1999年
2月14日(日)の宿

アスローンの町にて


アスローンの町ヘ

レンタカーを借りて5日目。

この日は、ミッチェルズタウンの宿を出発してから、 キャシェル、ロスクレアという町を見物して、宿泊予定地にしていたアスローンという町を目指して北上していた。

このあたりはアイルランドの中央部。 アイルランド島は全体としては平坦な地形だが、西側はわりと険しく、南東にはウィックロウ山脈、北と南も山がちで、 窪んだ中央がなだらかで広い、お盆のようなイメージ。

平坦なロスクレア〜アスローン間(国道N62)も、当然まっすぐな道が多い。 いや、平坦というと語弊があるかもしれない。 実際なだらかな丘陵地形なので、地図上では真っ直ぐな道なのだが、丘の斜面にあわせてポコポコと小さな上下の変化が激しい。 あまりスピードをとばすと、ジェットコースター状態を味わえてしまうかもしれない。

アスローンの町近くに着くと、犬が1人(?)で勝手に散歩しているのを見た。 行き先とか決めて行動しているのだろうか? タッタカ タッタカと、真っ直ぐ目的地を目指してるような歩き方だった。

酒場宿 「ヒギンズの店」

16時30分ころ、まだ明るいうちに、宿泊予定地としていたアスローンの町へ到着した。 町の中心部、大きな橋のすぐ傍にあるアスローン城の真ん前の駐車場(【写真】)に駐車して、宿屋を探す。 割と大きな町で酒場が多く、酒場の2階にくっついてるB&B宿は多数あったが、 昨日泊まった宿でコリたので、ちょっと遠慮した。

・・・はずなのだが、<シャムロック・マーク>のある酒場 兼 宿を見つけたので、入ってみる。

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酒場宿 「ヒギンズの店」
Mr. Higgins' 【写真】
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<シャムロック・マーク>
認定機関による、抜打ちに近い審査などの末にもらえる、お墨付きマーク。 これがあると、旅行者案内所(インフォメーション)で紹介されたり、町なかや道路の交差点に案内標識も立ったりする。 このマークのあるB&B宿はだいたい "当たり" だ。

酒場に入って、マスターに『一晩泊まりたいんだけど』と言うと、
『OK、こちらへどうぞ』とカウンターを通してくれた。

酒場の入口と宿の入口は別になっていているが、カウンター裏の扉からも宿の方に行けるのだった。 マスターについて階段を上る。 案内されたのはきれいな部屋。2人部屋1人あたり£17(3000円弱)。即決。 やっぱり<シャムロック・マーク>はダテじゃない。 町の中心部だし、場所的にも便が良い。

17時には荷物を車から運んで落ち着いた。 後は夜、ゆっくりするだけだ。やっぱりドライブは余裕を持って計画するべきだなぁと思う。

町を歩いてると、さっき車から見かけた犬を再び見かける。 さっきの場所からここまでは一直線の道なのだが、距離は相当離れている。 やはり、わき道に目もくれず、どこかを目指して歩いてるようだ。

アスローン城

町の真心部にある城。「地球の歩き方」の写真では、こじんまりしてると思ってたのだが、 かなりお大きくて、どっしりしている。安定感がある。守備力はかなり高そう。派手さはなく質実剛健な感じだ。 アイルランド第一の川、シャノン川のほとりというのも、守備力アップに一役買っているようだ。
アスローン城の写真 → 【写真】 【写真】 【写真】

にしても、この町、橋の周辺は車が多い。夕方という時間帯のためもあってか、渋滞気味だった。 この町はアイルランドのほぼ真ん中に位置し、大河シャノンに架かる橋を擁しているため、交通が集中しているようだ。 それだけ軍事上の要所でもあり、このような堅固な城が必要だったことを連想させる。

中華レストランで夕食

中華レストランを見つけたので、そこで夕食をとる。本来なら予約して行くようなちゃんとしたところだった。 この日はバレンタインデーの飾り付けがされていた。店内はカップル客ばかり。 女性客には出るときに一輪のバラをプレゼントしていた。波留子もバラをもらった。

夜、町の酒場にて

食後ひとやすみして、22時ごろ、飲みに出かける。泊まっていた宿の1階も酒場ではあったが、ぶらっと外に出てみる。 日曜の夜ではあるが、バレンタインデーだからか、賑やかそうな店、音楽をやってる店(店頭にチラシが貼ってある)も多いようだった。

入る店を決めあぐね、とある店の窓から 「(音楽やってるかな〜?)」 と中を覗き込むと、 中にいたすでに出来あがっているグループ客の1人が 「かもん、かも〜ん」 のジェスチャー。 音楽の準備もされてたので入る。小さ目、でもかなり賑やかなパブだ。

ミュージシャンは、アコースティック・ギター&エレキ・ベースの2人組で、ツインボーカル。 リズムマシンにあわせて演奏していた。アイルランドの伝統的音楽ではなく、ポピュラーソングっぽいのを演っていた。 みんな知っている歌ばかりらしく、店内の客は声をあわせて歌っていた。 「DAY DREAM BELIEVER」 も演ってた。店内はもちろん大合唱。みんなすごく楽しそうだ。

アスローン生まれで、 ロンドンに12年住んでるというおじさんが合い席してくる。 彼はロンドンでバスの運転手をやっているとのこと。ロンドンバスって言うと、2階建ての赤いヤツだろうか。 このおじさん、山本晋也にちょっと似ている。

おじさん 『ダブリン(アイルランドの首都)は良かったか?』
あきぼん 『うん、良かったよ』
おじさん 『ダブリンはノーグッドだね(笑)。ロンドン(イングランドの首都)がグッドだよ。』

おじさん 『アスローンは良いか?』
あきぼん 『うん、良いところだね。』
おじさん 『だめだめ、わかっちゃないなぁ。この町は夏がいいんだよ。』

僕らのような旅人が、否定的な返事をするわけがないことを知ってか知らずか、 こっちがイエスと答えると、その裏をかかれる。 特に、アイルランド人は英国に対してマイナス感情を持ってるようなイメージ(偏見?)がなんとんなくあったが、 『ダブリンよりもロンドンの方が良い』と言われて、肩透かしをくらった。

シャノン川のあるこの町を観光するなら、夏がフェリーとかもあって、良いらしい。 下流にあるクロンマクノイズ史跡までの船も出るようだし。湖水地方はやっぱ夏かな?

ちなみに、アスローンの発音は "ロ" にアクセントがある。 これは日本語っぽいアクセントで、"ア" にアクセントかなぁと思っていたが、"ロ" にアクセントで正しいようだった。

いつものことながら、酒場はタバコくさい。煙が目にしみた。 みんなよく吸う。 おじさんからも、友好の証に2度ほどすすめられるが、嫌煙家なので体よく断るしかなかった。 おじさんは結構しつこかったので、横のおばさんにたしなめられていた。
ムースさんも、この国を「ヤニの国」と評していた。この辺は、緑で健康的な国というイメージを期待しているとちょっと違う。

会話では英語がわからなくて、もどかった。それはそれで楽しい部分もあるが。

翌朝

朝食後、クロンマクノイズ史跡に向けて出発。車を走らせる。

この日の宿は良かった。おすすめなので、念を押しておく。→ Mr. Higgins' 【写真】
※後で見たら、持っていた「地球の歩き方」にもこの宿が紹介されていた。


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