1604.國井・木村コラム



本コラムNO.1590より。《》は、引用個所。
 
《 『「国民一人当たり525万円の借金を背負っている」の大嘘!
昨年末の政府債務残高は約670兆円。「国民一人当たり525万円の借
金を背負った事になる」と新聞やテレビで騒いでいた。これで日本
のマスコミの知能程度が分かったと思う。日本の国民は国債の約95%
を持っている。したがって国民は借金を背負っているどころか、一
人当たり525万円も国に貸している債権者だ。670兆円は国民の心配
事ではなく、自慢すべきこと。アメリカに旅行して「私は日本政府
に525万円も貸してるんだ」と言って、日銀の送金で自国の赤字を埋
めて生活しているアメリカの連中に威張ってやったらどうですか。』

増田氏の発想の明るさもここまでたくましいと日本国民として何か
笑えてきます。これからの激動期を生き抜いてゆくには、このよう
な柔軟な発想というか、やわらか頭が私たち一人一人に要求される
のでしょう。》

 
  この様な増田氏の意見は、財政問題の論議に必ずと言って、いい
くらい出てきます。柔軟な発想でもなんでもないです。議論の封殺
に使われる詭弁である。
  元首相補佐官の岡本行夫氏が「日米条約があるからトヨタ自動車
が売れるんだ」といった意見とあまり変わらない。
 
  全国民が国債を買っている訳ではない。670兆円の国債残高で
あると、一人当たり、525万円の借金になる。これは確かに“大
嘘”だろう。
  つまり、 国債を買っている国民は、何パーセント位いるのだろ
う。国債を買っている人と買っていない人がいる。国民同士で貸し
借りをしていることになる。サラ金もそうだ、国民同士が貸し借り
していることになるのだ。国債を買っていない人の方が多いのでは
ないか。そうすると国債を買っていない人は、525万円どころで
はない。一体、いくら借りていることになるのだろう。それも自己
の意思に反して、借りているのだ。国民の貧富の差を国家が作って
いるのだ。
  
  殆どの国債は、証券会社を通じて買っていると思われる。最近、
国債を直接、国民に発売したが、これは金融機関が手を出さなくな
ったからだと言われた。当時、国債は危ないとも言われた。
  さらに付言するが、国債を発行すると銀行が一般国民に貸し出さ
ず、国債を買ってしまう。金融が柔軟、円滑に機能しなくなる。
  国民経済が円滑に機能せず、結局、多数の自殺者が出ている原因
にもなっているのではないか。発想が明るいなんて、呆れます。
 
  アルゼンチン債を日本の金融機関は、買って、失敗している。同
国債は、紙切れになってしまった。ドルも危ないと言われている。
日本は、数十兆ドルを買っていると言われる。
   国債を自国民あるいは他国民が買おうと、それがどうしたのか。
利息が自国民あるいは他国民に支払われるかどうかと言うだけでは
ないのか。
 
  自国の財政を借金財政にすることは、極めて慎むべきことである
。借金財政は、箍(タガ)が緩み、そのうち外れてしまうのだ。
  一般家庭でもそうだ、家計は健全に。借金をしてはいけないと言
わないが、返済の計画を充分検討し、利息の支払と借り入れをして
受ける各損益をよく考えてみて、実行することだ。
  
  だが国家が実行していることは如何だろうか、政治家や官僚の腐
敗を呼んでいるだけだ。地方分権に関して、当村の農業集落排水事
業について、交付税と補助金について、言及させて頂いたことがあ
るが、出鱈目な事業をして、国家財政に影響を及ぼしている。
  
  本年2月、当村立中学校の体育館の建設に関して、差出人不明の
文書が郵送されてきた。内容は、請け負い業者と村長が東南アジア
に売春ツアーに行ったと言ったものである。
  私は、村長に電話で名誉毀損で訴えてあげると言ったら、「イイ
ンダ、イインダ、もうこれで6回目だ。」と。警察に連絡すると「
その文書は、受けっとっているが、捜査の意思はない。」と。
  1643uの鉄骨亜鉛葺一部2階建て(276u)外壁はALC
板の体育館を予定価格3億6225万円の百%の価格で落札してい
る。指名業者は、7社である。官制談合である。だから其処彼処で
「最初から、業者は決まっていたのだ」と囁かれるのだ。

  国の補助金は、9642万円、村債は、2億8080万円(土地
造成を含む)村債の55%は、交付税、即ち国の負担だ。
  議会では、質疑なーし!討論なーし!で可決成立している。
 
  関丸永代さんの年金廃止論も政治問題を回避する意見に私は、思
えてしまう。老後の生活は、自助努力せよ。出来ない者のために施
設の建設をして、ぶち込め!って聞こえてきます。
  私は、施設で苛めに遭って、哀れな人生を辿るように思う。
 
  軍隊に行っていたの人の言。
  自分は上官に好かれるタイプでいつも上官と美味しい食事をして
いた。あんたは、軍隊に行くと上官に嫌われ、仲間に嫌われるタイ
プだと言っていた。
(-_-;)
國井明子
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Akiko Kunii
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『亜空間通信』757号(2004/04/13)
【誘拐犯「自衛隊撤退要求」前提を疑い現状の混乱に関しての電網対策本部長の総合
的観測要約発表】
 
 本日(2004/04/13)も、早朝から、大手メディアでも、電網掲示板でも、イラクでの
日本の3人の若者の誘拐事件に関しての報道が続いているが、そのすべては、「情報
が錯綜」、「事実関係の確認ができない」、「安否は定かでない」などの繰り返しで
しかない。
 
 ここに至るまでの経過の最大の問題点は、家族の釈放への願いの夢が、一時は叶っ
たかに思えて、また破れたまま、ということである。つまり、振り出しに戻っている
のである。

 こういう状況に立ち至った際、たとえば、自然科学の分野の実験などの場合、最初
の前提条件から振り返って見直し、考え直し、様々な可能性を列挙し、一つ、一つの
実験を、確実にやり直し、成立しない仮説を、確実に潰していくのである。その辛気
くさい作業を手抜きするようでは、ノーベル賞どころか、簡単な商品の製造でも不可
能であり、危険になる。危険な商品を買わされる消費者は、「良い面の皮」である。
 
 私は、自然科学の方法論を、絶対視はしないが、いわゆる人文科学の分野でも、同
じ原則を貫かないと、危険であり、受け手は「良い面の皮」であると考えている。そ
ういう事例は枚挙に暇無い。
 
 では、今回の誘拐事件の最初の前提条件は、何だろうか。
 
 大手メディアは一斉に、イラク人・アラブ人・イスラム教徒が、日本人を誘拐し、
「自衛隊のイラクからの撤退を要求している」という主旨で報道したのである。一般
の読者、視聴者、大手メディアの情報の受け手は、その前提を鵜呑みにして、事件の
推移を見守ることになる。
 
 大手メディアは、そのような受け手の思い込みを前提として、商売、商売、想像力
豊かな、妄想的報道を、繰り広げる。
 
 この前提の上で、「釈放声明」なるもの一般の受け手の理解が成立する。その理解
は、イラク人・アラブ人・イスラム教徒の「誘拐犯」が、イスラムの宗教的指導者の
説得に応じた、という前提に立っていた。その背後には、家族、日本だけでなく世界
中の願いがあった、と思われている。

しかし、これが、「思い込み」ではないか、という疑問は、これまでには、ほとんど
議論されず、大手メディア報道では、まったく無視されている。もっぱら自薦により、
電網対策本部長に就任した私、木村愛二は、大勢に迎合することなく、右顧左眄せず、
ここに、事件発生当初からのわが情報発信、意見具申の経過を、要約し、現状に関す
る観測を発表する。

 私は、当初から、モサド/CIA、さらには日本政府関係者をも含む謀略組織の関与を
疑ってきた。
 
 ところが、同じ観測が、スポーツ新聞、『スポニチ』に出現したらしいのである。
以下は、阿修羅戦争52掲示板への最新の投稿である。
 
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 開放条件二転三転、声明文は「不自然」(スポニチ) ―「日本国内の人間とつな
がっている可能性も否定できない」(政府関係者)
http://www.asyura2.com/0403/war52/msg/155.html
投稿者 シジミ 日時 2004 年 4 月 13 日 07:23:17:eWn45SEFYZ1R.

http://www.sponichi.co.jp/society/kiji/2004/04/13/01.html

イラクの日本人人質事件は12日、再び人質の解放情報が流れるなど、明暗さまざまな
情報が乱れ飛んだ。自称「解放交渉の仲介者」が、犯行グループ側の新たな要求を伝
えるなど事態は混迷の度が深まった。一方、政府部内では、犯行グループがカタール
の衛星テレビ、アルジャジーラを通じ「24時間以内の人質解放」を表明した声明文に
ついて「日本の国内事情に詳しすぎて不自然」(政府高官)との見方が浮上した。

「事態は変わっていない」日本時間12日午後、記者会見した逢沢一郎外務副大臣(現
地緊急対策本部長)は、事件に何の進展もないことを強調した。直前に、人質が「解
放された」「解放が近い」といった情報がまことしやかに流れたが、逢沢氏は「(情
報に)接していない」と完全否定し、楽観論を打ち消した。

 一連の騒動の震源地は、アルジャジーラと、解放交渉の「仲介者」を自称するイラ
クの人権擁護組織代表ミゼル・ドレイミ氏。永田町や霞が関では12日午後、アルジャ
ジーラが外務省に「3人のうち1人が解放される模様を放送する」などと連絡したと
の情報が流れた。防衛庁幹部も一時「アルジャジーラが午後3時から解放の様子を放
映するようだ」などと発言し、関係者が色めきたつ場面があった。

 また、共同電などによると、ドレイミ氏は、自衛隊撤退などをめぐり「交渉が大き
く前進した」と断言。犯行グループ側が日本政府に要求した自衛隊撤退の期限は、12
日午後5時(日本時間同10時)であることなど「新情報」を次々に提示した。唐突に
登場したドレイミ氏の発言について、人質解放を呼び掛けたイラク・イスラム聖職者
協会は「信ぴょう性は低い」と打ち消した。

 一方、アルジャジーラが報じた犯行グループの人質解放声明について、疑問視する
声がこの日、政府部内から噴出した。政府は、8日の人質拘束声明文と比べ「つづり
の間違いが多く、文章力から見ても筆者は同一人物ではない」と(政府関係者)判断
している。

 文中に「日本の街の声に耳を傾けた」とあることや「自衛隊の(イラクでの)存在
は不法」などと、自衛隊のイラク派遣をめぐる日本国内の論争をリアルタイムで聞い
ていたかのような記述がズラリ。官邸筋は「日本人が書いたような違和感を持つ部分
が多すぎる」と疑問を呈した。犯行グループが「日本国内の人間とつながっている可
能性も否定できない」(政府関係者)との指摘まで出ている。
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 本通信の編集中に、以上の『スポニチ』情報が出てきたので、ゆっくり考えている
と、時代遅れになり兼ねない。そこで、ここまでを(その1)とし、とりあえず発表
してしまうことにする。
 
 以上。
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長
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亜空間通信』756号(2004/04/12)
【「誘拐犯」のアラブ語はアラーアクバルだけで、発音は怪しいが声紋分析結果が秘
匿されている】

 上記の表題の「結果が秘匿されている」状態は、日本の2外交官の惨殺死体の司法
解剖結果と似ている。事件発生からすでに、4ヶ月以上も過ぎているのに、公式発表
がないのである。
 
 私は、いましがた、前レバノン大使、天木直人氏に、以下の電子手紙を送った。以
下の「緊急提言」が阿修羅戦争51掲示板に登場したからである。「緊急提言」に関し
ては、URLのみを示す。


http://www.amaki.info/
緊急提言拝見。

シュピーゲル・テレヴィの動画が一番はっきりしていますが、「誘拐犯」のアラブ語
は、アラーアクバルだけで、発音は怪しいのです。

この種の事件の初動捜査の常識、脅迫文にあたる声明の分析も遅れ、やっと、怪しさ
が報道され始めましたが、動画の声紋分析も、当然、しているはずです。警視庁の科
学捜査担当は、捜査上の秘密めかしたことを言います。

しかし、それが公開捜査に使われないのは、おかしいのです。

以下、専門家の情報です。


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http://www3.alpha-net.ne.jp/users/japaco/
日本音響研究所
〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷1丁目38番7号
TEL:03-3467-3366
FAX:03-3467-3377
e-MAIL:info@onkyo-lab.com

http://www.fujitv.co.jp/jp/unb/contents/p191_1.html

November 7th
カメラは回っていた!
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 1983年8月21日、フィリピン民主化の指導者、ベニグノ・アキノ氏を乗せた中華航
空811便が台北を出発し、フィリピン・マニラ国際空港に到着した。空港周辺には3万
人を越える民衆が、彼の到着を待ちわびていた。アキノ氏は当時独裁政治を行ってい
たマルコス大統領の最大のライバルとなる、野党の指導者だった。

 1977年、マルコス大統領にとって目障りだったアキノ氏は、政府転覆を謀ったとし
て銃殺刑が確定し、心臓病の手術を理由に渡米し以後6年間の亡命生活を余儀なくさ
れていた。1983年、反マルコスの気運が高まる中、彼はついにフィリピンに帰国する
ことを決意した。

 機内は、あくまでも帰国を認めない政府との対立を反映して、緊迫した空気に包ま
れていた。飛行機が到着すると、機内には3人の兵士が乗り込んできた。飛行機周辺
は、兵士が取り囲んでいた。

 機内にはアキノ氏帰国を取材するために多くの取材陣が乗っており、2台のカメラ
が撮影をしていた。しかし、3人の兵士に連れられて機外へと出るアキノ氏のことは、
兵士に撮影を止められたためにカメラでとらえることはできなかった。兵士は、立ち
上がって一緒に出ようとしたアキノ氏の義弟、ケン・カシワハラ氏に「座っていろ」
と強い口調で告げた。

 アキノ氏が機外に出て間もなく、銃声が鳴り響いた。しかし、その現場をおさえて
いたカメラはなかった。ただ、生々しい音声だけが録音されていたのだ。

 1分後、客席に戻ったカメラマンが窓の外を写すと、そこには青い服を着た男が血
を流して倒れていた。他のスチールカメラは、2つの遺体をとらえていた。1体は青
い服の男、そしてもう1体はアキノ氏のものだった。また、別のカメラはあわててア
キノ氏の遺体を運び出す数人の兵士の姿をとらえていた。

 事件後、フィリピン政府はアキノ氏暗殺事件について「アキノ氏は、空港警備員を
装った男によって、射殺された」と発表した。

 政府は、タラップを降りて数メートル進んだところで突然男が近寄り、357マグナ
ムという拳銃でアキノ氏を背後から撃ち、治安警備に当たっていた兵士が犯人を射殺
したと発表した。ところが、その場に居合わせた811便の乗客はこう証言した。「ア
キノ氏を撃ったのは兵士だ」。

 アキノ氏に同行していた日本人ジャーナリスト、若宮清氏もその瞬間を目撃してい
た。彼は、これは国家的陰謀だと確信したという。しかし、政府はそれらの目撃証言
を黙殺し、事件は政府や軍部とは関係のない左翼ゲリラ組織「新人民軍」のロラルド・
ガルマンなる人物の単独犯行であると発表した。

 マルコス政権による陰謀であることは明らかだったが、証拠がなかった。唯一の物
的証拠は、兵士によって遮られたカメラの映像と、そして生々しい音声だった。

 その音声をもとに、事件の真相を明らかにすべく1人の日本人に捜査協力が要請さ
れた。元・警視庁科学警察研究所技官、現・日本音響研究所所長、鈴木松美氏だ。

 警察庁科学研究所に配属以来、日本の犯罪捜査に音声解析という手法を取り入れ、
退官後に日本音響研究所を設立した後も、幾多の難事件に立ち向かった音のエキスパー
トである。
 人間の声は様々な周波数の音の集まりによって形成されており、その声の周波数の
高低と時間的な変化をグラフに表す。目には見えない音が指紋のような文様となって
現れる。これが声紋と呼ばれるもので、指紋と同じで人によって異なるものだ。

 主に音声解析とは、犯人の音声から取り出した声紋を分析し、膨大なデータをもと
に特徴を割り出す、プロファイリングの一種である。

 では、音声解析によってどのくらい人物の特徴を割り出すことができるのであろう
か。ここに、音声解析によって犯人逮捕につながった事件がある。

 1993年、山梨県でOLが誘拐され身代金が要求され、事件発生6日後にOLの遺体が発
見されるという残忍な事件が起こった。警察の必死の捜査でも浮かび上がらなかった
犯人像。この時鈴木氏は、身代金を要求する犯人からの電話をもとに、音声解析を行っ
た。結果、鈴木氏は犯人の声紋から、いくつもの特徴を見いだした。

 ・37,8歳〜40歳くらいの男性
 ・身長は170cm前後
 ・山梨県の甲府より南の土地出身
 ・落ち着きのない性格
 ・職業はセールスマンで営業をしている

 声帯は筋肉であり、年をとるにつれて変化が見られる。犯人の声は、40歳前の変化
を顕著に示していた。

 また、1秒間に声帯が何回震動するかをもとに、身長も割り出すことができる。人
間の声の周波数の高低は、身長の高低と反比例するという。
 また話し方の大きな特徴が出身地を示し、職業については、対応の仕方の特徴が営
業や学校の先生に多い話し方が現れていたという。

 鈴木氏は新聞やテレビでこれらの特徴を公開し、誘拐殺人犯の情報を募った。そ
の4日後、犯人は鈴木氏の情報公開が見事に自分の特徴を当てていたことから、これ
以上逃げられないと思って出頭してきたのだ。犯人は甲府出身の38歳の男で、身
長172m、職業はトラックのセールスマンだったという。
 さらに、犯人からの電話というものは、様々な情報を含んでいると鈴木氏は話す。
犯人の声のエコーにより、部屋の壁までの距離や材質、さらには外の車の音が入って
いれば何階に住んでいるかもわかるという。

 電化製品が発する音が入っていれば、関西方面では60Hz、関東方面では50Hzという
差から地域を判定することもできる。また、電話を切った直後に出るパルス音も重要
な手がかりになる。この音は電話局によって異なるため、さらに地域を狭めることが
できる。
 かつて鈴木氏は、電話から聞こえるかすかな踏切の警報器の音から犯人逮捕に至っ
た事件があったと話す。

 踏切の警報は、同じように聞こえて実はすべて違うという。メーカーの差はもちろ
んのこと、立てられている場所の地面の固さや周囲のビルの有無などによっても、音
は全く異なるのだ。また、経年変化といって、音は古くなるにつれても変化してくる
という。

 そして今、鈴木氏は世界的に注目される人物の声紋解析に挑む。同時多発テロの黒
幕とされるウサマ・ビン・ラディンだ。彼は事件後、犯行声明をテレビで出したのだ
が、1998年に彼本人と確認された音声と照合したところ、影武者ではなく間違いなく
ラディン本人と確認できたという。

 また、かすかなノイズから電源が50Hzであることと、カラスの鳴く小さな音が確認
できたことから、前が開けた山岳地帯で、50Hzの地域であることがわかった。さらに
彼の2001年10月と2001年12月の声紋を比較したところ、彼の健康状態がひどく悪化し
ていることを推測した。周波数からも、ラディンが怒りを現すほどの気力もなくなっ
ているのではないかというのだ。

 そんな鈴木氏のもとに1983年9月、アキノ氏暗殺の映像が収められたビデオテープ
の音声解析が依頼された。依頼主は、アキノ氏に同行していた日本人ジャーナリスト
の若宮氏だった。

 若宮氏も最初は、音だけでどこまでのことがわかるのか、確信は持てなかった。銃
声と叫び声だけで事件は解明できるのか、さらにテープに収められていたのはフィリ
ピンの現地語だけで、鈴木氏のもとにある日本語サンプルは全く役に立たない。

 アキノ氏暗殺の真実を白日の下にさらすべく、鈴木氏の解析作業が始まった。
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 以上。
木村愛二:国際電網空間総合雑誌『憎まれ愚痴』編集長


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