6396.中国の覇権国化



月曜日有料版0章途中までをお送りします。

トランプ氏が、高関税をかけたことと、財政赤字が膨張することで
米国の覇権は崩壊して、中国が覇権を取る方向になっている。この
動向と日本の対応策を検討しよう。  津田より

0.米国と世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2024年12月4日45,014ドルの史上最高値更新、2025年5月30日は
42,270ドルで、6月2日は35ドル高の42,470円、3日は214ドル高の
42,519ドル、4日は91ドル安の42,427ドル、5日は108ドル安の42319
ドル、6日は443ドル高の42,762ドル。

先週、株価は500ドルの上昇。S&P500は、3カ月半ぶりに6000台を回
復した。

6月5日にトランプ氏と習近平主席が電話会談し、米中の通商交渉団
がロンドンで9日に協議を再開すると明らかにした。レアアースの輸
出制限で、欧米日の自動車メーカーは減産に追い込まれている。と
いうことで、関税交渉で中国が勝っている。トランプ氏の中国人留
学生の排除は、中国にとっては困ることではない。AI半導体も作れ
るようになり、この分野でもキャッチアップが進んでいる。

米中協議開始で、レアアースの輸出を中国は許可したようだ。中国
は、この協議で要求をぶつけてくる。

この協議で、関税を引き下げないと中国からの輸入品の価格が上昇
することになる。一方、中国の輸出先は世界に広がり始めていて、
対応が可能になってきた。米中の交渉が日米、米韓、米印に大きく
影響する。それは後程。

同じ日にイーロン・マスク氏が、トランプ減税法案に財政赤字を膨
らますと反対して、上院議員などに電話攻勢を呼びかけた。
これにトランプ氏は怒って、マスク氏との政府契約打ち切りを示唆
して、テスラ株が暴落したが、6日は一転、トランプ氏とマスク氏が
電話会談したという噂でテスラ株が上昇。しかし、トランプ氏は否
定している。しかも、「エプスタイン文書」にトランプ氏の名前が
あると、マスク氏が言ったことで、2人の関係は取返しが効かない状
態になった。その後、投稿を削除した。

外国生まれで大統領になれないマスク氏は、トランプ氏を見限り、
テクノ・リバタリアンとして政治的影響力の最大化を高めて、新党
を立ち上げるともいう。しかし、マスク氏は、このままでは米国に
いられなくなる。

いっそ、日本の永住権を与えて、招待したらどうであろうか。日本
の科学技術は大きく伸びるし、日本の技術を使った新製品もマスク
氏は作ることができる。しかも安全であり、マスク氏の予算削減手
腕が日本も必要である。

ということで、トランプ氏もDS(ディープ・ステート)の仲間にな
ったようである。予算の膨張が止められない。DSから来たベッセン
ト財務長官が、閣内で権力を握って、対極にいるマスク氏は排除に
なったようだ。

6日の雇用統計も5月米民間部門雇用者数は14.0万人増と、予想12万
人増より多く、前回16.7万人より少ないが、大きく減らなかった。
まだ、関税の影響が大きくは出ていないようだ。

その上で、ベッセント財務長官は、FRBが金利上昇を止めるために国
債を買わないので、財務省が100億ドルの米国債を買い戻したと。そ
れにより30年米国債金利を5%以下に抑え込んだ。この原資は、短期
米国債の買い増しを行うことで調達する。このため、FRBに代って、
財務省がQEを行っている状態になっている。一方、FRBは6月利下げ
も見送る公算が高い。

しかし、債務上限に8月にはなることで、債務上限の切り上げができ
ないと、国債の買戻しもできないことになり、かつ長期間政府機関
が閉鎖の可能性も出る。

このような状態でトランプ氏は、次期FRB議長を近々に発表するとい
う。パウエル議長の指導力を下げることを目指す。

一方、5日にECB理事会は0.25%の利下げを行い、8回の利下げで2.00%
に引下げた。米国のFF金利は4.5%であり、金利差が大きくなってい
るが、ドル安ユーロ高で推移している。米国の富裕層が英国や欧州
に逃げている。米国の富裕層への増税法案が通ると、負担が増すか
らだ。それと、米国の将来に見切りをつけて、資産を欧州に移して
いる可能性がある。この動きは世界に出ている。このため、ドル安
になっている。

以後は有料版を見てください。

0.米国と世界の状況
1.日本の状況
2.ウクライナ戦争推移とその他地域の情勢


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