夢日記 2002.1.131

□今月の主な出来事。(-_-)

   ●教え子達が初めてたくさん出てきた.

 

1月1日。月曜日

毒入りの飲み物なのだ。僕はそれを知っている。知ってそれを飲まそうとし、知っているからそれを阻止しようとしている。

 

毒入りの容器を階段を駆け下り、寝ている若い女の子に渡す。

時代劇なのか女の子は頭に白く細い帯をしている。

僕はすぐに部屋に戻ると天上をつたいさっきの女の子の部屋の天井に行くと、節穴から下をのぞき、隙を見て毒入りの飲料を盗む。

 

忙しいのだ。

あせるのだ。

誰にもそれを気づかれずに行う。

天井はむっとして暑く、そのにおいが体につかないよう、ぼくはできるだけ速く天井裏を走っている。

 

1月2日。火曜日。

肩を刺すのだ。相手の女は僕の肩を斜めにきれいに刺すのだ。

僕の肩の筋を断つ。

僕の腕は動かしようがなくなる。

 

怖い。

恐ろしい。

筋の1本がきれいにさっと切れ、戦いができなくなる。

 

ほかにも剣を持っての戦いがあるのだ。

だが僕に勝てる戦いは五分五分以下だ。

 

どの戦い1つをとっても恐ろしい。

僕にあるのは恐怖だけだ。

 

1月4日。金曜日。

空を細い線の交錯した何かが飛んでいる。

しばらく何かがわからなかったが、小さなヘリコプターであることに気付く。

誰かが操縦しているラジコンのヘリだ。

 

僕は手を伸ばしてヘリを掴んだ。

すぐに小学生くらいの兄弟が現れた。

僕はそれを返す。

二人はいつもこの屋上でヘリを飛ばしているという。

僕はトイレに行きたくなりどこかと聞くが、ここにはない、好きにすればと言われる。

僕はあたりを見回す。

屋上全体が庭になっていて、茶色の土で覆われている。

どこでもいいだろうと思って立ち止まり見ると、小さな墓標がたくさん並んでいる。

 

兄弟はダメだという仕草をする。

僕は端まで見るが小さな墓標はどこまでも続いている。

庭にまいた花の種類を記すカードのようにずらりと並んでいる。

犬や猫なのだろうと僕は思う。

 

部屋に戻る途中、空いている部屋から呼び止められた。

昔塾で教え、途中でやめ、確か今年高校受験の女の子の母親だ。

 

またどうかめんどう見てください。

 

と頭を下げられる。

僕は嬉しくなる。

 

ドアを開け廊下に出るとその子が丁度部屋に入ろうとしている。

昔通りの可愛い姿だ。

僕はショートカットの頭をなでる。

その子は嬉しそうに笑う。

 

1階の広い部屋では葬式をしている。

 

皆変わるのだ。

誰もが死ぬ。

死なない者はいない。早いか遅いかの違いだけだ。

誰もが天命を行き、死ぬ。

早いも遅いもない。

 

皆変わっていく。

心は成長し、肉体は衰える。

 

そんな話を皆がしている。

 

誰かが納得していない。

その誰かと僕は廊下を歩いている。

その人は変わりたくないといっているのだろう。

心も体もこのままでいたいと言っているのだろう。

 

だが変わっていくのだ。

それでいいのだと僕ともう一人がその男に言っている。

僕ともう一人がその男をはさんで強く説得しているようだ。

 

17日。月曜日。

 

窓の大きな現代的なデザインの部屋だ。

受付の子はにこやかで気持ちが落ち着く。

 

風俗の店だ。

渡されたメニューには女の子の写真と自己紹介、得意技が書かれている。

僕はあっさりと選んだ。

ベッドでもあっさりと終わった。

 

翌日も僕は行った。

まだ3時前だ。

その店の雰囲気が気に入ったのだ。

ビルのワンフロア−を使っているので、ぐるっと廊下を1周する元の所に戻ってくる。内側にドアが並んでいる。そこでみんなセックスをしているのだろうが、そんな生々しさな感じられない。半周すると広々としたロビーがある。

 

しばらくぶらついた後受付に行った。

 

丁度去年卒業した子が店に入ってきた。

僕は驚いたがその子を指名し、一緒に部屋に入った。

後ろから抱きしめ胸をもんだ。思い切り抱きしめた。

 

お金払ったほうが、気が楽だ。客と風俗嬢の関係なんだから。

でもその子は教室にいたときと同じように、まったく屈託がない。

にこにこと僕の腕の中にいる。

 

 

若い頃のおやじと僕。

僕の机の横で何か言いた気に立っている。

二人とも気詰まりで言葉がない。別に大学での様子とかを聞きたいのだろうが、単位が取れてなく、留年が決まっているので、話しづらい。単位が取れないのが気が重い。

しょうがないので、僕は東スポの縮小版を見せた。

「そんなものがあるのか」

 

おやじはほっとした様子で東スポを見出した。

 

18日。火曜日。

朝、宿を出る。宿の女将は若く冗談を言っては笑う。

僕は調子を合わせているが、すぐに出る。マラソンのレースがあるのだ。それを僕は携帯で彼女に知らせている。

 

レースの途中に素人参加コーナーがあって、それに2人で参加し、僕がそのゲームの途中で番組とは関係なく彼女にひそかに愛を告白する。それに彼女にその気があるのなら、応える。無ければないで、2人は終わる。

 

 

僕は緊張していて不安でいっぱいだ。

 

レースに行く途中は混んでいて後ろからぐっと押された。

「やられた」

と周りで誰かがいう。

僕はお尻の携帯を探したが、やられていた。

 

レースの途中の素人参加コーナーでは腹筋コーナーがありそこで彼女と組んだ。

彼女が腹筋をする。

僕が足を押さえる。

起き上がってくる彼女に好きだ、と言った。

彼女は何も言わず、急に目から涙があふれた。まったく突然にだ。

僕はだめだとわかり、悲しくなり、その場から去った。

 

レースの最後は別のランナーと競った。

女のランナーだ。

 

しかしラスト、コースがわからない。

コースを記す掲示板がないのだ。最後のコースは駅の構内になっている。

人がいない。誰もいない。

トップの子が「どうする?やめる?」

 

と挑戦的に聞いてくる。

スピードを落とさず僕は走りつづける。

 

「誰かがこのレースをのっとったのよ。」

 

彼女が言った。

「レースの参加者が全員人質だって。」

 

ぼくは訳がわからなくなる。

彼女が応えてくれなかったのはその為だったのか。

あの時点で彼女はきっとぼくの告白に応えられない状況にあったのだ。

 

僕はそう思おうとするが、では何のためのレースジャックだ?

ぼくの告白を邪魔するためにわざわざこんなことをするはずは無いだろ?

と思い直す。頭が混乱する。

 

だが携帯を盗まれている以上、現場に戻るしかない。

彼女は今どうなっているのか。

 

レースジャックであれば、今状況はどうなっている?

ぼくだけ蚊帳の外なのはなぜだ?

 

僕はとにかく素人参加コーナーに戻ることにした。

だかどこにも人は相変わらずいない。

19日。水曜日。

川が流れている。

その片側の岸の土手にブースが作られ文化祭のようなものが開かれている。

ぎっしりの人だ。

一つの部屋に入る。そこは喫茶店になっている。

ぼくは椅子に座る。

今年卒業した子、この前の夢でぼくに抱かれた子が、すぐ横にいた。

ぼくを認めると一瞬目をそむけ、こんなとこまでくんじゃねえよ。

と小さく言った。

ぼくはショックを受け店を出た。

 

誰かが川に落ちたと騒いでいる。

落ちたのは男で、大学で同じサークルにいた奴だ。就職で世話になったこともある年下の奴だ。

 

ぼくはすぐに川に飛び込んだ。

すでに何人かが彼を助けあげようとしている。

ぼくは川面に出る彼の足を掴もうと手を伸ばす。だが彼は後ろから何人かに抱えられ、もう大丈夫だ。

だがまだ目を閉じたままだ。ぐったりしている。

ぼくは両頬を叩き、大丈夫か?けがは?右手を上げてみろ!右手を上げろ!と叫ぶ。

 

彼はゆっくり手を上げた。今度は左手だ。左手を上げろ!

 

ぼくは何度か彼の意識を確かめた。

 

110日。木曜日。

マイクロバスから男が降りてきた。

大学でサークルが同じだった男だ。

マラソンで2時間40分を切ったという。

 

驚いた。

ホントに驚いた。

ありえないはずだとびっくりしている。

どうやってだ?

どんな練習をした?

まさか……

 

みんなで聞いた。どうやって切った3時間を、しかも20分も!

 

彼は恥ずかしそうに、筋トレだ。筋トレやったという。

 

筋トレやっていきなりサブスリーか。

 

僕はどんなトレニーングをしたのかを聞いた。

彼は後ろから30センチほどの2本の棒が並んでいる高さ30センチ程の木の器具を出した。

それを両手で掴み、逆立ちをした。

それで腕立て伏せを56回とやって見せた。

 

僕もやってみた。

2本の棒を掴み体を浮かすが両足が浮くだけで体を持ち上げられない。

僕は両腕に力を込め何回も試みるが、上がらない。

そいつが手助けをしてくれるが、うまく行かない。

体に力がこもる。ぐっとこもる。

111日。金曜日。

走っている。

どこか地方のハーフマラソンだ。

僕はあと半分という所をかなりのスピードで走っている。

息はいっぱいいっぱいだが、足はまだ大丈夫だ。だからそのまま突き進んでいく。

 

後ろをおじさんが走っていて、あんた速いね、速いよ。大したもんだと言ってついてくる。

 

僕はゴールに入る。

自己新だ。

 

あんた速いよね。

 

僕は満足しているが2本目の用意だ。

僕は屈伸運動を繰り返す。でもかなり辛い。少し気が重い。

 

だが何で2本目なんだ。僕は気になる。大会はさっき終わったのだから、これでもういいわけだ。さっきの記録で十分だろう。

僕は帰ろうとするがさっきのおじさんがついてくる。

あんた速いね、大したもんだ。

 

1月13日。日曜日。

野球場に入る。

僕のチームは体のでかい連中が多い。

試合は始まっていて、打順を決めなくてはならない。僕はバットを持ち、次に打とうとするが、数えてみると4番になるので、小さくて4番も無いだろう、5番にしよう。そう決める。

 

それよりもグローブを確保しなければならない。

見ると相手チームに生徒がいる。野球少年でよくグローブを教室に持ってきて僕に見せる小4だ。

「おーい、グローブ貸してな。」

 

チェンジだ。

僕はグローブを借りると大声で、ショートショートショートと叫ぶ。

ショートを僕は守りたいのだ。

だがすでに三遊間には人がいて僕はセカンドベースの左に押しやられる。

 

でもまあいい。

 

チェンジだ。

グローブを返そうとするが、グローブの手のひらの白いプリンのように柔らかくなっている部分が、半分千切れて取れているのに気がつく。

 

しょうがないよな、こんな柔らかい部分なんだから。

 

そう思って生徒にポーンと高く投げて返すと、壊れちゃってるよこれ、と生徒が僕を見て怒った言った。

 

しかししょうがないだろ、ボール受ければあんな柔らかいところ壊れるよ。

 

僕はそう思うが、生徒はじっとグローブを見つめている。

まずいかなぁ。

僕は立ち止まる。

115日。火曜日。

ブラシで髪を整えている。妹が隣にいる。し

髪を梳く手が何か重い。

 

髪の毛の元に白い毛が溜まっている

しかしこれは犬の毛だ。昔犬の毛を梳いていた時の映像だ。

毛の根元をから少しずつ小刻みに梳いて溜まっている毛を取ってあげるのだ。

それは犬にとってとても気持ちいい。地肌を叩いてやる。

 

僕はブラシで頭の毛を梳きつづける。

 

 

競技場にいる。運動会だ。

僕は撮った写真を整理するために空いている教室で、11枚スクラップブックに差し込んでいる。かなり時間をかけている。

 

疲れて顔を上がると右隣の机に女の子が座っている。

こちらを見てにこっと笑った。

僕は驚いた。広い教室のすぐ隣に座っているのだ。何か意図があっての事に違いない。

 

女の子はそれでも平気な顔で僕を見ている。

髪の短い子で、凛とした感じで、僕を見る。でも特に何か言いた気ということもない。

当たり前のように隣に座っている。

 

僕も落ち着きその子に午後のスケジュールを聞いた。

1時からテキーラって書いてあるわ。」

 

僕は少し学校の周りを回ろうと思った。

外に出て自分の持ち物を入れたリュックを探した。

 

山登り用の大きなリュックには、傘、丁寧に包装された四角い包みが2個、スカスカの感じで入っている。

雨が降ってきた。

僕はそのリュックを雨のかからない所に置こうとあたりを見回す。鉢巻をした子供たちが地面に座っていて、その中を掻き分けながら歩いていく。

校舎の壁に立てかけた。

空を見上げる。雨が降り降りてくる。ここだと濡れてしまう。

 

僕はリュックを持ち上げる。リュックには持ち上げるのにふさわしいフックが出ている。

中庭に入ると、小さな建物があり、その入り口は大きなひさしの下にあり、そこにリュックを置くことにした。ここなら濡れない。

僕は学校の外に出た。

薬屋がある。そこに入ろうとしたが、置いてきた写真が気になった。

僕はすぐに教室に向かった。走った。

教室には出てきたと同じように、スクラップブックが置かれてあり、心配することなどなかった。

 

あの女の子はいない。

 

118日。金曜日。

どこかの民宿か、ユースホステルの茶の間。

普通に真中にちゃぶ台があってみんなテレビを見ている。若い5,6人の男女だ。

でもどうやら普通のテレビ番組ではない。

若い男がスケート競技のようなスーツに身をすっぽりと包み、テレビかパソコンの画面をじっと首を突き出して見つめている。突然、

 

「これを見て一言!」

 

と後ろからにこにこ顔のおばさんの声が響いた。「はい、あんた」

僕が指された。僕はこういうのは苦手だ。でもその画面に近寄り同じように首を突き出し、

 

「おじさん、耳まで切ったでしょ。」

 

けっこう受けた。

外から若い男が帰ってきた。

おばさんがまたこれを見て一言、と男に言った。

すると男はテレビを持ち上げるとオモッと言った。

 

それは「これを持って一言だろ」と僕が突っ込むと、またけっこう受けた。

 

120日。日曜日。

くたくただ。暗い廊下の端に少年が薄い布団を敷いてくれる。

シーツは薄汚れている。

僕はその中に潜り込む。

メガネを取り、布団の上に置く。僕は下のほうに潜り込む。

少年も布団の中に一緒だ。

 

朝僕が起きる頃、ほかの誰かが帰ってきた。

僕はぼんやりしている頭のまま、パジャマをたたみ、正座してほかの人の帰って来るのを見ている。

 

電車の中。

僕は頭を洗っていないので頭が痒い。気持ち悪い。

駅に着き特急待ちで6分間ドアが空いている。

 

僕はシャンプーを頭に飛ばし、洗い始めた。

水が飛ばないよう、泡が飛ばないよう、気をつける。

 

気持ち良い。

思い切り両手を動かす。とがった指が気持ち良い。

気持ち良い。

 

足元に女の人の赤いハイヒールが見える。

怒られるか。

水や泡がやはり飛び散っているだろう。

 

突然髪の毛をつかまれた。

彼女だ。

泡だらけの髪の毛をXみたいに、ピンと逆立てる。

そして髪を掴み根元から泡を上方へ押し出す。

気持ちが良い。

 

「だめね、汚い。わさびみたいなのが出てきたわ。」

 

わさび?

薄い緑色のねっとり泡?

 

でも気持ち良い。

僕は止まった電車の中、頭を下げたままだ。

122日。火曜日。

昔飼っていた犬。寂しそうにしている。

若い頃のおやじがじっと見つめている。それで犬は緊張し固まっているのだ。

 

ぼくは犬を抱きしめて、頬ずりをする。

犬はやっとにこにこしだし尻尾を振り寄ってくる。

 

雪が降っている。外で遊んでいる犬をおやじが追いかけ抱き上げると、金網の犬小屋に投げ込んだ。犬は尻尾を丸めている。

ぼくはまた金網から手を入れ、犬の首をなでる。

 

雪が降っている。

えらく降っているのだ。

 

123日。水曜日。

大きな広場に大勢の子供たち。遠足のイベントだ。飛行機を使う。みんな大きなバックを背負っている。そのバックは折り畳み用の自転車を入れる為の大きなもので、しかし子供が背負っているバックにはあまり物は入っていないようで、背中でゆらゆら揺れている。

 

僕は同僚の先生とこれだけ集まれば成功だと話している。

子供たちはゆっくりと移動している。

 

饅頭を注文された。

通りを歩いていてだ。注文した相手の住所は知っていたので、受けた。

すぐに饅頭屋を探した。渋いおやじに紅白饅頭を頼んだ。

 

袋に入った饅頭を渡された。

僕はそれをもって届けにいこうと思ったが、場所がわからない。迷った。疲れた。

僕は通りを見上げる、一段下がった通りのコンクリートの固いベンチに横たわっている。どうしていいのかわからない。上の通りを歩く人々を見上げる。冷たい。

 

目の前に饅頭の入った袋がにゅっと出た。さっき渋いおやじからもらったものと同じだ。袋の結び口がさっきと違っていて、丸い小さな輪がついている。

 

 

塩胡麻頭のおやじが場所はわかっているから届けてくれと言う。

僕は通りを歩き出す。

124日。木曜日。

仕事で木に花を咲かせることになった。

ぼくはどうしていいのかわからない。考えながら通りを歩いている。

ふと木を見上げると木に花が咲いている。オーケーだ。仕事は完了している。

僕はほっとしている。よく見ると咲いた花の1メートル下に緑色の網が張られている。それが木のあちこちにある。

 

散った花を受けるのだ!

 

僕は感心する。散った花は汚い。

僕は感心している。

 

高校の同級生とバスに乗っている。

バスは古い町並みを走っているが、やがてそれが過去の街であることに気付く。

僕は一人の同級生にそれを言った。

その坂を下ると彼の家だ。僕も何回かこの坂を下った。懐かしい。

 

しばらくバスが走った。気がつくと彼がいない。僕は運転手にバスを止めてもらった。降りてもう一人の同級生と探しに行こうとする。

だが時間がない。

既にあの坂からはだいぶ遠ざかった。時間はない。バスの外で2人どうしようかと話す。

 

止まっているバスから歓声が上がった。

もう一台のバスが走ってくるのが見えたのだ。

バスは一度スピードを落とすと走り去って行った。

もう一台のバスが見えたのは良かった。心配していたのだ。これは危険な旅行だった。バスが事故に合った可能性をみんな心配していた。

旅行は順調に進んでいたのだ。

 

だが彼はどうすればいい。

残していくのか。

時間がない。

 

僕たちはバスに乗り込んだ。

彼が決めた事だ。彼はここに残ると決めたのだ。バスが走り出した。

僕はバスから古い町並みを見ている。

白い吊り輪をぎゅっと握っている。

 

125日。金曜日。

長島監督が講演をしている。

野球好きの生徒がそれを聞き感動し、その話を僕に小さな部屋でしている。

部屋にはベッドがあり、窓はなく、狭苦しい。

 

半透明ガラスの向こうを誰かがとおった。それを見つけた生徒が「長嶋監督だ!」と大声を上げる。

確かに長島監督の影なので、なるほどと感心する。

 

 

突然ベッドでレイプが始まる。

頭と両足を押さえつけられた女が、レイプされている。

 

 

その事件の検証が刑事立会いで始まっている。

さっきの野球少年が、男たちの行為を刑事たちに説明している。

男たちのレイプの様子をそのままに再現している。

僕はそれに驚いた。腰まで動かしているのだ。

 

その時急に目の前の刑事と少年が、2,3歳の子供3人に変わる。

さっきのレイプの光景と同じ光景が続く。

 

少年がレイプに詳しいのは2,3歳頃の経験が元になっての事だったのだと僕は納得する。

 

僕は哀しい気持ちになる。

 

合宿だ。

外はかなり強い雨が降っている。僕は荷物を整理したあと、部屋をうろうろしている。以前の教え子(K.T)が助手となり、いい加減にやっているぼくのあとをついてきて、フォローしてくれる。それが嬉しい。

 

でも自分のは部屋がわからなくなり、うろうろし始める。

雨はさらに強くなっているし、不安だ。

振り返ると布団が敷いてあり、その布団の中心が白く光っている。

僕は思い切って、布団をはがした。

 

布団の中に赤外線のストーブが横たわっている。

 

よく火事にならなかったとほっとする。

よく火事にならなかった。

126日。土曜日。

 

街をさまよっている。追われている。つかまるとまずい。怖い。体が震える。

どこかの私鉄沿線。空が低い。

 

商店街の中央にがっしりとしたビルを見つける。1階はホールになっていて外から光る廊下が見える。入り口から裏にかけて通りから見えない柱の角がある。奥まっていて風も雨もしのげる。あそこで夜をしのごう。僕はそう思い少しほっとする。

 

ロビーに入った。廊下を歩き奥へ行きドアを開ける。そこにはそのビルの社員たちが大勢和んでいる。立食のパーティーだ。灰色のスーツが揺れ動く。

 

僕はそこに紛れ込んだ。そしてそのままここでしばらく身を潜める。そう考える。

 

夜だ。みんな帰っていく。

このビルの中に居残るのだ。

僕はトイレに隠れることにした。男用のトイレに入る。

人影が見えたので鏡を見るふりをした。鏡に並んで座る二人の少女が映る。2人ともおかっぱだ。

鏡の中でじっと僕を見ている気がした。

急いで外に出る。

 

社員はみんな帰っていく。その流れに乗ってしまった。外に出てしまう。

真っ暗だ。寒い。闇が体にのしかかってくる。重い。心がわさわさ揺れ動いてくる。

 

外に出る直前に少女(MK)に「8時に坂で」と言った。教室の生徒だ。

 

足が重い。坂は暗く広がっている。まだ8時までには時間がある。

坂を登る。

両側には壁があるようだ。

ふっと壁に穴が開き少女が8時は無理、と言って消えた。

このことを言うために来てくれたのだ。危険があったはずだ。

でも何時ならいいのだ。

 

今日の夜はどうする。

ここは暗くて見つかりはしないが寒い。どんどん冷え込んでいく。

 

128.月曜日.

ファックスから紙が伸びた.

バイト合格だと言う.すぐに会社に行った.5,6人の学生や男達の中に並び、社長の言葉を聞く.

社長は一枚の紙を見せ言った.

「この会社者を誤解している人がいる.以前ここで働いていた人がばら撒いているビラだ.君読んでくれ.

 

僕はビラをいきなり渡された.

「この会社では、右翼天皇主義者を作ろうとしている.先日の事件を仕掛けたのもこの会社だ.

そして次に写真が23枚続き、どう説明しようかと迷っていると、社長は笑って「いいよ」とビラを受け取り、

「我々は正しい仕事をしている.それだけだ.

と言い.その場から立ち去った.

 

床がゆっくりと降りて行く.

僕たちが立っている床は、せり上がりの舞台でゆっくりと降りていき、止まった.

 

そこには大学の先輩がいた.僕はここは何なんだと聞くと、俺も昨日入ったばかりなんだと言われる.

 

その日はそれだけだった.

 

帰り道.

僕はバイクに乗る暴走族にガンを飛ばされた.

最初は無視していたがしつこく思い切って、にらみ返した.

男達が向かってくる.その時通りの向こうに先輩がいるのに気がついた.先輩は目で会社につれてくるように言った.

 

社長が暴走族の男たちに仲間にならないかと鷹揚に話し掛ける.男たちは面くらいどう答えていいのかわからず、ニヤニヤしている.

僕は座っている一番後ろの男の背をひき、仰向けにし、顔を見た.

男は若くなく、金縁のめがね、ヒゲをはやし、人相は悪かったが、海千山千の男に見えた.

「社長をどう見る?」

僕は聞いた.

「わかんねぇ」

 

男はニヤニヤ笑い僕を見上げながら答えた.