バルサスの要塞
The Citadel of Chaos
著者: Steve Jackson, 1983
挿絵: Russ Nicholson, 1983
邦訳: 浅羽 莢子, 1985

■ストーリー


難易度:★★★★(5段階評価)

前作 『火吹山の魔法使い』 と比べると、いきなり難しくなっている。 はっきり言って、デッドエンド(パラグラフ選択ミス等による突然死)が多い (後々の作品群に比べれば、はるかにマシかもしれないけど・・・)。

しかしながら、 途中までの道のりはかなり用意されているので、 デッドエンドに会っても、 「よ〜し、今度はあっちの道行ってみよう」 ってな感じで、繰り返し楽しむことができる。

前半の多彩な道のりに比べ、途中からは割と1本道に近くなるが、 これは考えてみれば当然のゲームブック手法だと思う。 繰り返し遊ばせることを考慮すると、 何度も読み返すことになる前半部にはなるべくたくさんのパターンを用意して 読者を飽きさせないようにし、 後半はそんなに繰り返し読まれないだろうから、 1本道にしてストーリーを盛り上げるという考え方。
(『盗賊都市』『城塞都市カーレ』等でも、最初に3つの分かれ道が用意され、 どれを選んでもよい構造になっているのに対し、 後半に進むにつれ、次第に分岐が少なくなっている。)

また、他のFF作品では "怪物" と呼ばれているモンスターたちが、 この作品に限っては "妖怪" と呼ばれており、ちょっと趣が違う。 どういう意図だったのだろうか。


■ルールについて
"魔法" が使えるようになった。 ゲーム前にあらかじめ、使用する魔法と回数をリストから選んでおくシステム。 使用方法は、ゲーム中の選択肢に出てきたものの中から選ぶだけ。
いわゆる "おふだシステム" (Named by Akibon)なので、 他のゲームブックで使ったキャラクタでプレイしたい場合は、 この冒険に限り、 太古の魔法使いから "使い捨てのおふだ(巻き物)" か "魔法石" か何かをもらったということにすれば、 つじつまは合わせられる。

食事ルールと魔法薬は、なし。 "魔法" という大きなルールを追加したぶん、 他の省けるところは省いて、 手軽に遊べるようにしているところが心憎い。

■マップ
以下の書籍に、バルサス砦のマップが載ってます。 ゲームブック中の項目番号も記載。 この作品のマッピングには僕も結構苦労したものですが、 こちらでは実にキレイにまとめられてます。

タイタンふたたび
〜アドバンスト・ファイティングファンタジーRPGリプレイ〜
山本弘/グループSNE 著
社会思想社 刊

中庭のマップ → 55ページ
地下1階 → 79ページ
1階 → 61ページ
2階〜4階 → 82ページ
5階〜7階 → 93ページ

『タイタンふたたび』は、ウォーロック誌に数回にわたって掲載された、 AFFのリプレイを1冊にまとめた文庫本です。 この本では、ゲームブック 『バルサスの要塞』 『運命の森』 『盗賊都市』 の舞台を使ったシナリオが用いられており、 お馴染みの人物、小道具なども登場するので、 各ゲームブックをプレイした人ならきっと楽しく読めると思います。 (熱心なFFファンの方の中には、怒っている方もいらっしゃいますが・・・その気持ちもわかることはわかる(^^;;)


雑メモ(ネタバレあり)
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