2023.6
誰もがあたりまえに一緒にいる地域の場
壁を越える実践とその意義(池田昌弘)
- 富山で生まれた共生サービス.→1993年の障害児を預かるデイサービス.障害者が満65歳になると介護保険法が障害者総合支援法を優先するという問題を乗り越える方法として共生型サービスが2018年に制度化された.また利用者だった障害者がボランティアから有償のスタッフになるという富山型ならではの実践も2013年に特区で実現した.
- 宅老所のケアモデルから壁を越える新たなケアが次々と出来る.1980年代から1990年代初頭まで民家を活用した地域ニーズに応える実践が全国で広がっていた.1998年に宮城県松島町で全国フォーラムが行われ,実践の総称を宅老所と呼んだ.その後,高齢者と障害者も子どもも一緒という地域共生ケアに発展したり,小規模多機能ケアへと発展したところもある.2006年の小規模多機能型居宅介護のモデルとなった.
- その後,小規模化,あるいは施設入所者がデイサービスに通う逆デイサービス,ユニットケア,サテライトケアなど創意工夫がされ,地域密着型サービスの創設に影響を与えた.
- 地域共生社会の実現に向けた取り組みは福島県楢葉町では2015年に地域共生ケア会議を設置して,分野の壁を越えた支援調整を重ねてきた.2018年以降は分野別の策定時に合わせて,高齢者と障害自者のそれぞれの課題や対応を明らかにし,町高齢者保健福祉計画では8050世帯をどう支えるか,町障害者計画では5080世帯をどう支えるかと言ったように,地域福祉(活動)計画も含めた分野別計画の一体化を目指した作業を通じて地域共生社会の実現を計画的に進めている.
- 孤独や孤立の予防はつながり・気にかけ・支え合う地域の基盤を作ることである.頼っていいのだと思うこと.そうした取り組みを周りが行うことにある.
- 突然の災害やその他暮らしの中で急性期対応できる居場所が少ないし,なかなかそこにリンクしていない状況にある.救急福祉ともいうべき緊急一時支援の拡大が求められる.
論者のレポート
地域福祉志向中間支援NPOによるソーシャルアクションの展開 | CiNii Research https://cir.nii.ac.jp/crid/1390296841718755712?lang=ja #CiNii
実践報告④ 24時間365日属性を問わない緊急受け入れから見えてきたこと | CiNii Research https://cir.nii.ac.jp/crid/1390300611760586368?lang=ja #CiNii
レポート
- 地域に広がる多機能な居場所 地域福祉コーディネーターの配置 https://www.bunsyakyo.or.jp/publication/coordinator
- 誰もが働けるように支える ユニバーサル就労の実践 https://kazenomura.jp/universal/
- 外国人と地域住民がともに生きる 社会福祉法人による外国人のための交流スペースの開放,活用.
- 古民家に誰もが集える地域の居場所 高齢者のみならず3世代にわたる交流の拠点
- つながり支え合う地域づくり 小規模多機能の拠点の活動 https://www.pref.kochi.lg.jp/doc/attaka/
インタビュー 壁を越えるごちゃまぜの実践はこう進化した
- 利用者が利用者をケアする姿を見て,これまでの福祉は利用者と支援者の関係では無い,人と人との関係がかけていたのでは無いかと感じた.
- プロジェクト・サイクル・マネジメントの手法で地域住民が主体となって企画立案,運営できるようにする.専門家が何とかしてくれるという発想では無く,住民の要望を引き出すこと.こちらからこうしましょうと提案しないことにある.
- 人と人とのつながりや生きがいや生きる目的があることは認知症予防にもなる.ここにいても好いのだと思える居場所を作ること.また障害や高齢だけはなくあらゆる人々が一緒にいられる空間を作ることが人とのつながりを生む事になる.
- 佛子園 https://bussien.com/#/