中東和平問題について



(読者からの意見)
 国際戦略コラム、いつも興味深く拝読させて頂いております。
「米国の世界戦略考察」について、幾点か事実関係の訂正を致し
ます。
@チェチェンはカスピ海ではなく黒海沿岸に面する共和国である。
Aイランのイスラムと、チェチェン側を支援しているサウジ、
パキスタンをバックに持つタリバン派(バッハビズム)のイスラム
は明確に一線を画しており、同じイスラムだからといって同一視は
出来ない。イランは基本的にロシアの軍事活動を容認している。
 
何れにせよ、米国にとってはロシア‐イラン同盟に楔を打ち込む
ことが、中東並びに中央アジア・コーカサス地域における覇権を確立
するキーポイントであることだけは確かであり、それが中東和平の
問題とシンクロしながら動いているという点も正しいと思います。
 
ちなみに、藤井先生とは藤井厳喜(昇)さんのことですか?
 
畔蒜さん
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(Fのコメント)
 畔蒜さん、ありがとうございます。藤井厳喜先生です。米国戦略の
専門家。ユダヤは詳しいが、イスラムは詳しくない。

 チェチェンは、黒海とカスピ海の中間で南の山岳と北の平地の国です。
少し前までは、イングーシ・チェチェン共和国でしたが、1996年
チェチェン共和国の独立運動後は、チェチェン共和国になっています。
 よって、指摘は誤りです。

 イランは、指摘の通りロシアとの同盟関係にあるが、イスラム世界
会議では、イランもチェチェン支援には反対しなかった。
 しかし、直ぐにロシアのイワノフ外相がイランに行って、協力関係
を確認している。チェチェン戦争を支持はしていない。反対もしないが。

 中東和平では、米国ユダヤロビーAIPACが、今年2月パレスチナ
国家を容認すると発表。これは、米国ユダヤが正式に中東和平を指向
した証拠である。
 米国・イスラエル関係は緊密である。バラクの選挙参謀は、
クリントンの選挙参謀でもあったカービルとグリーンバークである。

 当初、モンデハイ、ネタニアフ、バラクの3人が首相選に立候補して
いた。しかし、米国のスポンサーであるダニ・アブラハムがモンデハイ
にバラクを支持し、降りろと言われたため、選挙戦後半に降りた。
これにより、バラクが当選することになった。

 今回の中東和平交渉は、シリアのアサド大統領とゴラン高原の返還
問題である。ブレア英国首相がシリア・イスラエル間の国交回復を
裏で推進している。これは、ダッチ・シェル石油がシリアで石油を
掘っているためである。ゴラン高原は、水源地であることと、戦略
要地の2つの要素。宗教的聖地ではないため、交渉は楽であるはず。

 中東和平は、米国としては、イランとの関係を修復する一歩である。
もう一つ、中東和平を達成して、クリントンはノーベル平和賞が欲し
いのです。

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