2月1日(日) 午前中
グランドキャニオン鉄道 ウィリアムズ駅〜

出発時刻まで、駅を近辺をぶらぶらしてみる。寒いけど良い天気。

カウボーイや保安官、昔の鉄道員の服装をしたスタッフたちが その辺を歩
いてて、目が合うと「Hi!」とあいさつをしてくる。
一緒に写真に写ってくれるようお願いすると、快く引き受けてくれる。カウ
ボーイの1人はなかなかハンサムで、近くにいたおばちゃん2人組につかま
って、おしゃべりの相手をさせられていた。

波留子もデジカメを出して、カウボーイや機関車を撮っていた。このデジカ
メ(QV−10)は液晶モニタが付いているタイプ。撮影していると、
うしろから、さっきのカウボーイが珍しそうに覗いている。

『それはビデオカメラか?』と聞くので、
「のー。いっつ でじたるかめら。
  いっつ こんぴゅーた でーた。」
と答えると、何となく納得してくれたようだった。

そこに他のスタッフ達もやってきて、ちょっとした注目の的に(^^;;なった
ので、彼らを撮影し、その場で画像を見せてあげたら、結構うけていた。
過去に撮影していたデータも何枚か見せてあげたのだが、ウェディング撮影
をしたときの画像が出てきたところで、
『実は、この旅行は新婚旅行なんだ。』
と説明すると、驚きの表情とともに祝福の言葉をもらった。

出発時刻の20分前くらいになると、数十人の観光客を集めて、駅の傍らの
スペースで、ウエスタンのアトラクションが始まる。
(この辺、なんとなく日光江戸村のノリに近い。)
ギャグを交えつつの楽しいショー・・・しかし言葉がわかららないので笑う
ところが判らず、ちょっと寂しかったかな(^^;;

このショーが終わると、9時40分ころ。間もなく出発の時刻。

客車の乗車口のところで改札、ステップを上がっていよいよ列車に乗り込む。
乗車率80%といたところ、予約なしでも乗れたかも。尚、東洋人は僕らだ
けだった。

子供の席が2箇所くらいあって、ゴム風船が飾られている。ちょっとしたこ
とではあるが、楽しい旅を演出してくれているようでなぜか嬉しかった。

列車はゆっくりガタゴトと動きはじめる。
これから約64マイル(100km弱)の距離を2時間かけて、グランドキ
ャニオンへ向かう。ウィリアムズ〜グランドキャニオン間は見渡す限り広々
とした大平原が広がっている。
100kmというと、東京〜富士山くらいの距離か。能代から十和田湖まで
くらいの距離? その間、な〜んにも無い訳だから考えてみたらすごい。
グランドキャニオンのゲートシティとは言っても、実はまだまだ遠かったの
である。

牛が放牧されていたりして、のんびり&雄大な景色。
他の乗客とおしゃべりを楽しむ程の語学力はなかったが、カメラのシャッタ
ーをお願いしあったりする。だれかが叫ぶので、外を見ると野生の鹿の群れ
が駆けているのにも出くわした。

車中では、客室係がGCRラベル瓶のコカ・コーラを乗客に配る。保安官や
車掌も客車をウロウロしていて、記念撮影にも快く応じてくれる。

この短い旅の間、車中では夫婦の演奏家によるパフォーマンスがあった。
奥さんがアコースティックギターで伴奏、旦那さんが謎の楽器〜カウボーイ・
ピアノと呼んでいた〜でメロディーを奏で、軽快な曲を演奏。
胸からさげた木の小箱にたくさんの弦が張られていて、それらを2本のステ
ィックで叩くことによって音がなるようになっている。非常に澄んだ音色。
"心が洗われる" とはこんな音か・・・と思われるような、かわいくて、透
明感のある音。

軽く1曲やったあと、お誕生日の子供が2人いたらしく、彼らのために1曲。
後方から『おれも誕生日だ!』と、大人の客が手をあげると、どっと笑いが
おこる。これに便乗して、波留子は2月4日が誕生日なのにズルをして(爆)
『私も〜』と手を挙げる。
それに対し、演奏家は「Happy Honeymoon!」ということで目のまえで1曲
演奏してくれた。ちょっと照れくさかったが、嬉しかった。

11時半くらいになると、それまで低い牧草地帯、または荒野な広々した風
景だったのが、いつの間にか針葉樹林の中を走っていた。ところどころに雪
も残っている。スピードも落ちているし、グランドキャニオンは近いようだ。

客室係のお兄ちゃんがやって来て
『間もなくグランドキャニオンが見えます』と、左前方を指すと、その方向
にキャニオンの対岸の崖が青空をバックに浮かびあがる。

客室中に、どよめきが起こる。

(ついについた!)

11時40分すぎにグランドキャニオン駅到着。ログハウス風の駅舎だ。保
安官にお願いして、駅舎をバックに記念写真を撮ってもらう。カメラを受け
取る際に言葉を交わす。

保安官  『午後の便(帰り)にも乗るのか?』
あきぼん『いや、片道だけなんだ』

残念そうな表情をしてくれた保安官。彼と握手して別れる。
ホンの半日の出会いと別れだった。

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関連リンク
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