『てんつさんのホッピー常備大作戦』

てんつさんから、自宅にホッピーを常備するという僕らの夢をかなえるため、
奮闘されたれた日々の手記を送っていただきました。(1998.12.31.投稿)

●某月或日
 かねてから念願のホッピージョッキを入手。この日より、このジョッキを満
 たすため飽くなき追求の旅が始まる。

●某月或日
 蓼科に10名弱で旅行。夜到着のため、せっかく持ってきたホッピージョッ
 キもビール用として使用される。

 明くる日、ホッピーに関する資料を片手に熱弁を振るった挙句、メンバーを
 説得し、夜はみなでホッピーを飲もうということになった。事前に入手した
 ホッピーが買える店リストより茅野周辺の店を探し(茅野『西友イオ』)、
 20本程度のホッピーを入手。半分はおみやげのつもりで買うが、すべて飲
 み干す。そのため、買っておいた焼酎が不足し、その辺りにある酒を片っ端
 からホッピーにぶち込み飲みまくる。この時点でホッピーファンを数人増や
 すことに成功。6個あったホッピージョッキのうち、3つは友人に譲ること
 に……。

●某月或日
 ホッピーの狂宴も終わって家に帰り、食器棚にホッピージョッキを並べる。
 「さて、ホッピーを入手しないといけないな」と思い、自由が丘にある酒屋
 を一軒一軒聞きこみにまわる。
「ないねぇ」
「ないんですか? ほっぴぃー?」
「あれは、飲み屋さんにしかないんじゃないの?」
 まさかの全滅(奥沢も含め12軒)。

 失意のまま渋谷へ……。大型量販店に入荷のうわさをきき、そこへ行くがな
 い。西武・東急系デパートも全滅(ホッピービバレッジの「赤坂地ビール」
 は発見)。ここで、さらにホッピー探しの熱意が強まる。とっぷり夜が暮れ
 るまで探したが、結局発見ならず……。

 疲れをいやすために、池尻大橋の温泉へ……。温泉へ向かう途中に、半分シ
 ャッターが閉まりかけている地元の酒屋があった。温泉を出たら飲もうと思
 い、ビールを購入しようする。ついでと思い、ホッピーがあるかどうかチラ
 チラ見ていると、「何かお探しの銘柄でも?」と店のご主人。
「あ、はは、(半分あきらめ調子で恥ずかしげに)ホッピーとかって置いてま
せんよね?」
「ありますよ」
「ええーっ!」
「何本いるの?」
「も、持てるだけ!」
「じゃあ5本くらい?」
「10本はいけます!」
 微笑みながら店の奥からダンボールを持ってきて、そこからホッピーを出し
 てくれました(なぜ店頭に置かないの?)。
「ホッピーはおいしく作るのが難しいからねぇ、なかなか売れないよ」
「僕はちゃんと専用のジョッキ買いましたから大丈夫です」
「この飲みきり瓶を売り出した時は、結構、置いている店があったんだけど、
売れないから、みんな取り扱いやめちゃってねぇ……」
「え、じゃあ、この店もこれが最後ですか?」
「いや、うちは付き合いもあるから、やめないよ」
 この日から無意味に池尻大橋に出没する日が続くのであった。
(お店:『大西屋酒店』池尻大橋から徒歩1分程度)

●某月或日
 ホッピーの減りが早い。飲んだ覚えのない空き瓶が台所に……。入れた覚え
 のないホッピージョッキが冷凍庫に……。父親が帰ってきた。当然のように
 冷凍庫をあけジョッキを取りだし、冷蔵庫からホッピーを。愛用の焼酎「麦
 天まる」を片手に手馴れた手つきでホッピーを作り始める。
(うかつだった。この男は第一次、第二次ホッピーブームをリアルタイムで経
験しているのだった)
 その日から、池尻大橋への買出しは、車を使用することとなった。

●某月或日
 休日もつぶれることが多くなり、平日も帰りが遅くなってきた。とうとうホ
 ッピーの在庫も尽きた。少しくらい割高でもいい。本社から直接通販だ!
 青山NTモール一階の電話ボックスから赤坂のホッピービバレッジに電話を
 入れる。
「もしもし、私、××と申しますが。ホッピーの方を郵送で購入したいと思っ
ておるのですが……。」
「××様は、お店の方でお買い上げですか?」
「はぁ?」
「あ、じゃあ、個人様ですね。イベントかなにかでお使いのご予定ですか?」
「い、いえ、その自分で飲みます」
「個人様でご愛飲ということですね。まことにありがとうございます。お住ま
いはどちらでしょうか?」
「東京の世田谷区です」
「そうですか。それでは、直接小売り店でお求めになったほうがよろしいので
すが……。郵送しますとなにぶん重みのある商品ですので、お値段がかさんで
しまいます。私どもは、おいしいものを安価でお客様にお届けするがモットー
となっておりますもので……。まあ、もっとも地方の方で、お近くではご購入
が困難な方にはご郵送さしあげていることもございますが……」
「それが……、ずいぶん探したのですが、近くで売っている店を見つけられな
くて……。それでこうしてお電話を……」
「さようですか。それでは、営業がもどりましたら、林様のお近くで販売して
いる店を調べさせます。もしない場合は、お近くの酒屋さんでも、ある程度ま
とまった数でしたら充分商売になりますので、取り寄せ可能だと思います。ま
た、こちらの営業から、当社の製品を置いていただけるように交渉するという
手段もありますので、またお電話差し上げます」

 なにぶん出先のため、こちらからお電話しますといったところ、営業への直
 通電話を教えてくださいました(お客様ダイアルは17:00で留守録に変
 わってしまう)。


 その後、営業さんとお話をし、中目黒、学芸大学の『東急ストア』にて扱っ
 ているとの情報を教えていただく。また、緑ヶ丘の『酒奉行』でも取り扱っ
 ているとのこと。

 さて、青山NTモール(外苑前)を出て、飯倉(自分の職場)に戻ろうとし
 ていたとき、ついに我慢ができなくなり、遠回りでもいいからホッピーを入
 手しようと思い、中目黒に寄る。しかし、品切れ……。
 何てことだ!!! これでは今晩のホッピーもないではないないか!!!!
 家に電話を入れる。母親が出る。
「親父は帰ってる? もう酒飲んでる?」
「いいえ、なぜ?」
「いや、緑ヶ丘に買い物に行ってもらおうと思って……。緑ヶ丘のパチンコ屋
の裏手に『酒奉行』という酒屋があって……」
「あ、ホッピーだったら、さっき『サカリヤ』に行ったら8本だけあったので
買っておいたわ」
「なにぃー!」
『サカリヤ』は、家の正面にある店である。盲点だった。
「おとうさんの飲むものが無いので、しょうがないから淡麗生を買いにいった
の。レジでお金を払った後、ちょっと聞いてみたら奥から出してくれたのよ。
でも、もう焼酎が残り少ないから、飲みたいなら焼酎を買ってきてね」

 がんばって雑務をかたずけ、家に急ぐ。「そうか、焼酎が必要だな」と思い
 奥沢の酒を扱っているコンビニ『トークス』に寄る。25%の焼酎を探して
 酒の棚を眺めていると……、がくっ! そこにはホッピーが並んでいた。こ
 んな家の側のコンビニに……。10本ほど焼酎といっしょに購入する。

 家に帰る。買ってきたホッピーを冷蔵庫に放り込もうと思い、中を覗くと、
 業務用のいかついリターナル瓶が鎮座していた。お、恐るべし『サカリヤ』。
 きっと、まだワンウェイボトルが流通していなかったころに仕入れたものの
 残りを売りつけられてのでは……。そんな疑惑がふつふつと沸いてきた。

 母親に聞いてみたところ
・この8本で在庫は終わり
・また必要なら問屋から取り寄せる
・ただし、取り寄せにはちょっと時間がかかる
 とのこと。なんだぁ? なぜ業務用? 謎は深まる。

 次の日、母親に、
・あのボトルは業務用で、一般入手が困難であること
・最近は飲みきりのワンウェイボトルが主流であること
・このボトルはマニアが見たら泣いて欲しがるであろうこと
 を教え込んだ。
 また、一日1本づつ、この親子がホッピーを消費していったらどれだけのガ
 ラス瓶が廃棄されることになるか、という点も付け加え、『サカリヤ』に交
 渉し、リターナル瓶購入の契約を結んでくれるように依頼。エセ・エコロジ
 ストの性が幸いしたか、「やってみる」とのことだった。

●某月或日
 母親から、『サカリヤ』に交渉したとの報告を聞く。
・白と黒を一ケースづつ頼んだとのこと。
・「自由が丘でホッピーを入れているのは、焼き鳥屋とうちの2軒だけ」と言
 われたとのこと。
 自由が丘はホッピー勢力の弱い土地だなぁ、とつくづく思い知らされる。

 その焼き鳥屋というのは知っていた。北口の昔からあるちょっと場末な雰囲
 気の赤提灯が数件ならぶ道の中の一軒である。ホッピーののぼりが上がって
 いる。焼き鳥もおいしいが、葉わさびの漬物がとても気に入っており、とき
 たま飲みに行く。父親も気に入っている店だそうだ(親子だなぁ……)。と
 いうことは……、後、どんなに探しても、自由が丘にホッピーの飲める店は
 ない!ということか……。ちょっとがっかりする。

●某月或日
 母親が申し訳なさそうに報告してきた。どうやら、リターナル瓶は入荷でき
 ないとのこと。今はもう買えないらしい。
(なに? では最初の8本はいつのものなんだ?)
「普通のホッピーでいいか?」と問われたので、「やむをえまい、それでいい
 です」と再度注文してもらう。
 そうか、ワンウェイの発売に伴い、手間のかかるリターナルは小売店向けの
 取り扱いが廃止になったのかな? 残念だけれど仕方がない。今、数本残っ
 ているリターナル瓶は大切に保存しようと決める。

●某月或日
 ホッピーが届いた。運ぶのがつらいから手伝えと母に呼ばれる。そんなに重
 いのか? と思いながら勝手口に行くと……、業務用の黄色いケースに入っ
 た業務用ホッピーが2箱……。なにぃーーーーー!!!!
「こ、これリターナル瓶だよ!?」
「え? そうなの? そんなこと言ってなかったわよ? 瓶も特に返さなくて
もいいって……」
「なんだ、そりゃ?」
 ともかく、期せずして目的のものは手に入った。現在は、楽しいホッピーラ
 イフを送っております。こんなに恵まれた環境で良いのだろうか?


ホッピーの黄色いケース
届いたホッピー。白・黒30本ずつ。黄色い
ケースがとても業務用っぽい。上の段はホッ
ピービバレッジ、下の段はコクカ飲料の印字
がある。                

白と黒の違い
白・黒それぞれのボトルは共通。王冠で区別する。

リターナブル瓶
ホッピービバレッジの真新しい瓶とコクカ飲料の年季の入
った瓶が混ざっている。いったい何年物の瓶なのだろう。
ある意味、驚異的な回収率・再利用率なのでは? 業務用
に限定しているためだろうか? 「ちゃんと瓶は返そう」
と思う。                      

ホッピー領収書
領収書です。一箱4500円、一本あたり150円。ワン
ウェイに比べ少し高いが、送料を考えれば全然安いかな?


●登場するお店(ホッピーの買える店・括弧内は置いている種類)
 『西友イオ』茅野(白・ハーフ)
 『大西屋酒店』池尻大橋(白)
 『東急ストア・中目黒店』(確認時、売りきれ)
 『東急ストア・学芸大学店』(未確認)
 『酒奉行・緑ヶ丘店』(白・ハーフ)
 『トークス・奥沢駅前店』(白)
 『リカーショップ・サカリヤ』(注文制?)

●疑問点
 今後とも、可能な限りリターナル瓶を購入していくつもりです。ただし、瓶
 のリターンはどうすればよいのでしょうか? 『サカリヤ』さんは、瓶の回
 収の手順などについて、把握なさっていない恐れがあります。再度、ホッピ
 ービバレッジさんに問い合わせをしてみようかな?などと思っています。
 ところで、コクカ飲料のコクカって、「國華」ですか?

●現在のチャレンジ
 東京下町で時折見かける、金色の「宮」のマークで有名な亀甲宮(焼酎)。
 北千住で初体験し、大変感動したため、また『サカリヤ』さんに無理をお願
 いした。北千住の店で「この瓶一本ください」と言って持って帰ってきた瓶
 を渡し、「これを取り寄せてください」と頼んだのだ。亀甲宮は由緒正しい
 三重県の作り酒屋で作られており、その出荷の90%が東京の下町であると
 いう。その他にみりん、日本酒なども作っているらしい(が、入手は困難で
 しょう)。亀甲宮の入手に成功すれば、私のホッピーライフはさらに充実し
 たものになるでしょう。




『続・てんつさんのホッピー常備大作戦』

てんつさんから、手記の続報をいただきました。(1999.01.24.投稿)

●続報
 亀甲宮焼酎入手しました。一箱20本入りで、一万円しなかったので、一本
 500円しません(安い!)。しかもホッピーとの相性がなんていいんでし
 ょう。人に譲ったりもしましたが、20本中半分、消費してしまいました。
 以下にその後の活動(?)状況のご報告をいたします。

●1.マイカルグループへのアプローチ
 『サティ・自由が丘店』に、ハーフホッピー、白ホッピーを発見。お酒も充
 実して焼酎各種もそろっていました。一言誉めておこうと思い、入り口のア
 ンケートに記入しました。酒のそろえが良く、さらにはホッピーまでそろっ
 ているのは大変感心した。今後も愛用したい、と。そして、ついでに、「ホ
 ッピーゴールドと、三重県で生産され下町で愛される亀甲宮(宮崎本店・生
 産)がそろっていれば、もう言うことがない」と書き加えておいた。

 数日後、仕事から帰ると、留守録が一件。
「マイカルグループ・サティーお客様サポートセンターのXXでございます。
 先日はアンケートをおよせいただき、大変ありがとうございます。さっそく
 酒店の方にご要望をお伝えしていきたいと思います。今後ともよろしくお願
 いします」とのこと。すばらしい……。もし入荷することが無理だったとし
 ても、すばらしい。今後の動向に注目したいと思います。

●2.宅配サービス
 亀甲宮を愛飲している友人と尻臼に行きました。そうした所、ホッピーのお
 いしさに大変感動し、なんとか入手したいとのこと。自宅のホッピーもそろ
 そろ残り少なくなったため、さっそく、『サカリヤ』に白・黒一箱づつ注文
 し、その半分を彼のところに車で宅配いたしました。彼の家で、彼の高尚な
 趣味である鉄道のビデオを見ながら、おいしくいただきました。またHな人
 を一人増やしたなぁ、と思った。

●3.八剣伝教育的指導
 自由が丘のローソン2階に居酒屋チェーン『八剣伝』があります。最近メニ
 ューに加えたらしく、ホッピー、電気ブランの張り紙が貼ってあったため、
 思わず店に飛び込みました。どうやらホッピー、電気ブランはこの店が独自
 に入荷しているらしく、メニューには記載されていません。ただ、壁に張り
 紙がしてあるだけです。ホッピーのジョッキに氷と焼酎が入った状態で、業
 務用の瓶といっしょに運ばれてきます。「これで氷さえなければ……」残念
 でなりません。ある日、この会社がある企業の系列であることをひょんなこ
 とから知り、その企業のホームページを覗いてみると、『八剣伝』のページ
 がありました。アンケートの備考欄に、独自にホッピーをメニューに加えて
 いる自由が丘店はすばらしい、ただし……。という形で、ホッピーのおいし
 い作り方を記述してしまいました。その後、どのようになっているか、近々
 もう一度行ってみようかなぁ、と思っています。

●4.箱根のHな夜
 社員旅行で箱根にいきました。宴会、カラオケとお決まりのパターンが終わ
 った後、お酒好きの人々などは各自飲みに入りました。しかし……、お部屋
 は二人で一部屋。なぜかお酒のみの人の同室の方は早寝。どこの部屋でも飲
 むことができなくなってしまいました。しょうがないので、深夜でだれも使
 わないだろう、と踏んで、エレベーターホールに机を運び、そこで毛布をか
 ぶりながら飲みに入りました。もちろんホッピージョッキ、亀甲宮、ホッピ
 ー黒&白。車の中に放置しておき、夜風でキンキンに冷えています。廊下を
 通る人に奇妙な目で見られながら、箱根のHな夜をすごしました。


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