1658.そして日本が勝つ



「そして日本が勝つ」    日下 公人 PHP研究所
日下公人さんの「そして日本が勝つ」はこのコラムと同様な意見を
言っているので見よう。  Fより

戦前の教育は知、情、意がそろった人間をつくることだと言われて
いる。意は意志、知は知性であるが、戦後は知に偏重していた。し
かし、意の復活が見られている。意とは日本の精神を思い起こすこ
とである。

1.日本の底力
日本はハイテクの国だというが違う。日本は芸術の国である。トヨ
タのレクサスのように車を芸術品にしてしまう。自動車を芸術品ま
でにしようと米国人は思わない。それとこのような芸術品を全員が
力をあわせて作ってしまう。20年前には、この自動車をオーバー
・クオリティ(過剰品質)だと米国自動車業界の人たちはクレーム
を言っていたが、米国のお客たちは満足して買うために、ニュー・
スタンダードになっている。この物作りの根底には日本精神や芸術
性がある。飛鳥時代から続く日本人の芸術性とその実現に必要な精
神力など総合力があるからである。

そして、日本の中でも合理化だ、効率化だ、グローバル・スタンダ
ードだと言っていた人たちが退場して、精神、文化、伝統を言う人
に陽が当たり始めている。もう、伝統文化を批判できるような雰囲
気に日本国内はないようだ。伝統文化非難の左翼陣営の崩壊を見て
いる。

そして、日本を追っている韓国人には「手抜きの精神」という根本
的な遺伝子があり、日本人のような仕上げができないと韓国人の経
営者たちはいう。もう1つ、韓国で使用している工作機械は、ほと
んどが日本製で、低賃金で勤勉に働いたために韓国の発展がある。
しかし、日本精神の移転ができないために、韓国や中国に中級技術
は移転できるが、高級技術の移転はできないようだ。韓国・中国の
限界がある。

F−15の戦闘機は日本に203機あるが、三菱がライセンス生産
した物と米国生産の2つがある。そして、パイロットたちは三菱製
に乗りたいという。「米国製はともかく具合が悪い」と。

北朝鮮の工作船に対する銃撃を見ると、自動照準装置が海上保安庁
の船には装備されているために、全弾正確に狙った船首に当たって
いる。日本の技術で作るとこのようなことになる。だから「日本と
いう寝た子を起こさない方が良い。起こすと後悔しますよ。」とい
ってきた。しかし、北朝鮮が日本の寝た子を起こしてしまった。

福井の工作機械メーカーの社長から「工作機械といえども、かわい
くなければ売れません。」と。このため、スタイルがよくて、かわ
いい工作機械を作っていると。

また、日本のマンガはお化けがたくさん出て、かつ主人公が成長す
る。当初、米国では受け入れられなかった。ポケットモンスターの
お化けは、デズニーがクレームを着けたが、子供には絶大な人気が
出て、デズニーは反ポケモン・キャンペーンを中止したくらいだ。

2.日本の精神性
日本の底力を考える時に、日本の精神から考えるという視点が今ま
ではなかった。この日本の精神とは、
 @.芸術の力 A.精神の力 B.日本語の力 C.共同体の力
でできている。この4つの力が日本競争力をを支えている。

ぞんざいな人には日本製品はつくれないために、海外進出を考えた
中小企業の社長は、現地のホテルのサービスを見るのだそうだ。
サービスの仕草がぞんざいなら、不良品続発でかつ工員の教育に手
間がかかるために進出しないとのこと。要するに日常のセンスが重
要なのです。
日本人向け製品はぞんざいな人には作れない。日本のお客は目が肥
えているから細部まで丁寧でない商品は売れない。このように日本
の文化レベルは高いのです。

かわいいや優雅という言葉でイメージを全員で共有できるセンスが
日本人にはできる。この裏には日本人が共有している伝統文化があ
る。このため、部品会社にまで製品イメージを伝えていると、部品
までもかわいいを実現するべく、取り組む。
日本は質の国、米国は量の国で、米国は科学や力の国、日本は芸術
や精神の国なのであろう。

他民族支配がないために、日本ほど海外から自由に多様な文化、思
想を取り入れ、かつ花開いた国はない。このため、欧米よりずっと
深い文化になっている。日本は全てを受け入れて、検討して良いと
ころだけを取って、それを神道の上にのせて、日本精神を作った。
この1つの結晶が「17条の憲法」であろう。

しかし、今必要なこととして、日本人は「意」を再構築する必要が
ある。情は感性を磨けというようなことを言い始めているから気が
ついているが、意が不足していることに気がついていない。意とは
意欲とか意志のことである。

日本語を使うと日本人になる。中国人でも日本語を話すと、仕草が
日本人的に変化して、表情から仕草まで日本人になる。日本語には
不思議な力があるようだ。このために欧米で漢字が流行している。

日本文化が世界的に文化の普及過程に入ったようだ。日本人の富と
技術とセンスを使ってクルマやハイテク、マンガやアニメを作る。
それを世界が真似するかしないかは、先方の勝手であるが、どうも
普及しそうである。21世紀は世界中が日本化するのである。

3.これからの世界
ソ連が崩壊して、米国の資本主義はお行儀が悪くなった。いわゆる
単独行動主義である。米国の道徳・道義が低下してきたことも分か
る。
この道徳の低下は資本家が本性をむき出しにするようになってきた
ことでも分かる。中流階層が没落して消滅に瀕している。このため
国民が国家を愛さなくなる。アメリカ精神も無くなる。愛国心回復
のために海外で戦争をする。米国は資本主義から略奪主義に行って
しまったようだ。

米国は軍事力で何でもできる。何でもできるから、もらえるものは
今のうちにもらってしまえ、略奪できるものはしてしまえーーとい
う感情に支配されている。

イラク戦争は石油の獲得である。次にはユーロとの戦いであろう。
次は中国との戦いになる。戦争は全て設計して行うものである。筋
書きを事前に米国は書いている。国益(他国からの略奪)を追求す
る。しかし、中国との戦いの後、略奪する相手がいなくなり、共食
いになる。米国の内部コストがどんどん増加するであろう。犯罪が
増えることになる。

反対に、日本は内部トラブルコストがほとんどない。そして、ODA
で世界にお金を何の見返りも無く配っている。そして、日本自体は
豊かである。米国流資本(略奪)主義か日本流資本(自立)主義か
世界は両国を見ている。そして、もうその答えも出ている。たぶん
21世紀には日本をマネする国家が増えるでしょうね。日本流が、
グローバル・スタンダードになるでしょうね。

4.日本で何でもできる
日本人の意が十分でないために、米国に依存するが、北朝鮮との戦
争を決意して、拉致被害者を取り戻すこともできる。意が十分でな
いだけである。日本の軍隊(自衛隊)の実力はアジアでも大きい。
北朝鮮軍の実力は、暴力団の組員程度のものである。F−15で北
朝鮮の爆撃をすることも可能である。要は「意」をしっかりするこ
とである。

「意」を持って行動すれば、相手が変わる。中国人の犯罪が多いの
で中国政府に抗議して、日本で犯罪を犯した中国人は中国で裁判す
る方法に変更した。このため、日本で犯罪を犯すと、中国の裁判所
で裁判を受けることになる。中国の法律は日本に比べても犯罪に厳
しい。中国に逃げても捕まり、中国で裁判されることになる。この
ため、このことを知って中国人の犯罪が減る可能性が高くなってい
る。このように「意」を持てば解決策はある。

どうか21世紀の日本が世界的な現象になるように、意を持とう。
意の根源である「日本の使命」を自覚しよう。


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