自ビールと酵母について

自ビール職人の皆さまへ
自ビールしてますか。ここでは酵母の情報をお届けします。
その1. liquid yeast の勧め
その2. liquid yeast の再利用
その3. liquid yeast が面倒なら
その4. スタータの容器
その5. ピルスナーモルト vs バイツェン酵母 -- どっちが勝つか
その6. 私が使った地ビールの酵母



その1. liquid yeast の勧め
  最初はどなたも、ドライイーストをお使いになるでしょう。なんといって
も、手軽ですからね。しかし、ドライイーストでは限界があります。逆に言うと、
liquid yeastなら、選択肢が大幅に広がります。上面醗酵、下面醗酵も選べま
す。
  liquid yeastを使うときには、どうしてもスタータを用意する必要があり
ます。ここが面倒な点でしょうか。確かにスタータを作ると、工程が増えること
になります。でも、その手間に十分見合うだけの見返りがあります。では、
liquid yeastを使うメリットってなんでしょうか。

1. 雑味が減る。
  liquid yeastを使って一番感じたのがこの点です。liquid yeastのビールで
すと舌にのせた時に、ビールがすっと舌に染込んでいきます。ドライイーストで
は雑味が多くて舌の上にとげとげしさが残ります。

2. 香りがよい。
  ドライイーストでは、どうしてもイーストを使ったぞ、という香りになって
しまいますが、liquid yeastですと、ビールらしい香りになります。これは特に、
醸造中、及び瓶詰時に感じます。

3. いろいろな種類がある。
  liquid yeastですと、aleタイプ・lagerタイプなど、いろいろあります。私
はliquid yeastを使うようになって、ようやく、上面醗酵、下面醗酵の違いを体
験することができました。モルトと酵母の組み合わせで、いろいろな味を造り出す
ことが可能になります。もちろん、うまくいかないこともありますが、自分の好み
の味を見つけるまで、楽しく試行錯誤できます。



その2. liquid yeast の再利用
  スタータで自ビールを仕込む際、少量を残して次のスタータに入れます。こ
れで、同じliquid yeastを次回も使えます。でも、雑菌の混入には十分注意して
下さい。



その3. liquid yeast が面倒なら
  liquid yeastは使ってみたいけれども、その輸入なんて面倒であると考えるなら、
別の方法もあります。
  最近は地ビール醸造のお陰で、酵母入りビールも簡単に入手できます。瓶の
底に澱が溜まっているビールなら使えます。ビールを飲む時に全部を飲まずに、
少量残して、よく振って、それをスタータに入れます。これで地ビールも二度楽
しめます。



その4. スタータの容器
  私はスタータの造る際の容器として、炭酸飲料などの耐圧性のあるPETボトルを
使っています。醗酵が進み、内圧が上がったら、栓を少し緩めて内圧を下げ、また
しっかり栓をします。これを繰り返します。



その5. ピルスナーモルト vs バイツェン酵母
  バイツェンビィアってご存知ですよね。そう、小麦を原料にしているビール
です。実は私はバイツェンが好きなのです。特に、あの酸味がいいです。自ビー
ルを始めた頃から、いつかはバイツェンをやりたいと思ってました。ところで、
上に書かれた方法で、バイツェンのスタータを作りました。でも、うちの近所で
は小麦のモルトは売ってないのです。通販では入手可能ですが。そんなことで、
簡単に手に入るピルスナーモルトをバイツェン酵母で仕込んでみました。結果は
どうなったでしょう。なんと、大麦でやってもバイツェンの味になるのですね。
酵母は偉い、です。同じモルトを使っても、酵母を変えるだけで、エールにもラ
ガーにもバイツェンにもなってしまいます。ビールは酵母の産物です。やっぱり
liquid yeastを使いましょう。



その6. 私が使った地ビールの酵母