香取支部、活動の実態

香取支部、活動の実態　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　☆星川哲也

昨年末の山美果(やまびか)での忘年会をきっかけに、どうやら、ホッピーでハッピー党の党員(？) にまぜてもらったみたいです。そして私が執拗に欲しがったおかげか、笹目党首からホッピージョッキまでもらってしまいました。物につられると弱くって、せめてもの恩返しにと、自宅の片隅に自称の支部を設立したのは今春のこと。当初、「ホッピーでハッピー党・千葉県支部」と銘打っていたのですが、現状を鑑みるに「市川市支部」から「行徳支部」に、果ては「香取（カンドリと読みます。知らないですよね、こんな地名）支部」へと、じりじり縮小してしまいました。ともあれ等身大の活動をと、その第一歩を踏み出したわけです。	現地に調査隊を派遣!! 　さて活動の手始めとして、香取地区一帯でホッピーの現地調査にのりだしました。日本一の数を誇る中古車センターや、目がくらむほどのネオンでひしめきあうパチンコ屋さん、ドはずれた音程で夜を騒がすカラオケスナックが、所狭しと軒を連ねる香取地区。この無法地帯というべき地域では、あのエレガントなホッピーの姿はなかなか拝めません。おかげでせっかくもらったホッピージョッキに、やむを得ずビールを注いでしまうありさまでした。　しかし、３ヵ月が過ぎた頃のこと。ついにあった、ありました、それが。駅前からちとはずれた酒屋さんに。ワインなんぞがのさばる店内のずっと奥の棚に、まさに

奥ゆかしく鎮座ましましているではありませんか。さっそく購入し、自宅で焼酎ともどもホッピージョッキについでみました。　ホッピーの販売元であるコクカ販売の渡部さんがおっしゃっていましたが、焼酎とホッピーが正しい分量ならばピタリとホッピージョッキにおさまるのです。うむ、まさにピッタリ。あらためて感心させられます。一気に飲み干し、これぞホッピーなのだと自画自賛した次第です。そのノドごしの興奮さめやらぬうちに、党首にその旨をご報告。党首「それはよかった。ところで何で割りました？」私　「家で眠ってた焼酎で」党首「銘柄は？」私　「えーと、『いいちこ』です	ね」　そこでちょっとの間があって、党首「だめですよぉ。ホッピーは、甲類の焼酎で割らなきゃあ……」　そんなルールがあったのか、と修行の足りなさを痛感するのでありました。　　　　　★ 躍進する香取支部!! 　少しは我が（といってもひとりですが）香取支部の業績もお伝えしなくては。香取という非常にローカルな響きでありながら、その活動は広範におよびます。そして設立してからのその最大の貢献は、三軒茶屋のすずらん通りにある居酒屋『味とめ』の開拓でしょう。（既にかなり知られているのかしら）店内のほとんどが座敷で占められているそこでは、ホッピーを

飲ませます。黒ホッピーもあります。期待に胸躍らせてさっそく、他人の会話にむりやり割り込んでくるおばちゃんのごきげんを見ながら、「ホッピーください！」と気合十分に注文しました。　山美果で味わってからごぶさたしていた、お店でのホッピーです。わくわくしながら待ちました。が、クリームパンのようなおばちゃんの手に握られて運ばれてきたのは、ホッピーと、なんとビールジョッキ、しかも氷が入れてある……。猛然と抗議したのは言うまでもありません。　　　　　★ 正統派ホッピーへの道「ビールジョッキにはまだ目をつぶるにしても、そこに氷を入れてしまうとは！」でもおばちゃん、	一向に気に止めるふうでもなく、「あらそう」てなもんでした。だから二杯目からは、「ホッピーと、ジョッキに焼酎だけを入れて」と頼みました。しかし二杯目も、ホッピージョッキじゃないばっかりに、ホッピーがジョッキにピタリとはおさまりません。私の気持ちもおさまりませんでしたが、「ホッピーに氷は御法度という原則だけは、おばちゃんもわかってくれたんだ」と、自らを慰めてみるのでした。　　　　　★ 再起!! そして、ホッピーの未来へ……。　で、その二ヶ月後、再び行ってみました、『味とめ』に。今回は党首も一緒です。そしておばちゃんに当然のごとくホッピーを注文。

つっかけサンダルで厨房に向かうおばちゃんを見送りながら、心で念じました。「おばちゃんならわかっている。最悪でもホッピーとビールジョッキに焼酎のみで出てくるはずだ」しかし、クリームパンが差し出したのは、やはりパキパキに冷えた氷入り。「ああ……」と力なく肩を落とし愕然とする私が、そこにありました。　正統派ホッピーを極めるには、その道のりはまだまだ長い。熱燗が恋しい季節になりましたなどという邪念は振り払い、香取支部のさらなる活動を誓うのでありました。　　　　　★ 　と、ここまで書き終えたところで、新たに一軒発見したのでお知	らせを……。　両国駅からすぐの横綱通りを入って、まっすぐ行った右手にある『鳥源』。ホッピー、黒ホッピーの両横綱を、ここではホッピージョッキで飲ませます。でも山盛りの氷と、なぜかレモンのスライスが同居。ホッピーへの独自な解釈がなされている、そんなお店です。

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昨年末の山美果(やまびか)での忘年会をきっかけに、どうやら、ホッピーでハッピー党の党員(？) にまぜてもらったみたいです。そして私が執拗に欲しがったおかげか、笹目党首からホッピージョッキまでもらってしまいました。物につられると弱くって、せめてもの恩返しにと、自宅の片隅に自称の支部を設立したのは今春のこと。当初、「ホッピーでハッピー党・千葉県支部」と銘打っていたのですが、現状を鑑みるに「市川市支部」から「行徳支部」に、果ては「香取（カンドリと読みます。知らないですよね、こんな地名）支部」へと、じりじり縮小してしまいました。ともあれ等身大の活動をと、その第一歩を踏み出したわけです。	現地に調査隊を派遣!! 　さて活動の手始めとして、香取地区一帯でホッピーの現地調査にのりだしました。日本一の数を誇る中古車センターや、目がくらむほどのネオンでひしめきあうパチンコ屋さん、ドはずれた音程で夜を騒がすカラオケスナックが、所狭しと軒を連ねる香取地区。この無法地帯というべき地域では、あのエレガントなホッピーの姿はなかなか拝めません。おかげでせっかくもらったホッピージョッキに、やむを得ずビールを注いでしまうありさまでした。　しかし、３ヵ月が過ぎた頃のこと。ついにあった、ありました、それが。駅前からちとはずれた酒屋さんに。ワインなんぞがのさばる店内のずっと奥の棚に、まさに

奥ゆかしく鎮座ましましているではありませんか。さっそく購入し、自宅で焼酎ともどもホッピージョッキについでみました。　ホッピーの販売元であるコクカ販売の渡部さんがおっしゃっていましたが、焼酎とホッピーが正しい分量ならばピタリとホッピージョッキにおさまるのです。うむ、まさにピッタリ。あらためて感心させられます。一気に飲み干し、これぞホッピーなのだと自画自賛した次第です。そのノドごしの興奮さめやらぬうちに、党首にその旨をご報告。党首「それはよかった。ところで何で割りました？」私　「家で眠ってた焼酎で」党首「銘柄は？」私　「えーと、『いいちこ』です	ね」　そこでちょっとの間があって、党首「だめですよぉ。ホッピーは、甲類の焼酎で割らなきゃあ……」　そんなルールがあったのか、と修行の足りなさを痛感するのでありました。　　　　　★ 躍進する香取支部!! 　少しは我が（といってもひとりですが）香取支部の業績もお伝えしなくては。香取という非常にローカルな響きでありながら、その活動は広範におよびます。そして設立してからのその最大の貢献は、三軒茶屋のすずらん通りにある居酒屋『味とめ』の開拓でしょう。（既にかなり知られているのかしら）店内のほとんどが座敷で占められているそこでは、ホッピーを

飲ませます。黒ホッピーもあります。期待に胸躍らせてさっそく、他人の会話にむりやり割り込んでくるおばちゃんのごきげんを見ながら、「ホッピーください！」と気合十分に注文しました。　山美果で味わってからごぶさたしていた、お店でのホッピーです。わくわくしながら待ちました。が、クリームパンのようなおばちゃんの手に握られて運ばれてきたのは、ホッピーと、なんとビールジョッキ、しかも氷が入れてある……。猛然と抗議したのは言うまでもありません。　　　　　★ 正統派ホッピーへの道「ビールジョッキにはまだ目をつぶるにしても、そこに氷を入れてしまうとは！」でもおばちゃん、	一向に気に止めるふうでもなく、「あらそう」てなもんでした。だから二杯目からは、「ホッピーと、ジョッキに焼酎だけを入れて」と頼みました。しかし二杯目も、ホッピージョッキじゃないばっかりに、ホッピーがジョッキにピタリとはおさまりません。私の気持ちもおさまりませんでしたが、「ホッピーに氷は御法度という原則だけは、おばちゃんもわかってくれたんだ」と、自らを慰めてみるのでした。　　　　　★ 再起!! そして、ホッピーの未来へ……。　で、その二ヶ月後、再び行ってみました、『味とめ』に。今回は党首も一緒です。そしておばちゃんに当然のごとくホッピーを注文。

つっかけサンダルで厨房に向かうおばちゃんを見送りながら、心で念じました。「おばちゃんならわかっている。最悪でもホッピーとビールジョッキに焼酎のみで出てくるはずだ」しかし、クリームパンが差し出したのは、やはりパキパキに冷えた氷入り。「ああ……」と力なく肩を落とし愕然とする私が、そこにありました。　正統派ホッピーを極めるには、その道のりはまだまだ長い。熱燗が恋しい季節になりましたなどという邪念は振り払い、香取支部のさらなる活動を誓うのでありました。　　　　　★ 　と、ここまで書き終えたところで、新たに一軒発見したのでお知	らせを……。　両国駅からすぐの横綱通りを入って、まっすぐ行った右手にある『鳥源』。ホッピー、黒ホッピーの両横綱を、ここではホッピージョッキで飲ませます。でも山盛りの氷と、なぜかレモンのスライスが同居。ホッピーへの独自な解釈がなされている、そんなお店です。