油性植物であるジェトロファの将来性を見た。 Fより ジェトロファは、トウダイグサ科の中南米原産の落葉低木。別名は ナンヨウアブラギリ、タイワンアブラギリ、または学名からヤトロ ファなど。16世紀以降、スペイン商人などの手により世界中に伝播 した。 樹高 3m から 8m 程度。やせた土地でも生長が早く、旱魃や病気に 強い。トウゴマよりもひとまわり小さな、重量 600mg 前後の黒褐色 の種子をつける。仁の約 60% は脂質で、他にホルボールのエステ ル類やレクチン、トリプシン阻害剤などの有毒成分を含む。 種子は毒性が強いが、油分に極めて富むことから、古くから利用が 行われている。栽培しなくとも 1 ヘクタールあたり 5 トン程度の 種子が収穫できる。1990年代以降は地球温暖化対策の切り札として 、植物性バイオディーゼル燃料の材料としても脚光を浴びている。 干ばつに強く、通常食物の栽培が行われない酸性土壌でも育ち、上 質油部分のみで35%が期待でき、アブラヤシほどではないが、ナタネ や大豆、ヒマワリなど他の油脂植物により効率的であるとされてい る。 インドでは1100万ヘクタールの土地がバイオディーゼルの生産に使 われる植物「ジャトロファ」用に割り当てられているという。 ここまでフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 降雨量は年平均800mm〜約3000mm そして温度は年平均14℃ 〜27℃の地域が良い条件といわれている。寿命は25年から50 年といわれている。選抜された中国のジェトロファはマイナス5度 程度の低温と軽い霜に耐えられるようだ。 http://d.hatena.ne.jp/jatropha/20080115 インドネシアも多い。5年ほど前からはフィリピン政府が国策で生 育している。特筆すべきなのはジャトロファの成長の早さで、きち んとした栽培方法に則ればジャトロファは約1年ほどで実をつける。 また、山間地荒地・耕作放棄地・既存作物との併用栽培も可能であ り、栽培管理は下草刈り程度で済み、簡単だ。栽培の拡大は、定植 や成木の挿し木で対応でき、苗づくり・定植・収穫・乾燥・搾油・ 精製・保管・供給などが比較的簡単で、高齢者の雇用の創出、地域 の活性化などが期待できるので将来性がある。 という情報を元に日本での可能性を調べに、ある大学の研究室に行 ってきた。しかし、お話を聞くと、気温が10度以下になると成育 が悪くなり、5度以下では枯れてしまうという。しかし、風除けを 作ると10度以下でも生育できる可能性があるかもしれないと育成 している技官の人は言っていた。まだ、中国のレベルの耐寒性苗は 日本にはないようである。温室では10月に持ってきた苗に花がさ いて、実もできていたので、1年程度で実がなるというのは本当の ようである。 教授に聞くと、もう少し栽培実験をしてから実用化したいという。 耐寒性のDNAやホルモンは植物全体でもないので、簡単に耐寒性 を得るのは難しいようだ。固体選別でしか耐寒性を獲得できないと いう。その意味では育成を重ねることしかないようである。 鳥取大や九州大、奈良先端大など複数の大学でも実験をしているの で、多収量で耐寒性に優れた品種の開発ができれば、中国やインド 北部などの寒冷な荒れ地で栽培が期待でき、乾燥により強くなれば アフリカなどの未開発地域にも導入できる可能性がある。 ここでも日本の農業支援の目があると見た。