【騒ぐ人】



   風邪をひいたり熱があったりして体調が悪からと言って もうだめだって言う
  顔で仕事しないでほしい。
   体調が悪いなら早く帰って 医者行って薬飲んで歯磨いて寝てほしい。
   で 元気になったらまた 会いましょう・・・。

   自分が苦しいときは 周りに自分の辛さをアピ−ルするくせに、他人が病気で
  苦しんでいるときに全然気づかないのは何故か。そしてひどいのなると、周りの
  人が気が付かないと怒る人、近くにいませんか?

   小学校でやたら騒ぎまくる子がいたが、その原因が親の愛情が少ない家庭で育
  ったことによるのではないかとだいぶあとになって思うようになった。
  よく笑う子や、おかしなこという子、おもしろいことをする子、あぶない事を
  する子、みんながみんな そうだとは言わないが、その中の子の何割かの子達は
  そうではないかと思う。

   小学校へ上がる前、昔は親と一緒の時間が長かったのだろうか。女性が社会
  進出していく時代に幼稚園や保育園といった幼児をあずかる施設ができてから、
  子供達は ある程度のといってもどの程度かぜんぜんわからないが、さびしさを
  抱いて成長していったのではないだろうか。

   さびしいと家に帰ってから 父親や母親に話しかけるけど、食事のしたくやら
  とか仕事の疲れてるからとかで あとでとかぜんぜん話相手になれない。
   やっと一段落して 話相手になろうと思ったときは 子供の興味は別のところ
  に行っている。だけど、親にしてみれば後ろめたさからか自分の子供と話したい
  という欲求からか、子供が答えるまで 今日 幼稚園で 保育園で何して遊んだ
  のとか、けんかしなかった?とか いじめられなかったとか 根ほり葉ほり
  聞いたりはしていないだろうか。

   ちょうど、水が飲みたいときに水がなく、飲みたくないときに無理矢理飲まさ
  れるような感じになってしまっているのではないだろうか。
   だけど さびしさは解消されたわけではないから、またある程度といっても
  どの程度か見当もつかないが、別の形で出てくるような気がする。

   親にさえ 注目されなかったことが ちいさな心の傷となって、小学校上がっ
  てから、先生に注目されたいと言うことが起こっても不思議ではないと思う。
   しかし 先生は1人でも生徒は1人ではない。そのことが頭では解っていても
  自分では独占するつもりがなくても 無意識に独占するような行動になってしま
  ったのかもしれない。

   そこで ある生徒が風邪をひいて 先生の心配を一心集めたとしたら、その
  さびしさを持った子供達は 風邪をひいた子が先生を独占したと勘違いというか
  状況的に独占しているから、そう思ってしまったとしたら。
   そうすると 攻撃の目標は風邪をひいた子に向けられるのだはないだろうか。
   その子が ほんとうに風邪をひいたかどうかは さびしさを持った子達には
  関係ないことというべきか わからないのである。

   そうすると 次にこのさびしさを持った子は 熱があると言って騒ぐだろうか
  そうして 無意識に先生が自分のことを心配してくれることを望むのではないだ
  ろうか。

   こうして 騒ぐ子や 騒ぐ人達が 熱があっても我慢している人や辛いことが
  あってもじっと耐えている人のことが頭ではわかっていてもほんとうのところは
  解らないのではないだろうか。
   そして 我慢している人や、耐えている人達は この騒いでいる人たちのこと
  を許せないのではないだろうか。

   人をいじめたくなるときの気持ちって こんなことから始まるのではないだろ
  うか。ここから この場合に限って どうしたらよいか 引き続き考えて行きた
  い。



                    2001.03.29
                    神奈川県横須賀市・クロベ