【顔に出る人】


 



 嫌なことがあるとすぐ顔に出る人がいる。・・・俺だよ。
  思っていることがすぐ顔に出るっちゅうのは、ギャンブルには向かない。
 仕事でも、ある意味ではポ−カ−フェイスって言うのは必要だ。
 嫌な客っていうのは どこにもいるもので そんな客に対し いちいち露骨に嫌な
 顔をしていたら、そのうち客がいなくなるか仕事を失うかのどちらかだろう。

  顔に出るタイプだって人に言われて 「むっ」とした顔をしてしまったが、それ
 を言った人は 顔にでるタイプじゃなく 口に出るタイプ つまりグチが多い人な
 のだ。
  どういうことかと言うと 嫌なことをいわれても顔にはでないが、その後でその
 言った人が席をはずすと いろいろ言い出すタイプ。

  そんな話 だれも聞きたくないのに。他へ行って言ってくれってんだ。
 顔にでるタイプ、口に出るタイプ そして行動にでるタイプ(暴れる)といろいろ
 ありますが、怒りという感情を表に出すことは、中にためるよりはましではないだ
 ろうか。
  昔、自分の思いどおりにならない苛立ちを家族にぶつけていたときがあった。
 いわゆる 世間一般でいう 八つ当たりを家族にぶつけてたんです。家庭内暴力で
 す。家庭内バトルロワイヤルです。

  そんなことも自分の心が落ち着いてきて無くなってしばらくたった頃、そう言え
 ば 最近 怒るってことがないなぁということに気が付いた。別に 怒るような
 ことが無かったかというと ぜんぜん無いわけではないのですが、少し我慢できる
 ようなことなので 我慢してると 怒りが収まってくるので、怒って誰かを怒鳴る
 とか言うことがほとんど無かったのでした。

  別に それ自体は悪いことではなく むしろ理想だったことなんですが、ずっと
 怒らないと、怒らないのか怒れないのかの区別がだんだん解らなくなってくるので
 す。怒らなければいけないこと、これは一言、言っておかなければいけないのに
 まあ いいか でいつも終わらせておくと、だんだん 怒らないんじゃなくて、
 怒れない自分に気がつかされます。

  そうすると 今度は怒ることに対して 恐いような気がしてきました。
  これって 感情の抑圧ってことだと思うのですが、これが自分では気がつかない
 ところで 無力感とか焦燥感とか 理由はわからないけど、そういう感じがするっ
 てことがあるみたいです、あるのかな あるって本にかいてあった・・・のような

  小さい子供が 親に反抗すると、つまり親に言われたことに納得がいかず怒った
 とき、親が子供にたいする態度は その後の成長に重要な役割をするのではないか
 と思うというか 思うのです。・・・。ああ 表現能力のボキャブラリ−の悲しい
 くらい少ないこと(;_;)
  話をもとに戻しますと、子供言ってることが間違っているからといって力づくで
 文句をいうなら 飯抜きとか 往復ビンタとか 体罰とかの暴力に訴えて子供を
 黙らせたとき、その子供は 同じようなことを 友達とか学校の先生に 文句を
 言ったら暴力で黙らせようとするのではないだろうか。

  他人との関わりあいの中で 無口な子供が取った行動は 関わりを持ちたいと
 思った人に け飛ばすとか、殴るといった行動で表すという子がいたそうです。
 自分がしらない コミュニケ−ションの取り方は 子供にかぎらず大人でも、取る
 ことはできず、新しいコミュニケ−ションの方法を試そうということすらしないの
 では ないだろうか。
  試そうとしないというよりは、今のコミュケ−ションの取り方で十分だと思って
 いるのではないだろうか。

  力づくで押さえつけられた子供の感情は 次回からは身の安全をはかるため極力
 親の意見に従う「ふり」をすることでしょう。親の意向にできるだけ添うように
 生活するでしょう、それが子供の利益(おこづかいを貰えるとか)になるとかで。
  それを続けていくと、怒らないのか怒れないのか違いが解らなくなるように、
 自分はほんとは そのことがやりたいのかやりたくないのか 解らなくなるのでは
 ないだろうか。

  だから ちょっと 強引ですけど 結論に入ります。
  顔に出ても いいんです。



                       2001.07.26
                        神奈川県・クロベ