小室直樹

 中学校の時はじめて読んだ「ソビエト帝国の崩壊」は忘れられない。 以後この人の本に病み付きになる。 一時は日本でなにか不可解な現象が起きたときは、この人の本を読んでから考える様にしていた。 この人は天才だから、預言には当たり外れが大きい。 だが、日本の知識人の争いのほとんどが儀式に近いのに対して、この人の発言は曖昧にされている物事の本質を見事に言い当てる。 結果的にこの人の言った事が正しかったという場面を、何度も見ている。 万人にすすめられる本があるとしたら、この人の本を置いてないだろう。

タイトル 副題 出版社
日本人のための
宗教原論 <新刊>
あなたを宗教はどう助けてくれるのか 徳間書店
日本の敗因 歴史は勝つために学ぶ 講談社
世紀末・戦争の構造 国際法知らずの日本人へ 徳間書店
悪の民主主義 民主主義原論 青春出版社
小室直樹の資本主義原論   東洋経済新報社
小室直樹の中国原論   徳間書店
日本国民に告ぐ 誇りなき国家は必ず滅亡する クレスト社
国民のための経済原論I アメリカ併合編 光文社
国民のための経済原論II バブル大復活編 光文社
消費税の呪い 日本のデモクラシーが危ない 光文社
日本資本主義崩壊の論理 山本七平“日本学”の預言 光文社
新戦争論 “平和主義者”が戦争を起こす 光文社
アメリカの逆襲 宿命の対決に日本は勝てるか 光文社
ソビエト帝国の崩壊 瀕死のクマが世界であがく 光文社


山本七平

 この人の本にひかれたのはつい最近の事。 それまで、小室直樹が良く引用しているのでそのうち読んでみようと思っていた。 僕がすごいと思ったこの人の最初の本は、「日本資本主義の精神」だ。 西洋人と違って宗教を持たない(と思っていた)日本人が実はとても宗教的な国民である事を、この本はあきらかにしてくれる。 なぜ日本人はこんなに一生懸命働くのか。(またこれだけ働いているにも関わらず生産効率がアメリカに勝てない理由) なぜ正月には神社にゆき、クリスマスを祝い、葬式はお寺でするのか。 そして、男女の雇用が西洋と同じように平等にならない訳が、この本を読めば解る。 (”契約”に関する考え方の違いについては小室直樹が「小室直樹の中国原論」で更に、日本人、中国人、アメリカ人の比較で掘り下げてある)

タイトル 副題 出版社
日本資本主義の精神   なぜ一生懸命働くのか 光文社
人望の研究 二人以上の部下を持つ人のために 祥伝社
論語の読み方 今活かすべき この人間知の宝庫 祥伝社    
「空気」の研究   文春文庫
「あたりまえ」の研究   文春文庫
「常識」の研究   文春文庫


橋爪大三郎

 ぼくが勝手に小室ファミリーと呼んでいる人の一人。 小室直樹、山本七平と同じように、学問を万人に解りやすいように説こうと苦心している本物の学者。 まだ上の二人のようにぼくに衝撃をあたえるような本にはまだ出会っていないが、それも時間の問題だと思っている。

タイトル 副題 出版社
橋爪大三郎の社会学講議   夏目書房
橋爪大三郎の社会学講議2 新しい社会のために     夏目書房


中島義道

 最近読んだ本の中ではとても秀逸。日本人は二重規範の中に生きているということを実感する。 ぼくも駐車禁止のところに”周りの人も止めているから、、、”という意識で自転車を止めてしまう事があった。社会的な決まりよりも、場の倫理(空気)を優先してしまう典型的な日本人だ。最近起きている利益供与事件等を、まったく否定できる日本人はあまりいないはずなんだが、、、。

タイトル 副題 出版社
<対話>のない社会 思いやりと優しさが圧殺するもの PHP新書