2月2日(月) 谷底へ出発 ■トレイルヘッドにて サウスカイバブ・トレイルの開始地点付近は、宿の周辺とはまた違った眺めだ。 トレイルを下りる前に、少しその眺めを楽しむ。 崖っぷちには雪が積もっていて、動物の足跡(犬くらいの大きさ・・・キツネか?)が崖の下へ点々と続いているのを見つける。 ここはもう野生の領域だ。 かたわらの柵で囲まれた中にはラバ(ミュール)が十頭くらいいた。 彼らの仕事は、谷底への荷物(ミュールツアーの観光客含む)を輸送すること。 馬の力強さと、ロバの忍耐力を兼ね備えた、おとなしくて利口そうな動物。 人間の都合によって作られた、子孫を残せないかわいそうな生き物でもあるけど。 柵まで近寄ると何頭か集まってきた。 ひとなつっこくて、体の割につぶらな瞳がなかなかかわいらしい。 プレハブの公衆トイレで用をたし、ラバと少し遊んだあと『トレイルヘッドはあっち』という立て札に従って歩いて行くと、案内板のあるところに出た。 ここが谷底へと続く道の開始点だ。細い道がスイッチバックを繰り返しながら急な斜面を下っている。 ちょうど、一眼レフカメラを持った2人の白人女性(母と娘だろうか)が出発の準備をしていた。 目が合うと、言葉は通じないが思わずお互いニコリと微笑んでしまう。 「ぐもにん(Good morning)!」と挨拶をかわして先に坂を下り始めた。 ■9:00AM トレイルヘッドを出発 ほぼ同時に出発した、5人くらいの白人さんの家族連れ(おじいさんとその子供夫婦らしい)がいた。 道には雪が軽く積もっていて、足もとがかなり滑る。 慎重に足を運ばないと転びそうで歩きにくかった。 彼らと『注意して!』と声を掛け合ったりしながら、ゆっくり坂を下りて行く。 【写真】
道の途中に立て札がある。なぜか日本語を含めた4カ国語で書かれてる。
====================================================== スイッチバックが終わると、今度は崖の地形に沿って伸びる道。道の片側は頭上高くそびえる大きな岩壁で、その反対側は踏み外したらコワイ崖。 やがて、これから下りて行く渓谷が前方に広く見渡せる場所に出る。 振り返ると、さっきまで自分たちのいた崖が垂直な壁となっていて、はるか下からそびえ立ってるのが見れる【写真】。前後左右上下、すべてがグランドキャニオン。 どっちを向いても絶景である。 とても良い眺めなので、さっきのおじいちゃんが何回か『カメラをかしてごらん』と言って、写真を撮ってくれた。 ちょっと歩いて道を曲がるたびに、景色がガラっと変わるのでついついシャッターを押してしまう。いくらも降りないにうちに残りフィルム数が不安になる。 雪の積もってないところ、イコール風の強く吹き付けるところ。 どっちも歩きにくくてツライものがあるが、5人組みよりはるかにフットワークの軽い僕らは、いつの間にかどんどん進んで、彼らをかなり引き離していた。 人の気配がなくて、とても静かになる。 出発から1時間近く歩くと眼下に小屋が見えた。それまで白っぽい土の道だったのが、かなり赤さを増している【写真】。地層をどんどん下っているわけだ。 目標物があるとかなり歩きやすくなって、その小屋まではあっという間に着いた。
■10:00AM シーダー・リッジ到着
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