れた風船のように空へと上っていく。 バスがゆっくりとバックしてくる。 ぼくたちは素早くバスに乗り、大通りに出た。 大通りには同じようなバスが何台も走っていて、ぼくは中をのぞいたが、がらんとしたままでこれでは役には立たないとほかの二人に言うが、二人ともうつむいたままだ。 実際さっきはぼくたちは何の役にも立たなかったのだ。 だがぼくはそれほど気にはしていない。 バスの運転手の席にいるこのバスを動かしている何かに見覚えがあったからだ。 4月12日.金曜日. 雨が降っている.緑の雨だ. 体が解けそうな気がして、急いで穴の中に入る. 穴の中は暗くいやな匂いがする. この匂いが致命的なものになると昨日老婆から聞いていた. だからハンカチを口と鼻に当てている. このハンカチは随分前に拾ったもので、これは正しいものなのだl. 正しいもの.正しい力を持っているもの. だからぼくは大丈夫だ. ぼくの隣に誰かがいる. ぼ〜と誰かがいる. 一緒に生きて生きていかなくてはならない. 誰なのか分からない. いやな匂いが続く. 一緒に生きていく. ぼくだけが大丈夫でもしょうがない. ハンカチを探す. もう一枚ハンカチがないかとぼくは探す. 4月17日.水曜日. 気球を作っている. 子供3人と老人とぼくで作っている. バーナーで熱い空気を入れる.老人が真剣な顔で行っている. ぼくたちはぐるりと周りを取り囲んで、見ている. 青白い炎.ゴーという音. ぼくたちはじっと固まってみている.少しも動かない. それが何時間も続いている.小さな3つの彫像. 遠くから軍服の男達が横にずらりと並びやってくる.ざっざと音が響く. 早くしなければならない. 飛ばさなくてはならない. 浮いた. ぼくたちは素早く乗り込んだ. だが浮いたままで空へと上っては行かない. 落ちた. 軍服の男達が気球をあっという間にばらばらに解体する. 見ると内側に銀色の鉄板を貼り付け始めた. 30センチ×40センチほどの板だ. それを気球の丸みに合わせて張っていく. それは気球の強度を増し、また上昇する為に必要な気流を呼び込む為のものらしい. だが男達は無言でしかし素早い手の動きで鉄板を貼り付けていく. 今度は飛ぶのだろうか. 4月19日.金曜日. プロレスのリングで戦っている. ハヤブサだ. 相手はカシン. 覆面が双方とも敗れている.顔が露出している. ハヤブサがフォークをカシンの額に突き刺した. 2センチほど鋭利な先端がめり込む. それを縦に力任せに引き下ろした. 額が裂かれ血がピュウと飛び出た. 10センチほど血が心臓の鼓動にあわせ、飛び出る. 規則正しく飛び出る. 見ているうちに呼吸がその血の噴出に合わせ、早まっていく. 血の匂いがしそうになり息をとめる. 振り返りたいが振り返れない. 体が硬くなっている. うんざりする. 血は10センチほど、心臓の鼓動に合わせ、飛びつづけている. |